【速レポ】<ハウステンボス緊急大作戦。>ROTTENGRAFFTY、「少しずつでもいいから始めて行こうぜ!」
21.9度という、この時期としてはやや低めの気温が信じられないほどに、真夏のような強い陽射しが注ぐ長崎・ハウステンボス。しかし、雲ひとつない青空から心地よい風が会場を通り抜けると、もう秋なんだと感じさせる、すがすがしく爽やかな空気が会場を包んでいた。そうした中、ステージのビジョンには、オルガンの厳かな音色と共に“がんばろう九州実行委員会”からのメッセージが流れる。
◆<ハウステンボス緊急大作戦。> 画像
「本日行われる<ハウステンボス緊急大作戦。>は、その名のとおり、今日、会場に集結していただいたアーティストのみなさん、オーディエンスのみなさん、僕たちスタッフ全員の“緊急大作戦”です。長崎から西日本へ、そして日本全国へ、音楽の力が持つ無限の可能性を一緒に届けられるよう、力を合せて、その想いを発信していきましょう」
会場を埋め尽くした4千人の観客から、自然と拍手が湧き上がると、その拍手に導かれるように、13時ジャスト、ROTTENGRAFFTYの名前がコールされた。その途端、先ほどまでの爽やかな秋の空気は一変する。KAZUOMI(G&Prog)に続いてHIROSHI(Dr)、そして侑威地(B)がステージに姿を表すと、両手を挙げ、手を叩きながらN∀OKI(Vo)が、そしてウォーミングアップなのか、ゆっくりと肩を回しながらNOBUYA(Vo)が登場。
「真昼間からぶっ飛んでくれ!」
N∀OKIが叫ぶと、10日前に行なった武道館公演の勢いそのままに、「D.A.N.C.E.」をぶちかます。いきなりクライマックを迎えたかのようにサークルモッシュが発生し、ダイバーたちが最前列の観客の頭上で大渋滞を巻き起こす。さらにN∀OKIは「歌え!叫べ!飛べ、飛べ、飛べ!ぶっ飛べ!」と観客を煽り、KAZUOMIのギターリフが陽射しを切り刻み、HIROSHIの重量感のあるキックと、侑威地の太いベースで、「PLAYBACK」へ突入。そんなヘヴィなサウンドと対照的に、NOBUYAの伸びやかなハイトーンが、雲ひとつつない青空に抜けていった。
そこから間髪入れずに始まった「SHRED」、観客全員がお祭りのように楽しんだ「響く都」と続き、「世界の終わり」の前には、「今、生きている目の前の瞬間を生き延びろ!」とN∀OKIが、そして「This World」では「生きていたらいろんなことがあるけど、一緒に頑張ろうぜ」とNOBUYAが語る。そしてそのまま観客の中に飛び込んだNOBUYAは、ダイバーと接触するトラブルに見舞われたが、“これこそが生きている証だ”と言わんばかりに、流血しながらも、これまでにないほどエモーショナルなパフォーマンスを展開してくれた。
「今年も……いや、毎年かな、日本中、世界中でいろんなことが起きているけど、ライブは人生の隙間に華を咲かすようなものやから、それを観て“明日もやったろう”とか、“悩みが晴れた”とか、“ちょっとだけ前向きになれた”とか、それってオレらにとってすげぇ一興やし、今日中に全部をやり切る覚悟で、全4バンド、心おきなく楽しんで、それで何か気付いたことがあったら、少しずつでもいいから、始めて行こうぜ!」
N∀OKIが、まさにこのイベントの意義すべてを集約したかのようなメッセージを送ると、「「70cm四方の窓辺」」、「So...Start」と畳みかけ、観客の大合唱で始まったライブ大定番曲「金色グラフティー」では、スモークと見間違うほどの砂埃を巻き起こしつつ、会場に巨大なサークルが出現。ステージと観客が一体となる、まさにロットンならではの空間を作り上げ、「またライブハウスで会おうぜ。ほな、さいなら」(N∀OKI)と、「Error」を披露し、トップバッターとは思えぬほどのエネルギッシュなパフォーマンスで、長崎の観客を魅了した。
取材・文◎布施雄一郎
撮影◎半田安政(Showcase)
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■西日本豪雨復興支援ライブ<がんばろう!西日本 ハウステンボス緊急大作戦。>2018年10月13日@長崎・ハウステンボス/ROTTENGRAFFTYセットリスト
01. D.A.N.C.E.
02. PLAYBACK
03. SHRED
04. 響く都
05. 世界の終わり
06. This World
07.「70cm四方の窓辺」
08. So...Start
09. 金色グラフティー
10. Error...
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