【速レポ】モンパチフェス<WWW!! 18>、ORANGE RANGE「せっかくだからさ、主役のさ」

<What a Wonderful World!!18>の1日目、ハブSTAGEのトリを務めるのはORANGE RANGE。10月からスタートさせた全国ツアー<ORANGE RANGE LIVE TOUR 018-019~ELEVEN PIECE~>の真っ最中であり、つまりライブ・バンドにとって脂が乗りに乗った状態。しかもメンバーにとっての地元=沖縄。観る側のテンションだって俄然、高まるというもの。すぐ横のマングースSTAGEでWANIMAのライブが終わると、オーディエンスは横移動。あっという間に圧縮気味の客席エリアが完成した。
◆ORANGE RANGE画像
お祭りテクノとも呼べるオープニングSEに合わせてライトが激しく光り、ステージに登場するメンバーをシルエット状に浮かび上がらせる。ハイハットを合図に「上海ハニー」から始まったライブは、のっけからクライマックスと思える一体感と熱さが客席エリアに広がる。それでもHIROKI、YAMATO、RYOの3MCは、リズミカルに言葉を叩きつけながら、さらに煽りを喰らわす。RYOは「一人ひとりのテンションが凄いのは分かった。それをひとつにしなきゃね。沖縄にはカチャーシーというのがあるんですよ」と、沖縄の宴ではおなじみの楽しみ方を伝授。3MCの動きを見よう見まねで手を振れば、モッシュや暴れるのとはまた違った楽しさがマックス状態だ。最新アルバム『ELEVEN PIECE』からの「Ryukyu Wind」が続けば、力強さと勇気も湧くリリックで、オーディエンスはさらに鼓舞されるばかり。と思えば再びキラー・チューンの「*〜アスタリスク〜」で、ORANGE RANGEはロックのチャンプルーぶりを炸裂。刺激の詰まった曲とステージは、このバンドの専売特許と呼べるだろう。




しかし、ORANGE RANGEもすでに結成から17年目だ。「僕にしてみたら、制服を着た高校生のころから始めて。そこからいろんな人と出会いました。そして自分の人間というのができていったなと。バンドやってなくても、それぞれの人生であると思います。結局ね、一番近くにいる人を幸せにするのが、自分という人間を作る近道じゃないかなと思います。自分の近くにいる人を想像しながら聴いてほしいと思います」とRYO。その言葉から続いたのは今年10月に配信リリースになった「Family」だった。30代半ばを超えたメンバーが、変な虚勢を張らず、素直に地元や大切な人へ向けて書いたナンバーである。こうしてメンバーが生まれ育った沖縄で体感すると、曲や詞にある温度感や匂いなどもリアルに伝わってくる。また結成から17年経ち、すでに家族を持ったファンも多いだろう。そんな彼や彼女たちにとっても幸せを改めて感じる曲となって響いた。


こうした聴かせ場も作るが、やっぱりORANGE RANGEである。HIROKIの「ガンガンいっちゃっていいですか。明日にバトンを渡せるように最後までイケますか。汗かいてきましょう!」と威勢のいいMCから突入するのは「チラチラリズム」。YOHがファンキーなベース・ラインを刻めば、うねりあるギター・プレイを決めるNAOTO、ちょいとエッチなフレーバー漂うリリックで熱くさせる3MC。さらにキラー・チューン「イケナイ太陽」と「キリキリマイ」という怒涛の攻め。ファンからの声が小さければ「このボケーッ!」と叫ぶYAMATO。30代になっても、激しいライブ・パフォームや煽りを入れまくりのやんちゃなステージを繰り出すORANGE RANGEだった。



一応、これでライブは終わったが、当然のようにアンコールがメンバーを呼び戻す。「MONGOL800さんに感謝です。せっかくだからさ、やっぱりさ、主役のさ……。やっぱりさ、主役のさ」と、大事なことは二度言いたい性格のRYO。こうして呼ばれたMONGOL800の3人。となれば、やるのはあれしかない。2016年に発表されたコラボ・ベスト『緑盤』からのナンバー「以心電信」だ。ツイン・ドラム、ツイン・ギター、4MCというORANGE RANGEとMONGOL800の生コラボがここに実現。清作のラップ・パートがレゲエ風になるのも、コラボならではの化学反応だ。それになによりもミュージシャン本人たちが笑顔で楽しんでいるから、目の前のみんなをどんどん巻き込んでいく。そんな笑顔の相乗効果は収まることがない。

みんなで手をつないで挨拶も決めて、これでホントは終わるはずだったらしい。ところがステージから去り際に、つぶやくように「……アンコール」と言い出したのは清作だった。おまけに「もう、しょうがねぇな。ORANGE RANGEがなにかやるはずよ」と無責任に口にする。それに驚きながらもHIROKIはKiroroの「長い間」を歌い出すが、歌詞があまりにもおぼろげ過ぎた。沖縄県民として、それはあまりに恥ずかしい。そんなこんなで清作が「みんな呼ぼう」と完全にその場の勢いの展開へと突入してしまった。打ち合わせなしで始まったのはORANGE RANGEとMONGOL800のコラボ状態で「DON'T WORRY BE HAPPY」。そこにWANIMAなど、まだそれほど酔っ払いモードに突入していなかったミュージシャンらがゾクゾクと加わる。開演前は大雨でどうなるかと思われた1日目だったが、終わってみれば、ここにいる全員が想像以上の楽しさと興奮でハジけまくる<What a Wonderful World!!18>になった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎(c)WWW18 OFFICIAL
【ORANGE RANGE@ハブSTAGE セットリスト】
02. Ryukyu Wind
03. *〜アスタリスク〜
04. Family
05. チラチラリズム
06. イケナイ太陽
07. キリキリマイ
En1. 以心電信 w/MONGOL800
En2. DON'T WORRY BE HAPPY
■<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!18>

2018年11月3日(土・祝) 沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ 特設会場
2018年11月4日(日) 沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ 特設会場
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