【速レポ】<中津川ソーラー>ACIDMAN、初日トリのステージで「空は見ているのかもしれない」

<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>、初日のトリを飾るのはACIDMAN。3人はTHE SOLAR BUDOKANがこの中津川で開催されるようになった2013年から皆勤賞で、今年初のトリを務める。
◆ACIDMAN 画像
SEが徐々に大きく会場に鳴り響き、観客がそのビートに合わせて手拍子をする中、3人がステージへと揃った。1曲目は現在の最新アルバム『Λ』からの曲「ミレニアム」。高揚感のあるドラマティックなオープニング、無二の3ピースが生むソリッドなサウンドに、キャッチーかつ壮大なメロディと歌が、がっちりと観客をつかんでいく。早くもクライマックスを迎えたかのようなダイナミックなステージで、観客の盛り上がりも凄まじい。



しかしここから「アイソトープ」「FREESTAR」とさらにスピードもボルテージも上げていく。浦山一悟(Dr)は高々とスティックを突き上げ、大木伸夫(Vo/G)、佐藤雅俊(B)はアグレッシヴにステージを動き、観客にコブシを上げさせる。百戦錬磨のライブ曲として築いてきたタフさがある。
「改めてこんばんは、ACIDMANです。今年でこの場所では6回目、僕らは初年度の2013年から出させてもらっています。<THE SOLAR BUDOKAN>は太陽エネルギーで電力を賄っているフェスなんだけど、初年度からほとんど雨が降ってないんだよね。こういうふうに大義名分がしっかりしていると、空は見ているのかもしれない。素晴らしいフェスだなと思います」──大木伸夫
そう語った大木は、「次は、そんな太陽の魔法をテーマにした曲」と「アルケミスト」を紹介した。細やかなフレーズを積み上げて、美しく大きなタペストリーを編み上げていくようなナンバーだ。丁寧な歌と密なアンサンブルがうねりを帯びながら観客を飲み込んでいく。ラストのサビの開放感が生むカタルシスで、観客が掲げるコブシにグッと力が入るのがわかる。


デビューアルバム『創』(2002年)に収録されている初期作品「赤橙」から、最新の「MEMORIES」へとキャリアを駆け抜けるような流れを経て、間髪入れずに「ある証明」で、3人はさらにエネルギッシュにサウンドを爆発させ、歌のボリュームをあげる。「中津川、声、聴かせてくれ! みんなで叫ぶぞ」(大木)という声に、観客はシャウトや歓声を上げる。
「中津川は星がきれいに見えるから、最後は、急遽予定していた曲を変えて、星の歌にしようと思いました。「ALMA」という曲をやります」──大木伸夫
ACIDMANというバンドがずっと歌にしてきた、空や宇宙、無数の星がある中で、今この時ここに生まれ出会っている奇跡や、この世に生を受け前に進んでいく人間のポジティヴな本質というべきものをドラマティックな音楽へと封じ込めた1曲。その音が放つ圧倒的に美しい力強さに、会場の歓声がクレッシェンドする。



大歓声に応え、アンコールに立ったACIDMAN。「アンコールもいつもやる曲があるんだけど、<THE SOLAR BUDOKAN>っていうことで、何か光にちなんだ曲がないかなっていうことで──ありました」と「飛光」を披露。そしてもう1曲は、これぞアンコールの定番中の定番のパンキッシュな「Your Song」も忘れることなく叩きつけた。トリを務めるバンドにふさわしい風格と、またこのフェスならではのものをしっかりと用意して見せてくれるサービス精神に溢れたステージ。先ほどよりもさらに大きな歓声が、<THE SOLAR BUDOKAN 2018>の初日を晴れやかに締めくくった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎木村泰之
【ACIDMAN@REVOLUTION STAGEセットリスト】
02. アイソトープ
03. FREE STAR
04. アルケミスト
05. 赤橙
06. MEMORIES
07. ある証明
08. ALMA
EN1. 飛光
EN2. Your Song
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2018>
2018年9月23日(日) 岐阜県中津川公園内特設ステージ
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