【ライブレポート】BREAKERZ、全国ツアーで「みんなの存在が俺たちの“青い鳥”」
20枚目となるシングル「闇夜に舞う青い鳥」をリリースしたBREAKERZが、全国ツアー<BREAKERZ LIVE TOUR 2019-Seeking the Blue Bird->の2本目となる公演を9月22日、東京・TSUTAYA O-EASTにて開催した。
◆BREAKERZ 画像
青が差し色として使われた新しい衣装でステージに登場したBREAKERZがオープニングで演奏したのは、いきなり新曲「闇夜に舞う青い鳥」のovertureバージョン。ライブ仕様のアプローチからDAIGOがマイクスタンドを振り回し、攻撃的でアッパーな「激情」へと移行する予測不可能な流れにフロアは大興奮だ。尖りまくりのBREAKERZを叩きつけるアクト。ステージングの気迫は場内の温度を瞬く間に上昇させてしまった。
続いて投下されたアルバム『FIGHTERZ』(2009年リリース)収録曲の「NEXT LEVEL」ではDAIGOがシャウト気味に歌いながら下手のステージ縁のギリギリから客席に手を伸ばし、センターでSHINPEIが煽り、AKIHIDEがエキゾティックかつハードなギターソロを響かせる。本気度マックスの3人から伝わってきたのは結成から13年経っても持ち続けているギラギラした渇望感だった。
「俺たちが、希望と夢の青い鳥を探しに全国に旅に出るのがこのツアーなんですけど、みんなにとっても青い鳥はなんなのか考えながら一緒に探しに行けたらいいなと思ってます。楽しんでくれてますか? 今日は日頃の鬱憤とか持て余しているパワーをこのステージにぶつけてください! みんなで青い鳥を探しに行こうぜ!」──DAIGO
DAIGOのメッセージに続けて贈られたのは“青”をテーマに制作されたミニアルバム『アオノミライ』(2008年リリース)のタイトルチューンだ。SHINPEIが作曲した開放感たっぷりのナンバーにブルーの照明が降り注ぎ、BREAKERZの初期のナンバーがたっぷり盛り込まれたセットリスト。フロアがいっせいにジャンプしたミクスチャーナンバー「BIG BANG!」ではAKIHIDEとSHINPEIがポジションチェンジし、再びアグレッシヴなステージが繰り広げられ、爆発寸前のラブソングを歌うDAIGOが前列に手を伸ばすと引きずりこまれそうな勢い。激しいアクトの中にいまのBREAKERZならではの大人の色気が匂い立つ。切なくも狂おしいボーカルにAKIHIDEの情熱的なフレージングが絡んでいく「Dark Night」ではDAIGOが髪の乱れも気にせずに熱唱する姿に惹きつけられた。そして汗がまとわりつくような空気を入れ替えるように、間髪入れずにMY FIRST STORYとのコラボ曲「NEVER ENDING STORY」ではフロアとタオルを振って一体になる光景が広がった。
メンバー紹介ではBREAKERZのライブに欠かせないリズムセクションのMAKOTO(Dr)とMatsu(B)による“M&M”コンビをDAIGOが得意のDAI語で紹介しようとするものの、熱いライブをしすぎているせいか、いまひとつ意味が伝わらず滑ってしまい「ちょっと今日、俺、調子悪いみたい」と苦笑。SHINPEIは生声で叫び、いつもどおり沸騰しそうなテンションの高さをDAIGOに突っ込まれつつ、「13年目で20枚目のシングルを出したBREAKERZでも、まだまだ気持ちはルーキー! 頑張ります!」と宣言。AKIHIDEは“青い鳥”に絡めて小さな身近な幸せを探すため、楽屋の差し入れの甘いものを食べて幸せな気持ちになったエピソードを披露し、「脳に糖分は必要っていうじゃないですか。そのせいか動きが冴えてるんだよね。でも、なにより脳に必要なものはみんなの笑顔ですからと場内を沸かせた。
そしてDAIGOからは、中高時代の同級生と集まったときに当時のマドンナ的存在の女子から「BREAKERZのギターの人がカッコいい」と言われ、「マッチョ(SHINPEI)のほうか?イケメン(AKIHIDE)のほうか?」聞いたところ、「イケメンのほう」と即答されたという話が明かされた。「若い頃だったら悔しいとかあったかもしれないけど、“ウチのメンバー、もうカッコいいんでヨロシク!”みたいな感じなのよ」と悟りの境地に至っている発言も飛び出した。
三者三様のBREAKERZならではの癒しトークで場内がリラックスしたあとは、中盤セクションへ。SHINPEIの奏でる鉄琴の音色が美しい最新シングル収録曲「Milky Way」では星がこぼれ落ちそうにファンタジックな世界観を届け、DAIGOのボーカルも優しく語りかけるよう。続いて1stアルバム『BREAKERZ』(2007年リリース)収録曲の「Re:born」に移行する構成もレアで、SHINPEIの太いギターストロークで始まり、AKIHIDEのギターソロがグラマラスに彩り、当時の切実な願いを刻み付けるような歌をDAIGOが届けた。さらにリズムセクションを含む楽器陣のソロがフィーチャーされるセクションから「hEaVeN」、「I feel…」へと。初期BREAKERZのナンバーたちがいまのスキルで鳴らされる贅沢な時間が流れ、「絶対! I LOVE YOU」ではDAIGOがステージを走ってコール&レスポンス。AKIHIDEとの絡みに「キャーッ!」という歓声が上がり、O-EASTは笑顔だらけの空間となった。
