【インタビュー】the paddles、まさにエバーグリーンな青春ど真ん中のロックチューン『EVERGREEN』
大阪のからまた一つ大きな夢を持ったバンドが全国制覇を目指してはばたく。その名はthe paddles。「十代白書2018」など数々の著名オーディションでグランプリを獲って名を上げ、今こそ世に問う初の全国流通CDは『EVERGREEN』。21歳の今を歌う直球メッセージ、先輩バンドから引き継がれた日本のロックの歴史、洋楽パワーポップを志向する音楽性が合体した、まさにエバーグリーンな青春ど真ん中のロックチューンが引き起こす、フレッシュで切ない感動を一人でも多くの人へ。大注目のスリーピース、BARKS初登場インタビューはまずは地元・寝屋川のエピソードから──。
■正統派なギター・ロックが絶対にもう一回来る
■そう僕は思ってるんでとにかくやり続けたい
──このアルバム・ジャケット。もしかして。
柄須賀皇司/Vo&G(以下、柄須賀):そうです。地元・寝屋川の、淀川の土手です。僕の家のすぐそばです。
──寝屋川自慢よろしく。
加賀屋航平/Dr(以下、加賀屋):観光地とかはまったくないです。でも住むにはいいかもしれない。都会すぎず田舎すぎず。
柄須賀:何でもあるんですよ。買い物もすぐできるし飲み屋も多い。だからみんな田舎者になっていく(笑)。大阪市内に出なくても、寝屋川で事足りるから。そう、「寝屋川は全部事足りる」ですね。そしてヴィンテ(寝屋川VINTAGE)がある。ライブハウスがあるんで、だからバンドが出てくるよな。
松嶋航大/B(以下、松嶋):せやな。
柄須賀:駅が三つあって、香里園、寝屋川市、萱島があって、萱島には地元の先輩のUnblockが住んでます。僕らは香里園、寝屋川市になるんですけど。
──そのへんの地元バンドってみんな仲良いの?
柄須賀:仲良いよな? 繋がりは強いですね。
──yonigeも寝屋川でしょう。
柄須賀:yonigeもそうです。でも僕らはすれ違いの世代で、僕らが高校生で寝屋川VINTAGEに出始めたぐらいにyonigeが売れて、次に見た時はもうワンマンやったな。ワンマンで即ソールド。
松嶋:せやな。
柄須賀:だから形として、寝屋川への恩返しを一番してるイメージがあるよな、yonigeは。でも地元密着で何かやってるとなったら、Unblock、Day Tripperやな。
──そういうバンドがちゃんと地元を盛り上げてるんだ。素晴らしい。
柄須賀:だからバンドやってたら、寝屋川はいい街かもしれない。僕らが今年21歳になる年で、先輩もいるし下もどんどん出てくるし。
松嶋:いい環境やな。
柄須賀:逆に言ったら、それしかやることがない(笑)。高校も基本、軽音部あるしな。僕らは四条畷高校という、隣の市のもっと田舎の高校なんですけど。
──そこで出会った。
柄須賀:そうです。そこの軽音部で出会って、そのままやってるって感じです。
松嶋:5年ぐらいか。長いな(笑)。
柄須賀:高校の同級生からずっとやってるんで、5年も経ってる気がせえへん。
──今は大学生?
柄須賀:そうです。ここ(松嶋&加賀屋)が一緒で、僕は違います。僕だけ落ちたんで、別れました(笑)。
松嶋:でもみんな神戸の大学です。
──順調にいけば再来年卒業?
