【ライブレポート】BREAKERZのSHINPEI率いるMUSCLE ATTACK、二部構成の10周年記念公演に感謝の気持ち「この場所のために頑張れる」

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活動開始から10周年を迎えるSHINPEI(BREAKERZ)率いるMUSCLE ATTACKが、5月13日に東京・渋谷Star loungeでライブ<MUSCLE ATTACK 10th ANNIVERSARY LIVE>を開催した。10年間の全てを詰め込むコンセプトのもと、当日のライブは1部と2部に分けたスタイルの1日2回公演となった。

◆MUSCLE ATTACK 画像

SHINPEI (Vo, G)、Shunp (G, Vo)、Jong (B, Vo)、HIDEHIRO (Dr, Vo)といった熱い男たちが久々に集結し、ライブでの声出しが解禁となった中、集まったファンと周年を祝ったこの日の2ステージの模様をレポートする。

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1stステージの開演は16時。ハンドクラップの中、メンバーがHIDEHIROの前に集結し、手を重ねての気合い入れ。SHINPEIが「渋谷Star lounge! 楽しんでいってくれ!」と叫び、のっけから衝動を解き放つように1stアルバム『MUSCLE』収録曲「RUNNER'S HIGH」を投下した。「BURNISH HEART」は重厚なギターリフがフックのサウンドが痛快。後半でSHINPEIとShunpの速弾きギターバトルも飛び出した。

「本当に本当にお久しぶり! 元気だったか!? みんなの声が聞こえるって何て嬉しいことなんでしょう」──SHINPEI

拍手と声援の中、耳に手を当ててSHINPEIが笑顔を見せ、Shunpも生声で「声出しOKです」と叫ぶ。

「MUSCLE ATTACK、みなさんのおかげで10周年を迎えることができました。どうもありがとう! まずはせっかく声出せるんだ! 暴れられるんだ! ふだん我慢しているもの、ここで吐き出してみませんか!?」──SHINPEI


赤い照明がステージを染め、放たれたのは3rdアルバム『HERCULES ROAD』収録曲「SURVIVE」と「LIVING DEAD」。アメリカンハードロックをテーマにした曲たちは重心が低く骨太で、まさにMUSCLE(筋肉)をイメージさせる。SHINPEIのボーカルもスケール感を感じさせる。曲間で「踊れ!」と叫んだ「FIRE!!」ではテンポアップ、フロアの熱量を上げていく。Jongがリードボーカルをとったパンキッシュなナンバー「SPREE」はHIDEHIROのエネルギッシュなドラミングがフィーチャリングされ、メンバーもフロアもジャンプで盛り上がる。ポジションを入れ替わるパフォーマンスもやんちゃでSHINPEIが一瞬、サングラスを外してみんなを見たり、理屈抜きに楽しい光景が広がった。

「みなさん、楽しんでますか? もしかしたら、俺たちはそれ以上に楽しんでいるかもしれません。10年経って、いろんなことがあったけれど、何はともあれ、今日、ここに来てくれているみんなは本当の仲間だと思います。メンバーもここにいるみんなも含めてMUSCLE ATTACKの時間を作ってくれて本当にありがとう!」──SHINPEI





メンバー紹介はドラムから。客席から名前を呼ばれることに「ガラにもなくうるっときてる」と笑顔のHIDEHIROは自身のトレードマーク(ルアーメーカー『GANCRAFT』とのコラボ商品)にかけて、「この現実、“感極”です」と伝えた。この感想を受けてJongも「もらっちゃおうかな。“感極”です(笑)。昨日の夜はホントに震えてました」と感無量。しばらくライブ活動から遠ざかっていたため「お腹ぽっこりしちゃったので、今日は痩せて帰りたいと思います」と笑わせるとSHINPEIが「お腹ぽっこりATTACKでも大好きだよ」とメンバー愛を伝えた。Shunpは持ち前のユーモアで客席をいじりながらも「最高のライブをしますので、最後までよろしくお願いします」と挨拶。SHINPEIも名前を呼ぶ声に「もう一回ちょうだい! みんなの声が聞こえるって、これ夢じゃないよね。ありがとう!」とやっぱり感無量。コロナ禍の日々を振り返って「当たり前のように(ライブを)やってたわけじゃないんですけど、奪われた時に改めて、こんな奇跡の時間を俺たちは何回も何回も過ごせてたんだなって」と伝えた。

中盤ではSHINPEIがアコースティックギターを構えて「アコースティックスタイルで1曲やってみたいんだけど」と提案すると、思いがけないサプライズが。HIDEHIROの「せっかくだから俺ら客席で見たいんだけど」という発言により、3人がフロア前列に降りてステージのSHINPEIを観ることになったのだ。どよめきの中、SHINPEIはサングラスを外し、「ずいぶん前に作った曲なんですけど、今の自分に言っているような気もするので」と弾き語りで「TIME GOES ON」を披露。“雨の日も風の日も〜 いつか笑えるはずさ”とメッセージするこの曲でSHINPEIは“賑やかに渋谷は踊る〜 未だに僕は馴染めぬまま…”とアドリブで歌い、「みなさんはどうですか?」と問いかけた。曲の後半は3人がステージに上がり、2ndアルバム『ATTACK』収録曲でShunpもボーカルをとるメロディックなミドルバラード「CELEBRATION」に移行。このセクションは1stステージのひとつの見せ場となった。

