山崎バニラ<活弁大絵巻~ニセモノvsホンモノ~交感ひろば>で、現代の活弁を体感

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「活弁」。正直、これまで縁がないまま過ごしてきました。2012年のアカデミー賞では、サイレント映画『アーティスト』が作品賞を含む最多5部門で受賞。言葉がない映画に触れることも増えそう。

「白石よござりす」のあと、山崎バニラ登場。金髪に袴姿。挨拶のあと、大正琴の弾き語りによる「国士無双」を。この作品は、1932年(昭和7年)に封切られた伊丹十三監督の父上、伊丹万作監督の作品。今回のサブタイトルでもある<ニセモノvsホンモノ>の物語。伊勢伊勢守という侍の本物と偽物のやりとり。2時間以上の作品なのだが、現存するのは23分のみ。そこを補うのが活弁士の技とのこと。難しい話かと思いきやコメディ。かなり笑わせていただきました。これは、彼女の言葉のセレクトの素晴らしさです。80年前の作品に今を入れることで作品はあっという間に、古さが消え鮮明に見えてきます。まさにマジック。
「国士無双」を楽しんだあとは、「活動写真いまむかし」という作品を上映。これも、脚本・編集・音楽・イラストすべてを彼女が手がけたもの。なんと、パソコンまで自作だそう! これにはビックリ。活動写真、活弁士について知識のない私には、本当に勉強になる一本。8000人以上の弁士がいて番付があった時代から、現役活弁士が十数名ほどになってしまった今への時代の移り変わりを知りました。彼女が弁士になったきっかけも。そして、ここで初めて知ることになるのですが、活弁士は自分で脚本を書くということ。つまり、活弁士の思いが作品にも込められるということ。クリエイティブな仕事だと実感した瞬間です。
ここで休憩。

伊藤緑 http://www.midoriito.jp/
◆山崎バニラ・オフィシャルサイト