【ライブレポート】セリーヌ・ディオン、「今夜は30年間支えてくれたあなた達のために」
セリーヌ・ディオンが6月26日、2008年3月(Taking Chances世界ツアー)以来となる10年ぶりの日本公演を東京ドームで開催した。
◆東京ドーム公演 画像
ゴールドのパンツ・スーツで登場したセリーヌは、きらびやかな都会の夜景や花火の映像/ライティングをバックに「The Power Of Love」でショウをスタート。パワフルなだけでなく、柔らかく優しさも感じさせる滑らかな歌声で瞬時にオーディエンスを魅了した。
2曲目の「That’s The Way It Is」を終えると、彼女は「こんばんは、東京! 元気?」と、フレンドリーに観客に話しかけた。「戻って来られて嬉しいわ。10年ぶりだなんて長過ぎよ。信じられない。あなた達の国、文化、人々を愛してます。だから、今回のツアーをここから始めることにしたの。ちょっと緊張してるわ。あなた達は30年間、サポートしてきてくれた。今夜はあなた達のための音楽、あなた達のためのコンサートよ。最高の時間を過ごして欲しい」と、日本のファンとの久々の再会を喜び、その言葉どおり、至福の時間をオーディエンスへ贈った。
ステージのセット自体はシンプルだったものの、映像とライティングを駆使し、曲ごとに様々な世界が創り出された。男前なパンツ・スーツから一変し、ゴージャスなロング・ドレスでパフォーマンスした「Beauty And The Beast」は、まるでヨーロッパのお城の中で開かれた舞踏会のよう。立体感がありリアルな映像は、夕日で真っ赤に染まった空、摩天楼、花火など、次々と美しいシーンを生み、セリーヌの素晴らしい歌声をさらに際立たせた。また、シックなアコースティック・メドレーやアップビートなファンク、パワフルなロックのセクションもあり、多才かつ多彩なパフォーマンスは最初から最後までオーディエンスを惹きつけた。今年50歳の誕生日を迎えたセリーヌだが、そのパワフルで圧倒的な歌唱力は変わることなく、さらにはショートパンツ姿で美脚も披露した。
この夜は、2時間近くに渡り、初の全米No.1シングル「The Power Of Love」から「Because You Loved Me」、最新シングル「Ashes」、エリック・カルメンの「All By My Self」、プリンスの「Kiss」「Purple Rain」、アイク&ティナ・ターナーの「River Deep, Mountain High」、そして「To Love You More」「My Heart Will Go On」まで計22曲のベスト・ヒット・コレクション+カヴァーがパフォーマンスされた。歌声に酔いしれるだけでなく、曲にまつわる思い出に浸るオーディエンスも多かったことだろう。
様々な面で壮大で完璧な公演ではあったものの、ユーモア溢れるMCや仕草、「歌うという大好きなことができて本当に幸せ。ありがとう」とファンに感謝する言葉があったり、「Recovering」を歌う前にはご主人の死に触れるなど、彼女を身近に感じさせるものでもあった。
セリーヌはこの東京公演を皮切りに、中国、シンガポール、インドネシア、台湾、フィリピン、タイを周り、アジアで10年ぶり、大方の国では初めてとなるツアーを行なう。
Text by Ako Suzuki
Photos by Masanori Naruse
<Celine Dion Live 2018 in Japan>
WOWOW『セリーヌ・ディオン ライブ・アット・東京ドーム2018』
収録日:2018年6月26日(火)
収録場所:東京・東京ドーム
※ハイブリッドキャストを活用した4K視聴実験を実施。放送中「4Kで見る」ボタンがテレビに表示された方は、番組を4K映像でお楽しみいただけます。
番組サイト:http://www.wowow.co.jp/celine/
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