【速レポ】<中津川ソーラー>後藤正文&喜多建介、「半分カンフー・ジェネレーションでございます」
「半分カンフー・ジェネレーションでございます」と、登場するなりジョークを飛ばしたのはゴッチこと後藤正文だ。後藤正文&喜多建介(ASIAN KUNG-FU GENERATION)名義でのユニット出演はレア中のレアケースとなる。
◆後藤正文&喜多建介(ASIAN KUNG-FU GENERATION) 画像
RESPECT STAGEは<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>初回から設置されている老舗ステージだ。傾斜地形を利用した客席は座って観ることも寝転んでみることも可能。場内の飾り付けを含めてピースフルな雰囲気が特徴であり、アコースティックセットや豪華セッションまでバラエティ豊かな出演陣がオーディエンスを魅了し続けてきた。
開演時刻10分前には客席エリアが人の群れで膨れ上がり、5分前には多くのオーディエンスが立ち上がって後藤正文&喜多建介の登場を待つなど、ライヴへの期待感でRESPECT STAGEが熱を帯び始めた。そもそも、この2人でどんな曲を演奏するのか? 舞台上には2本のマイクに加え、下手にアコースティックギター、上手にレスポールとアンプもセットされている。どうやら後藤がアコースティックギターを弾き、喜多建介がエレキギターでサウンドに彩りを加えるユニット編成か。
定刻通り、おもむろに2人が揃いの“G”ロゴ付きキャップ(ゴッチ・オフィシャルグッズ)を被って登場した。定位置に着くなり後藤が先の言葉に、「一番おもしろくないよ、このフェスのなかでこの催しが」と加えて笑いを誘った。後藤のアコースティックギターが奏でるコードストローク、喜多のアルペジオによるテーマメロディがオープニングナンバー「ソラニン」を告げる。しかし、歌い出したのは後藤ではなく、喜多。これには場内が爆笑に包まれるがBメロもサビも、喜多。後藤はと言えば黙々とストロークを続け、キャップの下で笑いを堪えた表情がうかがえる。
「まさか丸々1曲歌うとは思わなかったでしょ?(笑)」──喜多建介
「だから言ったでしょ。ほら、みんな早くナッシングスのステージへ」──後藤正文
いきなりの“喜多ボーカル”はサプライズ。加えて、演奏曲は決定しているものの曲順と曲数は未定であり、喜多曰く「ゴッチがどの曲のイントロを弾くかによって決めらる」とのこと。つまりはライブ構成自体がサプライズのようなものか。さらには、2曲目に披露された後藤ボーカルによる「Wonder Future」後のMCで、「建さんと演るのは冒険なのね。つまり「Wonder Future」なの、オレにとって」とひと言。これまで後藤ひとりでの弾き語りや腕利きミュージシャンとのアコースティックセッションは数あれど、喜多と2人によるユニット形式は後藤自身にとっても“未知”のもの。ここ<中津川ソーラー>で初披露に近いカタチで行われるのだという。
それにしても2人の掛け合いトークは絶妙で、後藤の“喜多イジリ”に場内は爆笑の連続だ。喜多の酒飲みエピソードはどこで話してもウケるそうで、「オレはステージ上の建さんより、お酒を飲んでる建さんが好き」とトークが止まらない。もちろんその阿吽の呼吸は演奏面でも発揮される。Gotch名義のソロ楽曲「Taxi Driver」では、後藤の弾く8ビートに喜多がブルージーなチョーキングやカラフルなアルペジオで楽曲に彩りと表情を演出し、ディレイ成分を含んだクリーントーンが中津川の山々に響き渡るシーンがあまりにも美しい。アコースティックギターのストロークをバックにした「ループ&ループ」のギターソロも絶品だ。
しかし、ラストの最新ナンバー「荒野を歩け」のイントロを後藤が奏ではじめると喜多がタンバリンを手に。すでに歌に入っていた後藤だが、演奏をストップ。「なにやってるの(笑)。最初からギター弾く気ないじゃん。ウソだろ?」と爆笑した。これに対して喜多は「いいじゃん、最後の曲なんだから」と肩に掛けていたギターすら外して、タンバリンとコーラスに徹するなどの応酬に笑いが止まらない。
こう記すと“ゆるさ”を中心に据えたステージだったように感じるかもしれないが、もちろんそれだけではない。弾き語りアレンジによって浮かび上げられたのは、彼らの楽曲本来が持つ強く美しいメロディーだ。一切の装飾を削ぎ落とすことが許されたしなやかな旋律は、コーラスと2本のギターだけで中津川の夕景を最高に輝かしく染め上げた。
「本当にいいフェスだね。次はぜひ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONで来たいと思います」との言葉が実現される日が楽しみなステージとなった。
取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎上山陽介
■【後藤正文&喜多建介(ASIAN KUNG-FU GENERATION)@RESPECT STAGEセットリスト】
2. Wonder Future
3. 1.2.3.4.5.6. Baby
4. ループ&ループ
5. Taxi Driver
6. マーチングバンド
7. 荒野を歩け
■番組情報
12月放送予定 [WOWOWプライム][無料]
■<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>
2017年9月24日(日)岐阜県 中津川公園内特設ステージ
▼9月23日(土)出演アーティスト
