【ライブレポート】DAIGO、20周年記念公演にスペイシーな感動「これからも俺たちの旅は続いていきます!」
2003年7月のDAIGO☆STARDUSTとしてのソロデビューから、2023年に20周年を迎えたBREAKERZのDAIGOが、7月23日に東京・品川インターシティホールにて<20th ANNIVERSARY “ONE NIGHT SPACEY SHOW” シン・DAIGO☆STARDUST>を開催した。
◆DAIGO☆STARDUST 画像
スクリーンにはDAIGOがCM出演している太田胃散A錠剤のCMのメイキング映像などが流れ、場内は開演前からなごやかな雰囲気だ。
そして、暗転。5年ぶりとなるDAIGO☆STARDUSTのライブはスクリーンのスペイシー映像から始まった。「上空に未確認飛行物体を発見。DAIGO☆STARDUSTの姿を確認できません」というナレーションが流れると「おいでよ。僕の星に」というDAIGO☆STARDUSTの声のみが響いた。続いてスペイシーキャビンアテンダントのYUME☆STARDUSTの姿がスクリーンに登場。そのアナウンスによりみんなでスペイシーDAIGO☆STARDUST号に乗り込む設定だ。品川を旅立ち、行先はDAIGO☆STARDUSTの待つ惑星“ROCK THE PLANET”。
スペイシーなイントロから始まったオープニングナンバーは“おいでよ 僕の惑星に”と歌う「ROCK THE PLANET」だ。間奏の振り付けもキレキレで、トレードマークといってもいい神衣装、幅4メートルにおよぶマントを羽のように広げて歌うDAIGO☆STARDUSTがあまりにも眩しい。ステージには色とりどりのスペイシーライトが揺れ、宇宙空間が広がっていく。続いて披露されたのはグラマラスで疾走感のあるナンバー「STARS」。天井のミラーボールの光がキラキラと反射する。
「<20th ANNIVERSARY “ONE NIGHT SPACEY SHOW” シン・DAIGO☆STARDUST>にようこそ! 5年ぶりのDAIGO☆STARDUSTだよ。どうなるのか、僕も想像ついてないけど、とにかく最高にスペイシーな1日にしましょう。初めて来る人もいるかもしれないから、ちゃんとお伝えしておかなきゃいけないことがあるんだけど、DAIGOとDAIGO☆STARDUSTは一応、別設定のキャラクターだから(笑)。今回、DAIGO☆STARDUSTがデビューして20年、初めて僕の星にみんなを招待しました。ようこそ、ROCK THE PLANETへ。地球はこの数年、大変だったと思います。でも、僕の星は基本的に安全だからね。この20年を彩る最高にスペイシーなショーを作っていきたいと思います」
──DAIGO☆STARDUST
メッセージを届け、声が出せる環境の中、コール&レスポンス。「DAIGO!」の呼びかけに「DAIGO!」と叫ぶ客席に「そこは“STARDUST”って言ってくれると思ったんだけどね」と突っ込んで笑わせる。そして最前列に“最年少STARDUST”を発見し、「おいで」と呼びかけ、キッズの手をとるものの、キラキラが度を越している惑星のボーカリストにさらわれると思ったのか、号泣されてしまい、「泣いちゃった。イヤだよね。急にこんな人に手を掴まれて、手の甲にキスされても」と動揺するDAIGO☆STARDUSTに人柄が滲む。
セットリストはDAIGO☆STARDUST20年の集大成。イントロのギターリフが印象的な「Queen Stardust」は甘酸っぱいメロディにキュンとさせられるナンバーで場内はハンドクラップで盛り上がる。DAIGO☆STARDUSTを誕生させたのは、デヴィッド・ボウイやT.REXが一世を風靡した1970年代のグラムロックの影響だ。キャッチーなメロディと生活感ゼロのキラキラでファンタジックな世界観、奇抜なセンスこそグラムの真骨頂。アコースティックギターを弾きながら歌ったミドルチューン「Feather」のロマンティックで切ないメロディ、間奏のギターや鍵盤の旋律も遙か遠くの世界に連れていってくれるようだ。歌い終えたDAIGO☆STARDUSTはステージから捌け、そのまま演奏が続いていくという構成である。
やがてステージのセンター扉から再びDAIGO☆STARDUSTが登場した。肩から頭の先までのゴージャスな羽根をつけた衣装を纏い、マイクスタンドを操って歌ったのは氷室京介が楽曲を提供した2003年のメジャーデビューシングル「MARIA」だ。メモリアルな曲に続いて披露されたのはアルバム『The space toy』に収録されているアッパーチューン「D☆TRANCE」。スモークが焚かれたステージでシャウトを交えた艶のあるボーカルとパフォーマンスで魅せるDAIGO☆STARDUSTに大歓声が上がる。
「どう、みんな、僕の星、楽しい? スペイシー楽しい? ここ15年でDAIGO☆STARDUSTのライブは3回しかやってないんだけどね。ホントにオリンピックよりも周期が長いって言われてるから。しかも新曲ももう17年ぐらい出してない。過去の曲たちで何とかやりくりしてる(笑)。そんなところがまたスペイシーでいいよね? それじゃ、ここでDAIGO☆STARDUSTのショー恒例、マミー(母親)が作ってくれたクッション、今日も持ってきました!」
