【ライブレポート】清春、3年目の9月の岡山。亡き恩人に捧げた<EVERLASTING TRUTHS>

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9月28日、清春が岡山・CRAZY MAMA KINGDOMにて<EVERLASTING TRUTHS>と掲げたライヴを行なった。オフィシャルライブレポートが届いたのでお届けしよう。

◆清春 <EVERLASTING TRUTHS>ライブ画像

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18時45分、照明が消え、SEが流れるステージにサポート・ミュージシャンの三代堅(G)、中村佳嗣(G)、沖山優司(B)、楠瀬拓哉(Dr)と、少し遅れて清春が姿を現した。「Hello!」と清春が一言叫んだのを合図に、オープニングナンバー「予感」の、ザックリとしたロックサウンドが轟く。ギターを弾きながら清春は、艶やかさと強さが同居する声を乗せる。ギュウギュウにひしめくフロアで観客が跳ね、手を天井に向けて伸ばす。

“九月と終わり”……そんな言葉が「予感」という曲には組み込まれている。自身の父親が他界した後に発表された同曲には、季節の巡り、そしてまた9月が来ること。その時間の“輪”の中で忘れない気持ちが綴られている。父親の他界から2年後、同じ9月に清春はもう一つの大きな別れを経験した。デビュー当時から応援してくれた恩人であり友人の編集者・東條雅人 氏の永眠だった。それから清春は、東條 氏の出身地である岡山に、氏の命日に合わせて来続けている。1年、2年目がsadsで、今年がソロで。

このライヴに深い想いがあることを、全てが物語っていた。選曲はもちろん、バンド編成もそうだ。名古屋、東京、大阪と、清春は前日までFC ONLYのライヴをやってきたが、それは、三代堅(G)、中村佳嗣(G)、プラス同期という編成で、大胆にアレンジし直された曲によるライヴは刺激的でインパクトのあるものだった。だがその良き流れに甘んじることなく、この日のためだけにバンドを連れて新構成で清春はライヴに挑み、今、目の前で体の奥底から歌を歌い続ける。「confusion」「club HELL」、数時間前のリハで急遽プレイしたいとセットリストに組み込んだ「JUBILEE」に、「the sun」……立て続けに吐き出されるナンバーは、ズッシリとした響きを持つ。生命力や、沸き上がってくる感情がそのまま音楽に変わって表現されていくように感じる。ベースのまろやかかつ存在感のある音に導かれた「光」。柔らかな清春の歌が乗る。そしてサビに向けて歌とサウンドがクレッシェンドしていく。清春の歌には祈り、願望、その先に見る希望が滲んでいる気がした。

一度目のアンコール。ステージには清春、三代と中村の3人だけが再登場する。12弦アコースティックギターの流麗な響きと、指弾きによるエレキギターの柔らかで澄んだ音色が鳴り、清春の歌は、心に訪れている波そのままを現したかのようにエモーショナルに響く。それは、水を打ったように静まる客席と、空間に吸い込まれていった。

「I LOVE YOU. WE LOVE YOU.」

清春がシャウトした。ファンひとり一人を愛している、そして、会場にいる全ての人が東條氏を愛している、という叫びだった。

“愛”のこもったライヴだった。清春という人間が持つ温もりがダイレクトに音楽に宿っていたライヴだった。清春が音楽を届ける限り、東條氏が生きたこと、そしてその歌を耳にした各々の心に飛来した人が生きたこと、生きていることを、清春自身とメンバー、スタッフ、オーディエンスはリアルに感じ続けられるんだと思う。

ラストの曲、「あの詩を歌って」の後ろに清春は、ファンと自分のライヴでの関係を綴った「涙が溢れる」の最後の一節を付けて歌う。“これを奪うなんて出来ないよね?”。その問いへの応えは、今夜のライヴを体験し、共に魂を揺らした者、全てが同じだっただろう。

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なお、11月7日にリリースされるアルバムのタイトルと同名のリード曲「UNDER THE SUN」が、10月5日放送の『ラジアンリミテッド F』(TOKYO FM/JFN)にて初オンエアされる。

◆VARKS
◆清春 オフィシャルサイト
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