そして客席が手を振る中、Jongがメインボーカルをとる「TWILIGHT」のビートで再びテンションアップ。リリースされた3枚のアルバムから楽曲がバランスよく配置されたセットリストだ。


「MUSCLE ATTACKファミリーのみんな、どうもありがとう! いろんなライブやってきましたが、ひとりでアコギで歌うなんてないかな」──SHINPEI

SHINPEIが照れながら語ると、すかさずShunpが「(客席で)じっくり堪能させていただきましたよ」とニヤリ。メンバー同士の仲の良さが伝わるやり取りも微笑ましく、JongとShunpが体型のことを突っ込まれたところで、「燃やすと言えば、筋肉増やして贅肉退散。あの曲やっちゃおうかな」の合図で悪魔(?)の声が鳴り響き、ゴシック風味のファストチューン「THIS IS DIE(T)」へ。フロアもヘドバンの嵐でSHINPEIも頭を振って暴れ、JongとHIDEHIROのリズムセクションのセンスが冴える「HIGHER」を投下。「BYGONES」ではみんなの歌う声が響き、本編が終了した。

アンコールは、10周年Tシャツ(グッズ)を着た4人が全員サングラスをかけてサプライズ登場すると、会場からバースディソングが歌われるという逆サプライズ。“Happy Birthday Dear シンピー♪”(5月11日が誕生日)と歌う声にSHINPEIが「次はMUSCLE ATTACKに」と呼びかけ、MUSCLE ATTACKの誕生日も祝い、ステージにケーキが運び込まれた。キャンドルの炎を消した後はケーキを持ってみんなで記念撮影。思いがけない出来事に動揺したSHINPEIは、「メンバーにサングラスをかけさせたことを言い忘れていた」と笑い、「サングラスを初めて外した時は、その眩しさにビックリした」と言うと、Shunpに「自分のほうが珍しいってことを知ってください」と突っ込まれていた。

「世の中いろんなことがありながらも、乗り越えて頑張ってしがみついて、今日という日を迎えて。僕らも含めて、ここに集まってくれたみんなは大事なMUSCLEファミリーです。このメンバーでもう一回集まろうと思った時に、1曲、みんなで新曲を作ったので聴いてもらってもいいですか? いろんな日々があるけれど、最後は全てがラッキーな日々に繋がる、と信じて名付けました」──SHINPEI

ラストソングはアンラッキーなことも味方につける魔法をかけてくれるような新曲「Unlucky Days」。みんなを笑顔にして1stステージが終了した。


   ◆   ◆   ◆

2ndステージは19時開演。結論を言えば、1stステージとはまったく異なるセットリストに、この2ステージに賭けるバンドの意気込みを感じるものとなった。2ndステージは、1stステージと同じく気合い入れから始まり、ライブはMUSCLE ATTACKのテーマソング的な「MUSCLE PARTY」でハッピーに幕開けだ。SHINPEIは「好きに声出していいんだぞ!」と叫び、コール&レスポンス。前半からステージもフロアもハイテンションでファイティング魂全開の「ヘラクレスロード」を投下。SHINPEIがギターリフで火を点け、間奏でJongと絡むなど熱量の高いアクトが繰り広げられる。

「10周年記念パーティにようこそ! お久しぶりです! (耳に手を当てて)みんな元気でした? 最高のアニバーサリーライブをみんなで作ろうぜ! 1部は終わったけど、まだまだやり足りない」──SHINPEI

骨太で熱いサウンドでありつつ、ヘヴィな曲からパンクやポップチューンまでMUSCLE ATTACKの守備範囲は想像以上に広い。SHINPEI、Jong、Shunpの3人がボーカルをとる「FLY!!」で駆け抜け、ハンドクラップで迎えられた「LAST TRAIN」は青春感のあるサウンドとキャッチーなメロディが印象的。「I WANNA ROCK ʻNʼ ROLL」ではShunpが王道ロックンロールのギターフレーズを盛り込み、HIDEHIROが8ビートを叩き出し、心地いいバイブレーションで揺らす。SHINPEIとJongが交互に入れ替わってメインボーカルをとる「HERO」では爽快な空気が会場を満たしていく。


楽しみまくっていることを全身で表現するSHINPEIは「“これぞMUSCLEライブ”というのを自分たちが思い出せたのは、みんなが来てくれたからです!」と感謝し、大切なメンバーを一人ひとり紹介。「歓声を録音したいぐらい」とまたもや感動していたHIDEHIRO、「MUSCLE ATTACKのライブに雨が多いのは俺のせいですかね」と雨男なのを気にするJong、「オカンがDAIGOさんのTV撮影現場に遭遇した」というエピソードを披露して沸かせたShunp。三者三様の個性的な面々に囲まれているSHINPEIは「このメンバーで10年経って、お祝いできるなんて思っていなかったので嬉しいです」と感慨深げだった。

