【インタビュー】ソナーポケット、新作「Rain」はビターな大人の味わいに
デビュー8周年を迎えたソナーポケットが10月26日、ニューシングル「Rain」をリリースする。切なく美しく刺さる本作は、ソナーポケットの真骨頂と言える極上バラード。と同時に、歌詞にもトラックにもメンバー3人の“さらなる進化”が刻印され、彼らが新章を確かに歩き始めたことを告げている。今後の新たな起点になるであろうこの充実作について、また“個人的に思う理想のデートコース”についても直撃。3人にたっぷり語ってもらった。
◆ソナーポケット 個人アーティスト写真
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■「母ちゃん、生んでくれてありがとう!」
■ソナーポケットの世界観をより大人なビターなものに
——まずは9月3日にグアムで行われたスペシャルライヴの感想から伺いたいんですが、やってみていかがでしたか?
ko-dai:400人を超えるファンの方に集まっていただいて、すごく楽しかったです。ただ、海外なのでハプニングもすごかったです(笑)。オープニングでeyeronが第一声のMCをしながら登場するはずだったのが、マイクのスイッチが入ってなかったりとか。
eyeron:しょっぱなから(苦笑)。でもmattyのマイクを借りて何とかなりましたけど。
ko-dai:あと、eyeronのお母さんも来てたんですよ。
eyeron:呼んでないのに来ちゃったという(笑)。
matty:そういう時ってどうなの? “母ちゃんやめろよ”って感じ?
eyeron:“ここにも来やがったな”って(笑)。有名な母ちゃんなんで。
——eyeronさんのお母さん、ソナサポの間で有名な存在なんですね?
matty:そう。“おかサポ”(笑)。
ko-dai:でもeyeronがMCでお母さんに絡んでるのは良かったよね? 「母ちゃん、生んでくれてありがとう!」って言って。
——いい話じゃないですか。
eyeron:いやいやいや、こっぱずかしいです(笑)。それぐらい言わないと収拾つかない感じだったので(照)。まぁでも、いい思い出です。
▲eyeron
ko-dai:他にもハプニングはいくつかありましたけど、すごくアットホームで、初心を思い出させてくれるライヴになりましたね。セットリストも普段歌わない楽曲を入れたり、機材も最小限で演出もなく、照明と歌だけで勝負したので。
eyaron:お客さんとの距離も近かったしね。
matty:そう。そこでのお客さんとのやり取りも日本では感じられない部分が感じられたりして。こういうのを定期的にやりたいなって思いました。それは海外でってことではなく、普段やらないようなところでファンのみんなと一緒にやるのもいいなって。そんなふうに思えた、8周年のいいスタートになりましたね。
ko-dai:ちなみに僕は8周年を迎えた0時ちょうどに、2人にLINEを送ったんですよ。“ここまでやれるとは思わなかったよ”みたいな、結構長文の。
——それもいい話ですね。
eyeron:毎年やってるよね、誕生日とかにも。
matty:うん。でもそういうのって大切だなって思います。俺はどっちかって言うと“言わなくてもわかるだろう”っていうタイプなんですけど、もらって気づくことも多いじゃないですか。だから、いろんなことを気づかせてくれるいいメンバーだなと思います。
——そんないいスタートを切れた8周年のリリース第一弾が今回の「Rain」になりますが、これはメロディも美しくて歌詞も刺さる、極上のバラードですね。
ko-dai:ありがとうございます。この楽曲は前に作ってあった曲のカケラを3人で聴き直したときに“これ出したいね”っていう話になって、そこから詰めていった作品なんです。8周年の最初に出すシングルということで話し合ったのが、ソナーポケットとしての色を出したいねっていうのがひとつと、あと、僕らも大人になってきたので、ソナーポケットの世界観をより大人なビターなものにしようっていう。なので歌詞も、雨をテーマに“雨=涙”っていうふうに表現してるんですけど、単に悲しいだけじゃなく、どこかあたたかい別れの歌を作りたいと思って、成長した大人としての言葉を紡いでいきました。
——“雨”をテーマにしようと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?
ko-dai:それは元々あった曲のカケラのテーマが“雨”だったので。ただ、最初にあった歌詞は悲しいだけの楽曲だったんですよ。でもそれだといつもと変わらなくなっちゃうから、そこを優しい雨にして。“別れた相手がいつか誰かと結ばれたら、そのとき幸せな涙を流すでしょう”っていう想いを間接的に表現したんです。
——サビの“あの涙は流れてやがて空に昇る/いつかまた優しい雨が降る”という表現ですね?
ko-dai:そう。その人と別れたから、その先で出逢えた人がいるだろうし、悲しい涙を流したから、見つけた幸せがあるだろうし。つまり“幸せになってね”という想いを“いつか優しい雨になる”っていう間接的な言葉で表現したんです。そういうところで今までのソナーポケットとはちょっと違う感じが出せたんじゃないかなと思います。
——最後の“これでよかったんだと/水しぶきを上げて鉛色の空の奥へ”というフレーズも、直接的な表現はしていないけどホロ苦い胸中が映像のように伝わってきて、グッと来ました。
ko-dai:歌詞としてはここが一番迷ったところなんですよ。この曲で何を伝えたいのかっていうのをここで表さなきゃいけないと思ったので。ただ“好きだ、愛してた”ってことだけじゃなくて、一区切りつけて次の新しい出会いに向かって進んでいこうっていう決意を、間接的に表現するにはどうすればいいかなと思って。で、雨はいつまでも降るわけじゃないっていうところで、雨雲の向こうに隠れている晴天に向かっていくみたいな、次に進んでいくイメージを表現したんです。
eyeron:今回は歌詞の言葉遣い然り、感情然り、シチュエーション然り、いつもだったらもうちょっと違う書き方をするだろうなっていうところを、あえてこれぐらいの距離感で詰めていって。かなり挑戦だったし、それが新しい感じに繋がったと思いますね。
——サウンドメイクに関してはいかがでしたか? この「Rain」は音が結構シンプルですよね。
matty:そうですね。以前はシングル曲っていうと音数が多くて、2人の書いてくる歌詞の世界観だったりメロディラインを、盛り上げて支えるっていう感じだったんです。でも前回のツアーファイナル、さいたまスーパーアリーナでソナーポケットの第1章が終わって、このシングルから第2章がスタートっていうところで、今回はよりシンプルにいってみようと。そういう部分も改革したら成長した自分達を自然と出せるんじゃないかっていうのが3人の共通認識としてあったんです。ただ、2人が描いている世界観はグループとして変えちゃいけないし、ずっと引き継がれるべきものだと思っているので、トラックがシンプルになったらそれがどう聞こえるだろう?っていう心配もちょっとあったんですよね。でもいざ合体させてみたら、意外にもすごく良かったというか。ソナポケってeyeronとko-dai、2人の紡ぎ出すメロディラインが全然違ったりとか、特有の部分があるじゃないですか。トラックをシンプルにしたことでそこをより鮮明に表現できたので、良かったなと思います。
——このシンプルな音の感じって、聴いていて新鮮でした。
matty:やってる側も新鮮でしたね。今回新しいアレンジャーさんが入ったり、スタッフチームもちょっと変わったりしたんですけど、その中でこういう新しいケミストリーができて。しかもそれがカップリングにも反映されたので、自分達としても“これは第2章のすごく大きな一歩を踏めたな”という思いがあります。
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