柄須賀:そうですね。今3回生なんで。うまくいかなあかんな。
──そこでまたターニング・ポイントが来そう。でもやる気満々でしょ、バンド。
柄須賀:そうですね。このタイミングで全国流通にもなったし。逆に周りの友達が就活や何やで、インターンとかいろいろやっていて。キャビン・アテンダントのインターンに受かったとか、そんな友達の話を聞いとったら、自分もある意味バンドで就活してるようなもんやなって思いますよね。
▲柄須賀皇司/Vo&G
──それ面白いなあ。バンドで就活。
柄須賀:そうなんですよ。だから一緒やなと思いましたね。あんまり変わらへんなって。ただ、好きなことをずっとやれてるかやれてないかの差はあるのかもしれへんけど。好きなことやってんのやから、なおさら頑張ろうと思うよな。
松嶋:せやな。
加賀屋:確かに。v
──今のところ、就活めっちゃ好調でしょ。だって「十代白書2018」グランプリ、「RO JACK for COUNTDOWN JAPAN 18/19」優勝。すごい成績。
柄須賀:そこだけ華々しい感じになってますね。はたから見てると、確かにそうですね。「確かにそうですね」とか言って(笑)。まあ、単純に嬉しいよな。これでいいんやと思います。
──もともと音楽的な共通点があった3人のなのかな。
柄須賀:いや、全く。組んだきっかけも、最初にリードギターがいたんですけど、そいつと僕がなんとなく知り合いで。軽音部の中でバンド組みをする日に「良さそうな奴らがおるから」って連れてきたのがこの二人やった。
松嶋:僕らは元々そいつと知り合いやって、すっと引き寄せられた。
柄須賀:スリーピースになったのは高校3年で、バンドが「受験活休」に入る前に彼が抜けて。
▲松嶋航大/B
──最初はコピーバンドでしょう。何をやってた?
柄須賀:最初の曲はDOESの「バクチダンサー」。僕らの世代は、今でいうWANIMAとかMy Hair is Badとかが出始める寸前で、コピーしてたのはKANA-BOON、ASIAN KUNG-FU GENERATION、BaseBallBear、あと何した?
加賀屋:銀杏BOYZ。
柄須賀:そうそう。9mmもめちゃくちゃやった。今言ったら、一世代前やんと言われちゃいそうな。
加賀屋:先輩たちがやってる曲がかっこいいと思ってる感じだったので。
松嶋:代々繋がってる。
柄須賀:ブルーハーツの「リンダリンダ」とか、先輩から代々引き継がれる曲があるんですよ。銀杏BOYZ「銀河鉄道の夜」もそう。僕らに直接的な影響を与えてくれたバンドたちはそのへんやな。
松嶋:軽音部でつちかわれた。
柄須賀:僕らはしてないですけど、同級生はチャットモンチーをすごいコピーしてたし、フジファブリックも。そこらへんはもろに好きですね。で、僕らの後輩がWANIMAとかMy Hair is Badを必死でコピーしてた。
松嶋:yonigeも僕らの下の世代から。
柄須賀:yonigeのコピバンが出てきた時は驚いたな。僕らでさえ時代を感じましたよ。
▲加賀屋航平/Dr
──なんか、すごいロック健康優良児って感じがする。マニアックなほうじゃなくて、ポップなものが普通に好きみたいな。
柄須賀:ああ、そうです。僕らはずっとポップを吸収し続けてるところはあるよな。今やからこそ、僕らがその世代のバンドに影響を受けてるということを出せたら面白いんちゃうかな?とすごい思います。「正統派なギター・ロックが絶対にもう一回来る!」と僕は思ってるんで。とにかくやり続けたいよな。
松嶋:せやな。
柄須賀:いくつになってもやれる音楽をやりたいんですよ。40ぐらいになっても、今の曲をやれるほうがいいですよね。それこそアジカンが今も「リライト」をやってるのとか、すごいなと思いますよね。変わってないもんな。『ソルファ』も再録できるぐらいやもんな。今回出すアルバムも、何十年後かにやったりしたらおもろない?
加賀屋:バリうまなってるかもわからん(笑)。
柄須賀:バンドやってる上で、そういうのができたほうがおもろいやろなと思います。今やってることも、先々の自分のものとして受け入れられるのは、やりたいことですね。
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