「今日は雨だったけど、青空を思い描いてやってみましょうか」と青い照明の下、SHINPEIが歌ったのは思い出と希望を浮かび上がらせる爽やかでメロディックな「BLUE SKY BLUE」。Jongがメインボーカルをとり、上手でSHINPEIとShunpがジャンプ、春風を運んでくるような軽快さで響かせた「PROLOGUE」。解き放たれた空気の中、シンプルなアプローチで鳴らされたエモいメロディの「REACH YOU」。フロアが手を突き上げ、ジャンプで盛り上がったツインギターが痛快な「WHO I AM」ではSHINPEIとShunpがひとつのマイクで歌う場面も飛び出した。


「“今日からまた新しい一歩が始められている”と感じられる時間を過ごしてます」と告げるSHINPEIに、会場から「楽しい!」という声が上がり、ライブは早くも後半戦へと突入。

ハンドクラップの中、「My BLOODY BUNNY」ではSHINPEIがHIDEHIROと呼吸を合わせ、歌うJongにShunpが近寄り、キャップを外そうとしたり和気藹々。同曲後半ではSHINPEIが「俺と一緒に歌ってくれるかい?」と煽り、会場はシンガロング。“とことん泣いて立ち上がれ”とメッセージする「クライボーイ」ではメンバーのソロも盛り込まれ、本編ラストは“今日からが最高のスタート”と歌う「BRAND NEW DOOR」で締められた。


アンコールでは、今度はSHINPEI以外の3人がサングラスをかけて登場。Shunpが「これがオマエが背負っている暗闇か?」と笑わせ、SHINPEIは「こんなにアンコールの声が嬉しいとは! 音楽やってて良かったです」と笑顔。3人それぞれが1日の感想を伝え、最後にSHINPEIが締めた。

「このメンバーと出会えてよかった。今日、また集まることができて本当によかった。皆さんはどんな10年だったですか? 今日は素敵な笑顔を見せてくれていますが、きっと数々の大変なことがあったでしょう。僕らも泥水すすってでも生きていこうという気持ちできましたけど、どんなことがあってもこの場所のために頑張れるなって思える時間でした。これから先、もっと大変なことがあっても、またみんなで集まろう。集まってライブで元気分かち合って、ずっとずっと生きていきましょうよ。そんな感謝の気持ちを込めたくて、メンバーと「ライブやろうぜ」って言った時に1曲作りました。これまでの俺たちの10年がガツンと詰まった、そしてここから一歩を踏み出すための楽曲です」──SHINPEI

記念すべき、新たな一歩を踏み出す新曲「Unlucky Days」を歌いだす直前に「アンラッキーな日々でいいじゃん。転びながらベソかきながら生きていこうぜ!」と叫んだSHINPEI。

終演後、「気をつけ!」の号令で肩を組んで礼をしたMUSCLE ATTACK。心の中の雲を吹き飛ばしてくれるような彼らのエネルギーをまた浴びに行きたい。


取材・文◎山本弘子
撮影・達川範一 (B ZONE)

■<MUSCLE ATTACK 10th ANNIVERSARY LIVE>2023.5.13(sat)@東京・渋谷 Star lounge セットリスト

【1st Stage】
01. RUNNER'S HIGH
02. BURNISH HEART
03. SURVIVE
04. LIVING DEAD
05. FIRE!!
06. SPREE
07. TIME GOES ON
08. CELEBRATION
09. TWILIGHT
10. THIS IS DIE(T)
11. HIGHER
12. BYGONES
encore
13.Unlucky Days ※新曲

【2nd Stage】
01. MUSCLE PARTY
02. ヘラクレスロード
03. FLY!!
04. LAST TRAIN
05. I WANNA ROCK ‘N’ ROLL
06. HERO
07. BLUE SKY BLUE
08. PROLOGUE
09. REACH YOU
10. WHO I AM
11. My BLOODY BUNNY
12. クライボーイ
13. BRAND NEW DOOR
encore
14. Unlucky Days ※新曲

■<SHINPEI SOLO LIVE ~Roots~ vol.6 -HARD ROCK SESSION->

2023年8月13日(日) 東京・二子玉川 ジェミニシアター
・1st:open14:45 / start15:30
・2nd:open17:30 / start18:15
▼ミュージシャン
Guitar:SHINPEI
Bass:満園 庄太郎
Drums:黒瀬 蛙一
Vocal:団長 (NoGoD)
▼チケット
全席自由 6,500円 (税込)
※入場整理番号あり
※入場時ドリンク代別途必要
※未就学児童入場不可
※身体のご不自由な方・車イスご使用の方は必ず公演の「お問い合わせ」までご連絡ください。
一般販売:7月8日(土)10:00〜
【e+プレオーダー】
受付期間:5月22日(月)12:00~5月30日(火)23:59
※お申込多数の場合は抽選
▼配信
2nd公演のみ生配信予定
※詳細は後日発表


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