【対談 #前編】SUGIZO × miwa、「音楽観の重要な部分を『ガンダム』から学んだ」
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LUNA SEAが現在放送中のTVアニメシリーズ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』のオープニングテーマを担当していることをはじめ、エンディングテーマにはmiwa、GLIM SPANKY、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、アイナ・ジ・エンド(BiSH)をフィーチャリングした楽曲が起用されることは既報のとおり。それら全オープニング/エンディング楽曲のプロデュースを務めているのが『機動戦士ガンダム40周年プロジェクト』の総合音楽監督であるSUGIZOだ。
◆SUGIZO × miwa 画像
その第三弾エンディングテーマとしてオンエア中の“SUGIZO feat. miwa”による新曲「A Red ray」が本日6月25日(火)に配信リリースされる。第一弾および第二弾のエンディングテーマは前述のコラボアーティストによるガンダム主題歌のカバーだったが、「A Red Ray」は作曲をSUGIZO、作詞をmiwaが手掛けたオリジナルナンバーとなる。BARKSでは、ダイバーシティ東京内の“THE GUNDAM BASE TOKYO”にSUGIZOとmiwaを迎えて、ガンダムや楽曲への深い想いを両者に語ってもらった。“ガンダム愛”を中心とする前編と、両者のミュージシャンシップにスポットを当てた後編の二部構成にて2人のトークセッションをお届けしたい。まずはその前編から。後編は後日改めて公開する予定だ。
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■人生の4/5をガンダムと共に──SUGIZO
■震えるような気持ちもあります──miwa
──まずはSUGIZOさんのガンダム愛を語っていただきたいです。
SUGIZO:僕は普通に、『機動戦士ガンダム』(※以下、ファーストガンダムとも表記)を毎週夕方5時半からテレビで見ていました。なので今年でファン歴40周年ですよ。谷口理さん(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』のプロデューサーである)よりも長いです。谷口さんは『機動戦士Ζガンダム』のΖ世代だとおっしゃっていましたし、同じくΖ世代の小形尚弘さん(『機動戦士ガンダムUC』[※以下、『UC』とも表記]や『機動戦士ガンダムNT』などを手掛けるプロデューサー)よりも長いです。なので、ガンダムの今の各プロデューサーよりも僕の方がファン歴は長いんです(笑)。
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SUGIZO:もちろんとても感無量ではあるんですけれども、そもそも想像もしていなかったですよね、僕自身が。ガンダムに対して仕事で関わることになるとは。子供の頃から普通に、すごく好きだったものに対して、仕事をしたいとはあまり思わないよね?
miwa:そうですよね。関わるなんてなかなか想像がつかないことですよね。
SUGIZO:そうでしょ? 夢にも思わなかったから。たとえば同じように僕は子供の頃から『スター・ウォーズ』が好きなんですけど、『スター・ウォーズ』の音楽をやりたいとは思わないですよね。普通にそこに想像が結びつかないので。そういうレベルでした。ところが5年前のガンダム35周年のときに、今のバンダイナムコエンターテインメントの社長で、当時サンライズの代表取締役社長だった宮河恭夫さんから、ガンダム35周年で開催された立像プロジェクトにパネルディスカッションでお誘いいただいて、そこでみなさまと知り合って一気に深く繋がることになった感じですね。
──そんなお話を伺っている今ですが、miwaさんは『ガンダムシリーズ』に対してはどのような印象を抱かれていらっしゃるでしょうか。
miwa:わたしが子供の頃はファーストガンダム以降の新しいシリーズが放送されていて、『機動戦士ガンダムSEED』を見ていた世代でした。でも今回は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』(※以下、『THE ORIGIN』とも表記)なので、ファーストガンダムよりも前のお話ということで、一から勉強させていただくような感じで作品に触れさせていただきました。コミックを読んだり、作者のみなさまのドキュメンタリーを見たりすると、アニメは子供に向けておもちゃに紐づいていたりもする作品だとも思うんですが、物語自体がすごく大人っぽいですし、なかなか1回では把握したり理解をするのが難しいくらいで、人間ドラマが詰まっていてどんどん引き込まれていってしまうんです。この作品に、私が10代の頃に出会っていたなら、また印象が違っていたのかなと思いつつ、本当に深い作品だなぁと感じます。今回、エンディングを歌うという形で携わらせていただけたことに、すごく恐縮もします。この『ガンダムシリーズ』という、素晴らしい作品の長い歴史の中に携わらせていただけることに対して、ちょっと震えるような気持ちもありますし、少しでも理解したいなという気持ちで勉強させていただきました。
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SUGIZO:安彦良和先生の情熱と執念の結晶。今だから表現できうるクオリティにディティール、深さ。40年前に本当はやりたかったんだけど、miwaちゃんの言うように当時のアニメはおもちゃに紐づいていて、そのために作らなきゃいけない部分や子供がわかるように作らなきゃいけない部分が多々あったんだけど、うまく子供向けに作りながら、その裏側にはものすごく深い哲学があって、間違いなく本来安彦先生やもちろん原作の富野由悠季監督が本当に表現したかった物語、作品を一切の妥協なく現代に移し替えた作品なので。それが年齢的にもファンとしての深さ的にも僕らにとってド真ん中なので。僕の世代のファンとしては“ずっとこれを待っていたんだ”という感触ですよね。漫画原作『THE ORIGIN』も全巻持っていますし、『ガンダムエース』(※2001年創刊のガンダムシリーズ専門の漫画雑誌、創刊号から『THE ORIGIN』が連載されていた)も買っていました。だからこそ今のテクノロジーでのアニメ化が決まったときには、僕は“夢が叶った”と思いました。
miwa:やはりずっと自分の中にイメージとしてあったガンダムの登場シーンもあって、そこには“すごいな!”という感動がありました。物語の中で初めてガンダムを見たときに、すごくワクワクしていたり、新しいものに対して感じる衝撃が伝わってきて。“ガンダムってすごいんだな”という想いが伝わってきました。あとは、正しいということが本当はないなかで、それぞれの正しさや正義のある中で戦いが終わらない、というのを感じるんです。ヒーローがいて敵がいて、ということではなくて、みんながそれぞれの正義を持っているし、主人公がいるようでいない、というか。誰の味方をしたら正解、というものがない難しさもありつつ、だからこそ読む人によって誰に感情移入するのか、誰の気持ちに寄り添うのかで感じ方も変わってくるのかなって。場面によって応援したくなる人が変わるような気もしていて、それが人間なのかな、と感じます。
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──再放送で火が付いた、というのは当時のスタッフのみなさんもよくおっしゃいますよね。
SUGIZO:再放送と、ガンプラ(※『ガンダムシリーズ』のプラモデル)ね。ガンプラがまだ世の中に広がる前の、最初に出たときからガンプラを買ってるからね、僕は。もうこうなってくると、自分の人生の5分の4はガンダムと共に生きてきていますから。そういう存在です。
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