【速レポ】<中津川ソーラー>GRAPEVINE、「夏の終わりを満喫して帰ってください」
美しいサウンド・スケープで詰めかけたオーディエンスをどこまでも魅了し続けたのが、昨年に引き続いてREDEMPTION STAGEへ出演となったGRAPEVINE。メジャーデビュー21周年を迎え、結成から数えると田中和将(Vo)曰く68年ということだが(笑)、実力も貫禄も十分なパフォーマンスを展開していった。
◆GRAPEVINE 画像
ゆったりとステージに登場した彼らは、まず「Arma」でオーディエンスとの呼吸を確かめ合うように甘美な調べを放ち、グッと惹きつけてから巧みに折り重なった音で絵画を描くかの如く、その世界観を見せつける「スロウ」へとつなぐ。田中のヴォーカルに合わさる西川弘剛(G)のコーラスもさらりとしたコクを生み出し、実にいい。
「このフェスは毎年、天気がいいですね。夏の終わりを満喫して帰ってください」との田中の言葉から届けられたのは「風待ち」だった。じっくりと耳を傾けながら、その歌の中へ陶酔したくなる求心力を持ち、曲が進むにつれてスケールアップする流れも秀逸。長い間、絶えず自らを磨き抜いてきたバンドの本領に圧倒されてしまうのだ。
彼らが持つ魅力のひとつとして、軽すぎず、重すぎず、絶妙なタッチで良質なメロディーを奏でるところがあるが、そこが見事に発揮されていたのが「エレウテリア」であろう。西川と田中のギタープレイも炸裂し、エンディングへ向かってグルーヴィーに進んでいく様も含め、その存在感が際立っていた。
そして、田中がアコースティックギターに持ち替え、洗練された音で構築された「Sing」をプレイし、このアプローチで流れていくのかと思いきや、いきなりドロップされたのが屈強さを誇る「豚の皿」。響き渡る低音、強烈に歌を飛ばす田中、激しさが増していき、一気に覚醒するこの曲。激しく点滅する照明も相まって、サイケデリックな危うさも感じさせ、それまでとは違った緊迫感あり、胸の高鳴りが止まらなかった。
その後は、口ずさむ人も多く、みなが待ちかねていた「光について」を麗しく鳴らし、締めくくりは「また会おう」という田中の言葉から「Everyman,Everywhere」。自由に湧き上がるイマジネーションをハイセンスで仕上げ、鉄壁の布陣で鳴らしたステージは、とても心が豊かになる45分だった。
取材・文◎ヤコウリュウジ
撮影◎柴田恵理
【GRAPEVINE@REDEMPTION STAGEセットリスト】
02. スロウ
03. 風待ち
04. エレウテリア
05. Sing
06. 豚の皿
07. 光について
08. Everyman,Everywhere
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
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