【速レポ】<中津川ソーラー>Base Ball Bear、「とびきり夏に媚びたセットリストに!」
ドラムセットに向かって、小出祐介(Vo,G)、関根史織(B,Cho)、堀之内大介(Dr,Cho)の3人がゆっくりと息を合わせ、演奏は「BREEEEZE GIRL」で始まった。爽やかで涼しげな曲調に客席から早速、声が上がり、「行くぞ!」という小出の呼びかけに観客が手を挙げ、応えた。
◆Base Ball Bear 画像
めらめらと燃える闘志を剥き出しにするバンドではない。しかし、「昨年に引き続き、呼んでいただいてありがとうございます。(前回からの)1年、演奏を練りに練り上げてきました。去年とは違うBase Ball Bearを見てもらいたいと思います」。
「BREEEEZE GIRL」から「PERFECT BLUE」につなげたあと、小出が言ったこの言葉からは、現在の3人編成で初めてステージに立った昨年の<中津川THE SOLAR BUDOKAN>の演奏は、バンドにとって決してベストと言えるものではなかったことが窺えた。昨年のリベンジ。彼ら自身が言ったわけではないが、今日の演奏には少なからず、そんなテーマもあったに違いない。
「今年最後の夏フェスという人も多いと思います。とびきり夏に媚びたセットリストになっています!」と小出が言いながら、この日、バンドが演奏したのは、代表曲と言える全7曲。関根がクールに刻むビートが心地いいダンサブルな「17才」から演奏の勢いは加速。切ない曲調が夏の終わりを惜しむ気持ちを駆り立てた「short hair」でバンドの演奏が熱を上げると(こういう曲調で演奏が白熱するところがおもしろい)、歌謡ディスコロックなんて言ってみたい「真夏の条件」では、「ギター!オレ!」とギターソロをキメた小出とモニターの上で力強くベースを刻む関根の熱演に声が上がった。
「これからめっちゃラップします! ギターバンド風情の僕が!(照)」と小出が言って、コール&レスポンスからなだれ込んだ「The Cut」では小出のラップに挑むように関根がベースをスラップ。堀之内がキックする4つ打ちのリズムに観客が楽しそうにジャンプした。
そして、そんな盛り上がりは、「ここにいるみんなの夏がこんな感じになったらいいと思います」(小出)と続けたラストの「ドラマチック」で最高潮に! バンドは彼らの持ち味の一つである踊れるロックの魅力を存分に見せつけると、堀之内が最後にドラムをズドーンと轟かせ、演奏を締めくくった。
フェスだからってことさらに煽るわけではない。だからと言って、斜に構えるわけでもない。内なる闘志や情熱を、純粋に演奏に込める。そんなライブの取り組み方がとても清々しかった。筆者は去年の演奏を見ていないから比べることはできないが、バンドの魅力がストレートに伝わるという意味でベストと言えるライブだったはずだ。
取材・文◎山口智男
撮影◎柴田恵理
【Base Ball Bear@REDEMPTION STAGEセットリスト】
02. PERFECT BLUE
03. 17才
04. short hair
05. 真夏の条件
06. The Cut
07. ドラマチック
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
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