──DAIGO☆STARDUST
その手にはおなじみ、マミーが夜鍋して作ってくれたクッションが20周年にちなんで20個入った袋が握られ、「サクサクいくよ!」と星型のクッションが次々に客席に投げ入れられた。フロアはもちろん大盛り上がり。が、数の多さに途中で息切れし、弱音を吐くDAIGO☆STARDUST。その姿に「頑張れ!」という声が飛び、手拍子のエールまでわき起こる。最後まで投げ切った後には「今日、いちばん疲れたよ。肩がもうBREAKERZ☆STARDUSTだよ」とのトークが場内を沸かせた。
DAIGO☆STARDUSTとしてデビューを飾った頃の夢と葛藤を語り、どんな時でも音楽に情熱を注ぎ込んできたと振り返った中盤では「これからやる2曲は僕にとっても大事な曲です。うまくいかないことだったり、大変なこと、苦しいこと、辛いこと、そういう中でも希望を持って、一筋の光を追い求めて生きていきたい。そういう想いで作った曲たちです」と再びギターを持って「dear sunshine」と“迷う時間はもうないさ タイムリミットだ”と歌う決意を刻んだ「heavy heavy」を上手下手へとステージ上を動きまわりながら熱唱した。
衣装チェンジを含めたブレイクタイムも飽きさせない。スクリーンには人気料理番組『DAIGOも台所』ならぬスペシャル番組『DAIGO☆STARDUSTも台所』が映し出された。テーマは“スペイシーな料理”で、候補の3品から選ばれたのは、スペイシー王子カレーだ。料理を教えてくれる先生はYURI☆STARDUST(※実際に番組に出演している山本ゆり先生)で、衣装の上にマミーが作ってくれたスペイシーエプロンをつけて野菜を切るものの、YURI☆STARDUSTにスパンコールがまな板に飛んでいると指摘される場面も。「地球だったら、料理してるのにマニュキュア塗ってたら、クレームの嵐だろうな」と笑わせ、電子レンジでチンする時に間違えて取り消しを押してしまうなど、その天然ぶりも発揮。ちなみにジャガイモとニンジンはスペイシー型抜き。スパイシーにしたい時にはカレー粉をプラスするなど、役立つ知識も盛りこまれ、本物の番組さながらだ(※本物の番組収録後に番組スタッフ協力のもと撮影したという)。こんなところにもDAIGO☆STARDUSTの(宇宙)人徳が表れている。
終始、客席を笑顔にさせた映像を挟んで「あれがDAIGO☆STARDUSTの真の姿、シン・DAIGO☆STARDUST」というナレーションが流れ、ライブはいよいよシン・DAIGO☆STARDUSTのセクションに突入した。
見る人の度肝を抜くド派手な衣装で登場したDAIGO☆STARDUSTがスケール感たっぷりのメロディックなナンバー「The space toy」を披露したのは本ライブのひとつの見せ場。イントロで煽った爽やかで開放感のある「STAND UP!」ではハンドクラップで一体になった。ゴールドのスパンコールと奇抜なデザインの衣装を背中を向けて客席に見せ「みんな見えてる? 光ってる? なかなかこういう服、今、着る人いないでしょ? 着たい人がいないのかもしれないね」と沸かせた後は、彼を支えるバンド“The space toys”のメンバーを紹介。
ドラムの響☆STARDUSTは地球では摩天楼オペラというバンドをやっていると形容され、ベースのDAICHI☆STARDUSTは去年のBREAKERZのライブの危機を救った男(コロナ感染したサポートメンバーのピンチヒッターで出演)と紹介。キーボードのTacky☆STARDUST(※滝本成吾)はBREAKERZやDAIGOのライブでも活躍、久しぶりに共演したLeda☆STARDUSTはROCK THE PLANETのギターヒーローと形容された。
最後に自己紹介をして「20周年をこうやって最高の形でみんなで迎えることができてHAPPY☆STARDUSTです。みんなももっとキラキラしていきましょう!」と煽り、幸せな空気で場内を満たした「SUPER JOY」、自身もレスポールを弾いて楽器陣と絡んだ「SCAPEGOAT」、ダイアモンドのビーチが登場するキラキラのサマーラヴソング「SUMMER ROSE」とたて続けに曲が披露された。
そして、ピアノの音色をバックに「5年に1回しか会えないけど、僕はいつでもみんなのことを照らしています。だから、地球でいろんな大変なことがあったとしても、1人1人のそばにずっとDAIGO☆STARDUSTがいることを忘れないでください。辛い時は僕がいることを思い出して。そんな想いを込めてみんなにこの曲を送りたいと思います」とメッセージ。みんなの歌う声が響き渡った「I wanna be your star」で本編が締められ、色褪せない煌きを残してDAIGO☆STARDUSTはステージを去った。
アンコールではさらなるサプライズが待っていた。ステージにDAIGO☆STARDUSTの姿はなく、その演出に気づいたファンがどよめいた曲は「Dolly」。羽根付きのシルクハットをかぶったヴィヴィッドな赤の衣装(もちろん全身スパンコール)に着替えたDAIGO☆STARDUSTが2階バルコニーの手すりに寄りかかって客席を見下ろしながら歌ったのだ。まるでミュージカルのワンシーンを見ているよう。大切な人をそっと愛おしむような歌声が響いた。