シアターブルック / ACIDMAN / THE BACK HORN / Base Ball Bear / the band apart / THE BAWDIES / Czecho No Republic / GRAPEVINE / the HIATUS / HY / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS / Nulbarich / PANTA(頭脳警察) / TRICERATOPS / 吉田美奈子&森俊之 / Awesome City Club / SCOOBIE DO / LIVE FOR NIPPON [SOLAR BLUES (永井ホトケ隆・うつみようこ・KOTEZ) / NO GENERATION GAPS(うじきつよし・佐々木亮介) / 山﨑彩音] / フラワーカンパニーズ / bird / BURNOUT SYNDROMES / 吉川晃司 / 真心ブラザース / Dachambo / cro-magnon / MONSTER大陸 / TRI4TH
▼『Village Of illusion』
LIVE:森広隆 / 武藤昭平with ウエノコウジ / 渡辺シュンスケ
DJ:DJ Cartoon a.k.a YUJIN / DJ PAIPAI / DJ吉沢Dynamite.jp
Dance:Asami / 福(fuku) / MINAMI / NON-P / REIKA / salsabroso / sdl caravan / Sweet Rave×Team Eros / YU-KO
HUMANBEATBOX:HIRONA
▼9月24日(日)出演アーティスト
ザ・クロマニヨンズ / Caravan / 後藤正文&喜多建介(ASIAN KUNG-FU GENERATION) / THE GROOVERS / ハナレグミ / インディーズ電力 / NAMBA69 / NONA REEVES / NOTHING BUT THE FUNK feat.さかいゆう / Nothing’s Carved In Stone / ROTTENGRAFFTY / ストレイテナー / 10-FEET / ヤバイTシャツ屋さん / 04 Limited Sazabys / Leyona & 臼井ミトン / GACHI SOLAR SPECIAL [浜崎貴司×土岐麻子×奇妙礼太郎 with いまみちともたか] / クラムボン / a flood of circle / 片平里菜 / NakamuraEmi / 忘れらんねえよ / DJダイノジ / 東北ライブハウス大作戦ステージ [TOSHI-LOW / 細美武士 / Kj] / 仲井戸“CHABO”麗市 SOLAR JAM feat.佐藤タイジ,TOSHI-LOW / The SunPaulo / Yasei Collective / BimBamBoom / UQIYO / Omoinotake
▼<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017>公式アプリリリース
公式アプリでは、全アーティストの出演日程に加え、自分だけのマイタイムテーブルの作成、アーティストのライブ定番ソングや今後のツアー情報などをチェックすることができます。また、出演アーティストのコメント動画を配信スタート。
●アプリ名:「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017 app powered by LiveFans」
●提供開始日: 2017年7月7日(金)
●対応OS: iOS8.0以降、Android4.0以降
●価格:無料
●ダウンロード
iOS https://itunes.apple.com/jp/app/id1245513865?mt=8
Android https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.livefans.solar
【コメント配信アーティスト】
佐藤タイジ(シアターブルック)
荒井岳史(the band apart)
Nothing’s Carved In Stone
この記事の関連情報
THE SOLAR BUDOKAN/佐藤タイジ
ASIAN KUNG-FU GENERATION
邦楽
音楽フェス
ライブ・イベントレポート
トピック&スクープ
【特集】中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017
ASIAN KUNG-FU GENERATION × Omoinotake、<M bit Live>第3弾で一夜限りのコラボライブ
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>佐藤タイジ、「ここはオレが伝えたいことの真意がわかってくれそうな人が多そう」
【ライブレポート】ASIAN KUNG-FU GENERATION、2時間40分全27曲の<ファン感謝祭>にバンドの物語「まだまだこれからも転がっていきたい」
アジカン後藤正文を創立者とするNPO法人「アップルビネガー音楽支援機構」、クラウドファンディング開始
ASIAN KUNG-FU GENERATION、ツアー<サーフ ブンガク カマクラ>収録ライブ映像作品を9月発売
ASIAN KUNG-FU GENERATION、横浜BUNTAI 2days<ファン感謝祭2024>を生配信
ASIAN KUNG-FU GENERATION、「遥か彼方 (2024 ver.)」MVは南米のワンマン映像によるLive Edition
ASIAN KUNG-FU GENERATION、名曲「転がる岩、君に朝が降る」でTHE FIRST TAKEに再び
ASIAN KUNG-FU GENERATION、3年ぶりTHE FIRST TAKEで「遥か彼方」一発撮り