【速レポ】<京都大作戦2019>dustbox、「プレッシャーがハンパない。でもこれだけは譲れない」
雨が降り続くなか、リハーサルのためにステージへ出てきたdustbox。雨を見つめながらSUGAが思わず歌い出したのはX JAPANの「ENDLESS RAIN」だった。クリーンなハイトーンで歌い上げていくと、手を左右に振りながら歌声に酔うオーディエンス。この悪天候も味方につけたdustboxである。
◆dustbox 画像
その彼らが本番を迎えたのは12時5分。うるさいぐらいの雨音が聴こえる土砂降りのなかだった。「思いは一緒。攻めてやっから、思いっきり来いよ!」とSUGA。JOJIとジャンプを決めながら始まったのは「Try My Luck」。一か八か勝負しろという、まさに攻めのナンバーだ。肩車をした多数の熱狂的ファンが、曲のキメで一気にクラウドサーファーと化す。
「子供の頃を思い出せ! 体力温存も次の日のことも考えないあの子供の頃より、思いっきり暴れるぞ!」
煽り文句を食らわせながら曲を叩きつけていくdustbox。疾走するサウンドを貫くのはグッドメロディで、オーディエンスの身も心も熱くさせていくばかり。5月に発表した新作『The Awakening』からの「Farley」では、SUGAはテクニカルなギターソロも見せつけるなど、プレイでも魅了させていった。
「最高だよ。俺たちさ、インディーズバンドなわけよ。ツアー廻ったって、全部ソールドアウトするわけじゃない。でも、こうやってこういう場を与えてくれた10-FEETに、本当に感謝してる。しかも今年は2回も出るんだけど。逆にプレッシャー、ハンパないんすよ。ツイッターで見たよ。“dustbox2回出るの草”とか“あのバンドが出ればいいのに”とか(笑)。すげームカついたりドキッとしたけど、これだけは譲れないんすよ。演出とかに金掛けられないけど、俺たちに何ができるかって考えたとき、曲書けるじゃん。10-FEETに曲書けるじゃんって」
JOJIのそんな言葉から始まったのは「Summer Again」だった。「できあがったら甘酸っぱいラブソングになっていた」とSUGAは言うものの、20年以上もの間、バンドマンとしてツアーやライブを通して築いた信頼関係、面と向かって言いにくい感謝や愛情などを、曲に込めている。ステージ袖からは10-FEETの3人も嬉しそうに見守っていた。
「<京都大作戦2019>、奇跡を、でっけえ奇跡をくれ!」とキラーチューンのひとつ「Here Comes A Miracle」で、でっかい歌声と共に激しいサークルも生まれれば、次なるキラーチューン「Hurdle Race」では突然、パイプ椅子を持った10-FEETが乱入。無理やりステージに座らされて聴かされた以前の<京都大作戦>の倍返しとばかりに、彼らは自ら椅子に座って聴くという攻撃に出たのだった。「座りながら全力で」と宣言しただけに、TAKUMAは座りながらのモッシュやヘドバン。巨大な四角いネックレスをしたファッションリーダーがいると思ったら、それはパイプ椅子を首に掛けたNAOKI。KOUICHIは、YU-KIの後ろからちょっかいも出している。<京都大作戦>を誰よりも楽しむ無邪気なメンバーである。さらにNAOKIはJOJIからベースを受け取り、マイクを握ったJOJIが歌うのは「Neo Chavez 400」だ。バイクを盗まれた怒りを歌うJOJIと、過去にコワモテの人とバンドを組んでいたこともあるNAOKI。妙なコンビネーションに笑いも起こる。
付き合いが長いだけのことはあるワチャワチャ感でも盛り上げたdustbox。ラストに決めるのは「Jupiter」だった。この曲を初めて聴いたTAKUMAは、“いいメロディに感動して、凄すぎて、しばらく動けなかった”という。dustboxは、10-FEETに、皆勤賞で出させてもらっている<京都大作戦>に、そして太陽が丘を埋め尽くしたオーディエンスに、最大限の感謝を込めて贈った。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎HayachiN
【dustbox セットリスト】
02. Rise Above
03. Riot
04. Still Believing
05. Farley
06. Summer Again
07. Here Comes A Miracle
08. Hurdle Race
09. Neo Chavez 400
10. Jupiter
■<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->
6月30日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月06日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月07日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
開場 9:30 / 開演 11:00 / 終演 20:00予定
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