客席を釘付けにさせ、拍手がやがてアンコールに変わったダブルアンコールでは虹色の衣装で登場し、感謝の気持ちを伝えてスペイシーグッズを紹介。愛犬との別れを綴った「Dolly」を歌うのは17〜18年ぶりだったことも報告された。
そのダブルアンコールでは「Dolly」より、さらにレアなナンバー「BLUZY NIGHT」が届けられた。「おそらく、ほとんどの人がこの曲を実際に聴いたことがないと思います。だけど、何となくノレる曲、歌える曲です」と紹介され、ブギーなリズムとリピートされるフレーズにDAIGO☆STARDUSTのアテンドもあり、後半はシンガロングに。
「DAIGO☆STARDUSTとして最初は期待されてメジャーデビューしたんですけど、当たり前のように活動ができると思った矢先になかなか新曲を出すことが認めてもらえなかったんだよね。もちろん自分の力不足もあるんだけど、この曲ができて新しいDAIGO☆STARDUSTとしてチームが一致団結した曲があります。僕にとって大事な曲、希望の曲を聴いてください」
──DAIGO☆STARDUST
その曲は2004年にリリースされたハートフルなミドルチューン「デイジー」。歌い終わってステージを去った後もアンコールの拍手は鳴り止まず。トリプルアンコールではテンガロンハットを被ったスペイシーカウボーイスタイルの衣装での登場に大歓声。記念撮影を挟んで再び、感謝のメッセージを述べた。
「DAIGO☆STARDUSTとしてデビューして20年。でも、インディーズ時代もあったり、その前はJZEiLっていうバンドから始まって音楽自体はもう26年ぐらいやってることになるのかな。昔から応援してくれている人だったり、家族のこと、友達のことだったり、本当にいろいろな人たちの支えのおかげで今があると改めて思います。今日のこの瞬間、この公演でみんなに会えたということがひとつの結果、答えなんじゃないかなと思いました」
──DAIGO☆STARDUST
氷室京介、HYDE、yasu、YOSHIKI、清春、吉井和哉、GLAYなどリスペクトする先輩ミュージシャンへの想いやスタッフ、関わっている番組やCMなど、全ての人たちへの感謝を伝えることを忘れないDAIGO☆STARDUST。「これからも俺たちの旅は続いていきます!」と叫び、最後に届けられたのは2ndシングル「永遠のスペースカウボーイ」。伸びやかで力強いボーカルが会場に響きわたった。
衣装は実に6ポーズにも及び、「最高の20年でした。ありがとうございました。DAIGO☆STARDUSTは永遠にスペイシーです!」という言葉と投げキッスを残してステージを去った。
楽しかった“ROCK THE PLANET”ともお別れの時間。スクリーンには再び宇宙船の映像が映し出され、「では、地球に戻ります。スペイシーテイクオフ!」のナレーションが流れた。そして、予告ムービーには5年後の再会の約束が。「衣装は入るのか、髪はあるのか、そもそも観にきてくれる客はいるのか。周囲の反対を押し切って彼は決断する。次回、50歳のSTARDUST スペイシー!」というメッセージで20周年ライブは締めくくられた。
DAIGOのルーツであるDAIGO☆STARDUSTへの想いが溢れんばかりに詰め込まれた約3時間。50歳と言わず、もっと早く戻ってきて、スペイシーな音楽とキラキラな光で地球を包み込んでほしい。
取材・文◎山本弘子
撮影◎小境勝巳/達川範一(B ZONE)
■<20th ANNIVERSARY “ONE NIGHT SPACEY SHOW” シン・DAIGO☆STARDUST>2023.7.23 (sun)@品川インターシティホール SETLIST
02. STARS
03. Queen Stardust
04. Feather
05. MARIA
06. D☆TRANCE
07. dear sunshine
08. heavy heavy
09. The space toy
10. STAND UP!
11. SUPER JOY
12. SCAPEGOAT
13. SUMMER ROSE
14. I wanna be your star
encore 1
15. Dolly
encore 2
16. BLUZY NIGHT
17. デイジー
encore 3
18. 永遠のスペースカウボーイ
Drums:響 (摩天楼オペラ)
Bass:DAICHI
Guitar:Leda
Keyboard:滝本成吾
■番組『M-ON! LIVE DAIGO☆STARDUST<20th ANNIVERSARY “ONE NIGHT SPACEY SHOW” シン・DAIGO☆STARDUST>』
https://www.m-on.jp/info/news-topics/2023/07/23/267995/
※7/23(日)にDAIGO☆STARDUSTとしてのソロデビューから20周年を記念して、東京・品川インターシティホールにて開催された<20th ANNIVERSARY “ONE NIGHT SPACEY SHOW” シン・DAIGO☆STARDUST>の模様を独占放送
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