【速レポ】モンパチフェス<WWW!! 18>、知名定男「彼たちは、実は私を受け継いでいるんです」
雲はまだまだ多いが、美らSUNビーチには11月とは思えない日差しが降り注ぐ。太陽を連れてやってきた沖縄の生きるレジェンド、知名定男だ。沖縄県では琉球民謡を代表する巨匠として知られる。普段のステージでは着物姿のことも多いようだが、この日は洋服をおしゃれに着こなしてステージに登場した。相方と息を合わせて三線を弾きながら独特の節回しで歌う民謡。その歌声と心地よい音は、美らSUNビーチにそよぐ風と一緒になって、みんなの気持ちを癒やしていく。バンドのライブのような盛り上がりこそないものの、この<What a Wonderful World!!18>で生まれていったそれぞれの思い出にも気持ちをはせ、知名定男の音楽に耳を傾けていった。
◆知名定男 画像
「知名定男です」と挨拶すると、隣の唄手も「知名定人です」とニコッと笑う。なんと息子さんとの親子共演でもあった。
「なんか、場違いなところに来てるように思わん? 大盛り上がりしている中で、ちょっと一息入れてください」
これに対して歓声ではなく、あちこちから指笛が起こるのも沖縄らしいところ。琉球民謡がさらに続くが、師匠の作った曲はもちろん、自身が25~26歳のときに書いて沖縄で大ヒットした「うんじゅが情どぅ頼まりる」も聴かせる。手拍子が起こり始めると「これは手拍子する曲ではない(笑)。でも、いいか」と巨匠は懐が深く柔らかい。そうした人間性まで現れた三線の音と歌声だ。耳にしているだけで心が洗われていく。
「今回、モンパチとかORANGE RANGEとか、かりゆし58とか出てますけど。私も大先輩を受け継いだように、彼たちは、実は私を受け継いでいるんです。オキナワン・ポップスを最初に発表したのは私です。彼たちが数万の人を集めてやるバンド、非常に私は今、報われています。今日の万の人の半分は、私にちょーだい!」
本音も入り混じったくだけたトークに笑いや指笛に包まれるステージ。その主から最後に飛び出た曲は「屋慶名クファディーサー」だった。沖縄の宴では欠かせない、軽快な三線と合いの手が特徴のカチャーシー曲だ。指笛はもちろん、両手の動きが独特の舞=カチャーシーで楽しむオーディエンスも多い。と思ったら、ステージ袖で見守っていたMONGOL800の清作がカチャーシーをしながら登場。しかも巨匠と合わせたかのようなハット姿だ。曲が終わって熱い握手も交わすふたり。伝承されていく沖縄音楽の熱いスピリットも感じる瞬間だった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎(c)WWW18 OFFICIAL
【知名定男@ハブSTAGE セットリスト】
02. 油断しるな
03. うんじゅが情どぅ頼まりる
04. ヤッチャー小 〜 山原汀間当
05. ヒンスー尾類小
06. 屋慶名クファディーサー
■<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!18>
2018年11月3日(土・祝) 沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ 特設会場
2018年11月4日(日) 沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ 特設会場
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