【インタビュー】La'cryma ChristiのHIRO、ソロアルバムを語る<最終回>「ゴールではない。始まりです」
La'cryma ChristiのギタリストHIROが本日4月28日、1stソロアルバム『Gale』をリリースした。発売翌日となる明日29日には初のソロライヴが行われる。チケットは即時完売、当日券もないそうだ。しかし、このプレミアライブの模様が完全収録されたTV放送と映像作品 (DVD / Blu-ray)の発売が決定したとのこと。こちらもお楽しみに。
◆HIRO (La'cryma Christi) 画像
これまで3回にわたってご紹介したインタビューでHIROは、“この世の誰よりも自分自身が聴きたいアルバム” “ソロアルバムだからこそ、僕は僕がグッとくるものを選ぶ” “ギターリフは曲の顔”など印象的な言葉を残している。連続インタビューの最終回は、アルバム『Gale』に潜む意外性に焦点をあてた。
◆ ◆ ◆
■隠しようのない
■自分の核が出ている
──『Gale』は、まさにHIROワールドですね。アーティストHIROとギタリストHIROの真髄に迫っています。
HIRO:前にも話したとおり、自分が好きなものや自分が得意なものが凝縮されています。
──しかし、意外なところもありました。たとえば「Steppenwolf」。なぜなら、ギターがクリーントーンだから。NOディストーション。
HIRO:確かに『Gale』の中では、唯一歪んでいないギターです。何年も前に、とある荒野の景色にインスパイアされて、冒頭のアルペジオから作り始めました。その時点ですでにクリーントーンだったんです。レコーディングするにあたり、あれだけクリーンだと、ニュアンスを出してメロディを弾くのが難しいだろうな、と予想できました。それでも、あの音色は譲れませんでした。僕の中で鳴っている音があれだったからです。弾く側の都合で違う音色にしてしまうと、ギタリストである自分がアーティストである自分をゆがめてしまうことになるし。あの曲はあの音しかあり得ません。近頃は、ハードロック系のディストーションでギターを弾く機会が増えているのは事実だけど、ラクリマの初期はもっといろいろな音色を駆使して曲を構築していたので、ある意味、「Steppenwolf」のギターはその頃に近いと思います。つまり、僕の中では、意外ではなく、むしろ核をさらけ出している部分です。
──「甘い罠」のメロディも意外でした。ロック的ではない、というと語弊があるかもしれませんが、どこか昭和的な匂いがしました。
HIRO:昭和ですか? なるほど。実は、そういうニュアンスも自覚しています。というのは、もともと昭和の歌謡曲が好きなので。まだロックのロの字も知らない頃、久保田早紀の「異邦人」に浸っている子供だったから。そんな少年がロックに魅せられて、ギターを弾くようになって、バンドを組み、20年近くプロとして活動してきて、今の僕のメロディに到達しているわけで。隠しようのない自分の核が出ているってことです。もっとオシャレなメロディだったり、もっと今っぽいメロディだったりしたほうがウケる、という人がいても、僕が問いかけるのは僕自身です。グッとくる?琴線に触れている?と。作曲も、アレンジも、すべてはそこからです。
──『Gale』により、ソロアーティストHIROの歴史が幕を開けましたが、これからの展望や抱負を聞かせてください。
HIRO:いつか作りたいと思っていたソロアルバムがとうとう完成した嬉しさがあります。でも、これがゴールではないし、集大成でもありません。始まりです。ソロ活動を決めた時点で、ソロアルバムはまずは3部作と公言しているので、すぐにでも2ndアルバムの制作に入りたいくらいです。ひとつ確かなのは、『Gale』を作ったことによって、2ndや3rdのハードルが上がったこと。それくらい『Gale』は自分らしい作品になったと自負しています。同時に、『Gale』を作ったことによって、選択肢が広がったのも事実。可能性も広がりました。
──これからはソロライブも積極的に行う予定ですか?
HIRO:ライブとレコーディングが活動の両輪になれば、と考えています。『Gale』は、世界発売も予定していので、海外でのソロライブの可能性もあります。ソロならではの身軽さで、いろいろな可能性に挑戦したいです。自分にない部分を補い合うバンドも相変わらず好きだし、ソロの醍醐味も覚えつつあるので、どちらか一方に限定するつもりはありません。あるときはバンドの一員、あるときはソロアーティスト、あるときはギタリスト、あるときはメロディメーカー、そのバランスが取れている音楽環境がベストです。
取材・文◎藤井徹貫
■1stソロアルバム『Gale』
01. 漆黒
02. Blood Moon
03. Like the Wind
04. Steppenwolf
05. Dear Phantom
06. 甘い罠
07. Fairies in the Forest
08. Bare Fangs
09. Vanity
10. 穏やかな風
▼1st Album 「Gale」先行販売予約サイトhttp://wardrecords.com/SHOP/GQCS30001.html
■<HIRO 1st Solo Live「Gale」〜the Beginning 〜>
OPEN / 16:00 START / 17:00
feat. SHUSE on Bass / LEVIN on Drums / Special Guest KOJI on Guitar
※SOLD OUT
(問)Zeppライブ 03-5575-5170(平日13:00~17:00)
■La'cryma Christi<KOJI & HIRO Joint Live>
6月17日(土) 表参道GROUND
Open / Start 16:00 / 16:30
\7,500 (tax in / 1Drink別)
一般発売日:5月13日
▼<KOJI&HIRO Joint Live Act 2>
6月22日(木)下北沢GARDEN
Open / Start 18:00 / 18:30
\7,500 (tax in / 1Drink別)
【チケット先行予約サイト】
http://wardrecords.com/SHOP/LC004.html
▼<KOJI&HIRO Joint Live Act 3>
7月22日(土) 大阪ESAKA MUSE
Open / Start 16:00 / 16:30
\7,500 (tax in / 1Drink別)
【最速チケット先行予約サイト(枚数限定)】
http://wardrecords.com/SHOP/LC005.html
▼<KOJI&HIRO Joint Live Act 4>
7月23日(日) 名古屋ell. FITS ALL
Open / Start 16:00 / 16:30
\7,500 (tax in / 1Drink別)
【最速チケット先行予約サイト(枚数限定)】
http://wardrecords.com/SHOP/LC006.html
▼Support Musicians
NATCHIN on Bass
笹渕 啓史 on Drums
(問)Zeppライブ 03-5575-5170(平日13:00~17:00)
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