「BREAKERZにとって青はすごく大事なカラーで、そのひとつが『名探偵コナン』です。青い青いコナンの曲、ぶちかましていいですか!?」──DAIGO
そう煽ってブルーの光の中、披露されたのは『名探偵コナン』のオープニングテーマに起用されたヒット曲「Miss Mystery」。ライブは早くも終盤戦へ。青い照明が赤へと変わると「DEAR LIAR」から加速していき、キラーチューン「NO SEX NO LIFE」では「跳べ! 跳べ!」と煽りまくり、全力の歌と演奏を届けた。灼熱となった空間に「オマエら、こんなものじゃないだろ!? 東京! 次の曲でラストだ!」と投下されたのは、最新シングルからのヘヴィチューン「BROKEN」。DAIGOは拡声器を手に歩きながら歌い、AKIHIDEとSHINPEIのツインギターが炸裂。ベースのMatsuも前に出てきて煽り、アドリブを交えるなど新曲ながらすでに強力なライブバージョンへと進化、BREAKERZもフロアも完全燃焼で本編が終了した。
アンコールではミュージックビデオの絵画に描かれた青い鳥をモチーフにしたツアーTシャツを着てメンバーが笑顔で登場。「せっかくだからお客さんをバックにフォト撮っていい?」とDAIGOの提案でうぃっしゅポーズで記念撮影。恒例のグッズ紹介でひとしきり盛り上がったあとは、時代が平成から令和に切り替わるタイミングで書かれたナンバーが贈られた。
「日々、みんな新しいドアを開けて生きていっていると思います。みんなと一緒に次の曲を歌いたいと思います」──DAIGO
冒頭から客席の歌う声が響き渡ったのは「新しい世界へ 新しい時代へ」。普遍的な輝きを放つメロディとシンプルでありながらスケール感たっぷりの演奏は、いまのBREAKERZならでは。1970年代ロックのテイストを感じさせるAKIHIDEのエモーショナルなギターソロも際立ち、ハッピーなバイブレーションが場内に伝染していった。
「このツアーは俺たちにとって夢の象徴でもある青い鳥を探しに行く旅です。でも、こうしてみんなに会えて、俺たちにとっての青い鳥はライブに来てくれるみんなの存在であることに気づきました。本当に本当に大切なみんなを連れて、これからもBREAKERZは羽ばたいていきたいと思います。来てくれた全員にありったけの想いをこめて、最後にBREAKERZ 20枚目のシングルを届けたいと思います」──DAIGO
そんなメッセージのあとに披露された「闇夜に舞う青い鳥」は切なさやほろ苦さの中に一筋の希望が差し込むようなナンバーでライブで聴くとまた格別。BREAKERZとして年月を重ねた3人の表現力が、深みを増した青へと変わっていったことを感じさせるような余韻を残した。
歓声と拍手の中でライブは終了と思いきや、DAIGOが「最高のツアーになりました……」と、まだまだ続くツアーを締めくくるような発言をしてしまったため、「おわびにもう1曲やっちゃおう!」と会場を沸かせた。そして披露されたラストナンバーはBREAKERZの1stシングル「SUMMER PARTY」。最高の笑顔とシンガロングで特別な夜を締めくくった。
取材・文◎山本弘子
■全国ツアー<BREAKERZ LIVE TOUR 2019-Seeking the Blue Bird->9月22日(日)@東京・TSUTAYA O-EAST
02. 激情
03. NEXT LEVEL
04. アオノミライ
05. BIG BANG!
06. Dark Night
07. Never Ending Story
08. Milky Way
09. Re:born
〜SESSION〜
10. hEaVeN
11. I feel…
12. 絶対! I LOVE YOU
13. Miss Mystery
14. DEAR LIAR
15. NO SEX NO LIFE
16. BROKEN
encore
17.新しい世界へ 新しい時代へ -Single Version-
18. 闇夜に舞う青い鳥
W.encore
19. SUMMER PARTY
■読売テレビ開局60年<名探偵コナン スペシャル・コンサート2019>
open18:00 / start19:00
▼スペシャルゲスト
・BREAKERZ
・ZARDの楽曲披露
▼チケット
S席 7,500円 / A席 6,800円 / グッズ付 S席10,000円
※全席指定・税込
一般発売 : 2019年9月7日(土)10:00~
※各種プレイガイドにて発売
(問)キョードーインフォメーション 0570‐200‐888
http://www.ytv.co.jp/event/contents/event_2048291.html
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