【速レポ】<京都大作戦2019>Dizzy Sunfist「雨があれば女はセクシーになれるし、男はもっとかっこよくなれる」

2日目がスタートした<京都大作戦2019>。開場時は小降りだった雨が開演直前になってどっと降り出して、地面もぬかるんだ状態になってきた。この2日目の源氏ノ舞台のトップバッターは、Dizzy Sunfistだ。あやぺた(Vo、G)は、この源氏ノ舞台に立つ喜びをTwitterに書いていた。2012年に同じレーベルのHEY-SMITHがこの源氏ノ舞台に立った際、舞台袖から見ていた景色。その夢に描いていた景色を今日、自分のバンドで実現する番だと。そのツイートどおり、Dizzy Sunfistの3人はやってくれた。
◆Dizzy Sunfist画像
“夢は死なへん”と書かれたタオルなど、観客が高々とタオルを掲げたり、手拍子をするなか、笑顔で登場した3人はまず気合を込めるように大きな音をかき鳴らすと、「やっと言える。源氏ノ舞台! うちらの人生に、みんなの人生に、京都大作戦があってよかった」とあやぺたが叫びをあげた。そして1曲目に選んだのは、アップリフティングなメロディが最高な「Someday」。moAi(Dr、Cho)の痛快なビートが会場を駆け抜けていって、あやぺたといやま(B、Cho)がパワフルなボーカルのハーモニーを聴かせると、観客の興奮がぐんと上がって、雨も気にせずともに歌い、跳ね回る。「雨、止ませることしか考えてない」とあやぺたは曲中にも叫び、ノイジーにギターをかき鳴らして、源氏ノ舞台の熱気を上げる。そしてさらに「ドロドロになろうぜ」と攻撃的なギターリフを観客に見舞う「No Answer」へ。

ダイナミックな音を打ち鳴らして驀進するドラミングと、その低音でサウンドを支えると同時にメロディアスなフレーズで曲を華やかにするベース、キャッチーさだけでなく深みのあるエモーショナルさを増したメロディやギター。2ndアルバム『DREAMS NEVER END』(2018年)の制作とそのアルバムを携えてのツアーは、Dizzy Sunfistというバンドをとてもタフに、大きく成長させた。作品で、3人の色、これがDizzy Sunfistだというサウンド、音を確立し、また欲張りにその枠を拡大しながら進化を続け、ツアーという場で強靭にアンサンブルを鍛え上げていった。バンドの器を一まわり、二まわりくらい大きくした感があり、ライブの定番曲である「SULLEY」や「Joking」といったポップでファストなメロコア曲も、今のDizzy Sunfistのパワーで輝きも鮮やかさも増したサウンドとなって、観客を強く引っ掴んでいくものになった。
「めちゃくちゃいい天気ですね」とあやぺたはいう。「いやいや」と突っ込むmoAiに、「だって、雨があれば女はセクシーになれるし、男はもっとかっこよくなれるし! しかも<京都大作戦>という思い出に雨がひとつ増えたから。雨はもう仲間やから、仲間にしていこう。みんな雨でもこうやってはしゃげるヤバイやつらやん? もっとヤバくなって帰ろう」という。そして、<京都大作戦>への思いを続けた。

「これまで3回牛若ノ舞台に出させてもらって、4回目の出演にして、あの丘を超えてこの源氏ノ舞台にやってきました。感無量です。何が起ころうと<京都大作戦>を続けてくれる10-FEET、本当にありがとうございます。去年の中止で悔しかったことや、みんなが持っている悲しいことつらいことも、いつかのいい日のためにあると思ってます。そのいい日が今日やって、うちは信じてます。去年の中止を乗り越えた10-FEETやうちらも、ここにおる全員、去年より確実に最強になってるから。いちばん最強のうちらを見て帰ってくれ、そしていちばん最強でかかってきてくれ」(あやぺた)
この言葉の後に演奏したのは、最新シングル「STRONGER」。まさに今のDizzy Sunfistそのものを音に変えた、馬力のある曲。ボリュームのあるアンサンブルは雨をはねのけるように響き、観客もその音に乗って自由に、歌い、暴れ、続く「Life Is A Suspence」でドロドロに。それでも笑顔で、「両手を貸してくれ」というあやぺたの言葉に高く手をあげて「Tonight,Tonight,Tonight」のブライトなメロディに合わせてその手を伸縮させる。「最高の景色や!」とあやぺたはいう。
「The Dream Is Not Dead」を歌う前には、夢に描いたこの光景、最高の景色をじっくり眺めながら、素直な思いを語るあやぺた。「こうやって、源氏ノ舞台に立つという夢は終わったけど、まだまだうちらの<京都大作戦>は終わらないし終わらせたくないし、まだ夢は続いていくし、まだ夢にしがみついていく。みんなもちょっとくらい……てか、たくさん弱音を吐いてもいいからさ、諦めるようなことだけは言わんと生きていって。みんなの夢が夢で終わらないように、夢は死なへんことをうちらが証明してやる」。

そのエモーショナルな曲に何か新たな輝きが乗った演奏で、観客のシンガロングを大きくしていくと、ラスト1曲と叫び「SHOOTING STAR」の高速ビートで、観客を暴れさせエンディングへ。これで曲を閉めようというところで、10-FEETの3人が舞台袖から飛び出してきて、「待って、待って、急いだら間に合うからやっちゃって!」(TAKUMA)と言って、残りわずかな時間でもう1曲披露! 激しいショートチューン「FIST BUMP」をガツンと見舞って、Dizzy Sunfistはそのステージを最高の笑顔で終えた。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN
【Dizzy Sunfist セットリスト】
2.No Answer
3.SULLEY
4.Joking
5.STRONGER
6.Life Is A Suspense
7.Tonight,Tonight,Tonight
8.The Dream Is Not Dead
9.SHOOTING STAR
10.FIST BUMP
■<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->
6月30日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月06日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月07日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
開場 9:30 / 開演 11:00 / 終演 20:00予定
この記事の関連情報
WANIMA主催<1CHANCE FESTIVAL>にMWAM、ヒゲダン、RIP SLYME、湘南乃風、10-FEET
10-FEET主催<京都大作戦2025>、第二弾発表にELLEGARDEN、Ken Yokoyama、マンウィズ、バクシン、SUPER BEAVERなど19組+日割りも発表
<SATANIC CARNIVAL '25>、第三弾発表にマンウィズ、HAWAIIAN6、RIZE、Dizzy Sunfist、花冷え。など12組
10-FEET主催<京都大作戦2025>、第一弾発表にBRAHMAN、Dragon Ash、ロットン、dustbox、SiMなど7組
10-FEET主催<京都大作戦2025>、サブタイトルは“暑さも⾬もお茶のこ祭祭”
KYOTO MUSE 35周年記念イベント<Talk about LIVEHOUSE>、最終出演者および地元バンド発表
10-FEET主催<京都大作戦2025>、開催決定
10-FEET、KOUICHIの手術後の回復状況を鑑みてツアー<helm’N bass>東京公演を延期
G-FREAK FACTORY、全国ツアーゲスト第二弾発表に10-FEET、The BONEZ、ロットンなど9組