【インタビュー】L.A.ガンズ「カムバックできてとても嬉しいよ」

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元ガールのシンガー:フィル・ルイスとガンズ・アンド・ローゼスのギタリストで活動していたトレイシー・ガンズが組み、1980年代のL.A.メタルムーブメントの中でデビューしたL.A.ガンズは、プラチナム・ディスクやゴールド・ディスクを獲得する人気バンドのひとつだった。

◆L.A.ガンズ映像&画像

だが、華やかで勢いのあった時代はそう長くは続かず、1990年代のハードロック衰退時代にはフィルの脱退、以後はメンバーチェンジを繰り返す事になっていった。一度は全盛期メンバーでの再結成も果たすものの、今度はトレイシーが脱退しL.A.ガンズはフィルを中心に活動を継続することとなる。2000年代に入るとフィルのL.A.ガンズとは別にトレイシーのL.A.ガンズも結成され、二つのL.A.ガンズが存在する分裂時代に突入することになるが、しかしながら、いずれもシーンでの活躍はあまり聞こえてこなかった。

しかし2016年、フィルとトレイシーが再び合流した新生L.A.ガンズが再始動しているニュースが届き始め、2017年には5年ぶり通算12枚目となるニューアルバム『The Missing Peace』がリリースされると、タイミングよく<LOUD PARK 2017>への出演も実現、再びシーンでの盛り上がりが期待されている状況となっていった。

今もなおフィルの歌声も非常に伸びやかで演奏陣のプレイも安定しており、彼らのステージはかつての荒削りでバッド・ボーイズなイメージより渋い骨太なロックンロールショーを見せてくれる。当時のL.A.メタルファンを呼び起こすのみならず、その重厚なルックス/スタイルは新しいファンをも掴んだことだろう。


──久しぶりの日本のステージはいかがでしたか?

フィル・ルイス:凄く久しぶりだった。しかもこんなに大きな会場で、若い人たちも僕たちの事を知ってくれていて驚いたし、こういう形でカムバックできてとても嬉しいよ。

──フィルとトレイシーが再び一緒に演ることは多くのファンの願いでしたよ。

フィル・ルイス:凄く自然にこうなれたんだよね。音楽がきっかけとなって、また一緒にやろうとなった。

トレイシー・ガンズ:そうだね。時間はかかったけど、とても自然にね。



──ニューアルバム『The Missing Peace』のレコーディングはいかがでしたか?

フィル・ルイス:新しいコンセプトで作ったんだ。別々のところで作業したんだけど、僕はニューヨークのボーカル・プロデューサーのもとでレコーディングしたんだ。

トレイシー・ガンズ:僕は自宅でオーバーダブをして、リズム隊はもうひとつスタジオで録って、ミックスは全部いっぺんに僕がやった。

──楽曲もバラエティに富んでいますね。

フィル・ルイス:L.A.ガンズのやり方として、AC/DCやモーターヘッドのようなひとつのスタイルではなくて、チープ・トリックやザ・ビートルズのように色々なスタイルを採り入れているよ。なにより一番大切な事は楽しむ事だからね。

トレイシー・ガンズ:先に僕が楽曲を作るけど、それをフィルが完成させて行くんだ。日々、色々なものを採り入れる勉強はしているよ。

──トレイシーのギターは、メロディックで1970年代にレイドバックした感じを受けます。

トレイシー・ガンズ:1970年代の影響は凄く受けているからね、ギターヒーローもたくさん居たし。ただ、その頃のギターヒーローはみんな速弾きで、自分はもっとメロディーを重視した上でエッジが効いたものにしたい。影響を受けたのはディーヴォやミスフィッツ、ジミー・ペイジ、リッチー・ブラックモアとかだけど、これから先はデイヴ・ギルモアやパット・スミスを合わせたようなものを採り入れたいかな。





──最近ライブはどのくらい演っていたんですか?

フィル・ルイス:ここ最近でも100回くらいはやっているよ。本当はニューアルバムが6月1日にリリースされるはずだったから、それに合わせてツアーを考えていたんだ。結局リリースは間に合わなかったまま、ツアーを行ったけど。

──新曲「Speed」は今後ライブでも代表曲になりそうですね。

フィル・ルイス:日本でも盛り上がってくれて良かった。「Speed」は、アメリカでは1ヶ月前にシングルでリリースされているんだ。MVも制作して公開されたしね。


──そういえば、今回「Sex Action」を演奏しなかったのはなぜですか?

トレイシー・ガンズ:ワーオ!…ごめんなさい(笑)。

フィル・ルイス:時間が短かったからね…やっぱり新しい曲を入れたくて。

トレイシー・ガンズ:本当はもっとたくさん演りたかったんだけどね、ごめんなさい。





──長いキャリアを重ねていますが、まだ成し遂げていない事はありますか?

フィル・ルイス:もっと更に良いアルバムを作りたい。

トレイシー・ガンズ:今回、初めてプロデュースもしたので、またプロデュースもやりたいね。老人ホームに入るまでにまた作りたいよ(笑)。

フィル・ルイス:アメリカに戻ったら10日間の休みを取るけど、それからイギリスやヨーロッパツアー、小さいアメリカツアーを年内いっぱいやるんだ。そして来年またアメリカのラスベガスやハリウッドのツアーをやるよ。これからもっと楽しい事をたくさん考えているから期待していてね。

トレイシー・ガンズ:来年5月にオーストラリアのツアーがあるから、その時に日本にもう一度、今度は単独公演で来たいな。今日はありがとう。最高な日だったよ。



取材・文:Sweeet Rock / Aki
写真:Yuki Kuroyanagi

<L.A.ガンズ in LOUD PARK 2017>
2017.10.14@さいたまスーパーアリーナ
intro~Diary of a Madman(Ozzy Osbourne)
1.Over the Edge
2.Speed
3.No Mercy
4.Don't Look at Me That Way
5.Killing Machine
6.Never Enough
7.Jerry Jam
8.The Ballad of Jayne
9.Rip and Tear
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