酒井ミキオ、弾き語りで90年代縛りライブ開催
2011年4月23日(土)、渋谷のライブハウスで行なわれた酒井ミキオのライブ。この日のライブは、1990年代に発売した4枚のアルバムから選曲し行なうという90年代縛りライブ。
90年代に彼が発売した作品は、以下の4枚。
in vogue(1994年3月1日発売)
scene(1994年11月2日発売)
Pieces(1996年4月1日発売)
Little Flowers(1997年12月1日発売)
初期からのファンにはたまらない企画だ。ライブが始まる。透き通るようなピアノの音が流れ、そこに言葉が乗っていく。ラブソングでありメッセージソングのようにも感じる曲「Regrets」。1曲を終えてMC。そこで今回のライブテーマが1990年代の1~4枚目のアルバムに収められた43曲からの選曲とコメント。「懐かしい曲を選んできたので、楽しんでください」と。そしてその“懐かしい”繋がりで「なつかしい想い」を。
ライブを観ながら感じていたのは、1990年代という時代がはらんでいたもの。私と同世代である彼は、1990年代に何を考えていたのか…を探るように曲を聴いていた。そして、同時に自分が1990年代に何を考えていたのかを自答する思いだ。
3曲目に「Two Hearts」を演奏することを告げると、会場から「やったー」の声が。サビがリズムカルで、なんだか恋をしたくなる。さすがラブソング。ちゃんと気持ちを恋へと運んでくれる。そして、続くMCでは、彼が主に自宅プライベートスタジオからUstreamを使って配信している「酒井ミキオの見切り発車!」について。
「生演奏弾き語り、レコーディング、作曲風景、そしておしゃべりなど、枠に捕われない見切り発車な番組?」と説明されている。Ustreamで生中継しながらtwitterでリクエストを募り、その場で演奏することも。そして、今回のライブの曲決めをこの番組内で行なうということも試みた。
20年前には、一般的には使われていなかったインターネット。それは、ここ10年で、急速に人の生活と共存するようになり人と人との関わり方も変わった。そういう時代を、彼はきちんと見据えて、自分の表現方法を探っている。道具に使われるようになってはいけないが、今回の震災では命をも救うこともあったSNSという視点を語った。
続いては、空に逝った人に贈るというテーマの曲「love letter」。そして「Eternity」。20代の頃に書いた言葉に力をもらうということは多々ある。あの頃の向こう見ずな思いだったり、ただただ素直な思いから発生する言葉というのは、大人になりすぎてテクニックを覚えてしまうと、なかなか生まれない言葉だったりもする。言葉のなかに、未来にかける思いが詰まっている、そんな風に思う。そう思うと20代の自分は、今の自分とは別の人格を持つ一人の人間で、20代に書いた楽曲や歌詞を通してもうひとりの自分に出会うことができるというのは、モノ創る人間の特権かもしれないと思う。
気づけば、ライブを楽しみながら人生についてまで考えていた。そして告知。5月29日に渋谷のWasted Timeで開催されるライブは、Ustream配信されるとのこと。また6月22日には、J-POPが好きで自らをJ-Popperと呼んでいる彼の決意ソング「J-Popper」が配信される。これは、iTunesで購入すると、2000年~2005年の間に書かれたブログのなかからの迷言/名言を集めた「30代のつぶやきがいまもボクを支えてる」という酒井ミキオの電子書籍が一緒に購入できる。それについて、彼からの言葉は、「地味だけど精力的に動いていく。ニッチなところで曲を創っていく」とも。
「J-Popper」もそうだが、人が創らないだろう場所を狙いながら、そこに酒井ミキオの色を存分にいれてJ-POPを創る。それが今の彼なのかもしれない。
本編最後は「Little Flowers」。そして、アンコール。候補曲が2曲あると言うと、「両方聴きたい」という声が上がる。しかし、本人が盛り上がる曲で行くと決め、「そして君は自由になる…」を。
自由って言葉は、実はとても難しいのだろうなと思いながら曲を聴いた。人は、自由になりたいと言いつつ、自由になると道に迷うことも多い。そして自由が持つリスクはとても高い。それを知って腹を括ってこそ、本当の自由を手に入れられる。なんて思ったけれど、おそらく20代の私はそんなこと考えていなかったし、自由という言葉はただただ眩しい言葉だったような気がする。
90年代の曲で埋め尽くされたライブ。彼の軌跡を感じながら、時代を、そして、自分を感じた。会場の人たちも、きっと、曲を聴いたときのそれぞれのシチュエーションを思い出しながら聴いていたのだろう。
ライブ後、彼のBlogをチェックすると「今回のテーマは間違っていませんでした。しかしここだけにとどまるつもりはありません。当時の曲を上回る曲を作っているつもりですし、年代ごとに感性は変わっていきます。90年代があって今がある。その両方が僕です」と語っている。UstreamやTwitterなどを積極的に活動に取り入れていく。新しい音楽の在り方にチャレンジしていく彼のこれからが、本当に楽しみだ。
<酒井ミキオ・ライブ 2011年4月23日>
1.Regrets
2.なつかしい想い
3.Two Hearts
4.love letter
5.Eternity
6.Little Flowers
EC.そして君は自由になる…
※ライブ写真は、2011年4月23日のものではありません。
iTunes配信
「この街で」
「10years-Acoustic Guitar & Piano Inst. feat. Mitsuru Araya」
http://itunes.apple.com/jp/album/id429878565
「J-Popper」
2011年6月22日リリース
※iTunesでは、電子書籍「30代のつぶやきがいまもボクを支えてる」とのセット購入で500円
<Melodies of Hope>
2011年5月29日(日)
@Wasted Time(渋谷)
出演:酒井ミキオ、トースケ、RIE、Koh
OPEN/START 18:30/19:00
前売\1,500+2Drink代 当日\2,000+2Drink代
[問]Wasted Time
http://www.wastedtime.jp/index.html
◆酒井ミキオ・オフィシャルサイト
◆酒井ミキオ・オフィシャルブログ
[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/
90年代に彼が発売した作品は、以下の4枚。
in vogue(1994年3月1日発売)
scene(1994年11月2日発売)
Pieces(1996年4月1日発売)
Little Flowers(1997年12月1日発売)
初期からのファンにはたまらない企画だ。ライブが始まる。透き通るようなピアノの音が流れ、そこに言葉が乗っていく。ラブソングでありメッセージソングのようにも感じる曲「Regrets」。1曲を終えてMC。そこで今回のライブテーマが1990年代の1~4枚目のアルバムに収められた43曲からの選曲とコメント。「懐かしい曲を選んできたので、楽しんでください」と。そしてその“懐かしい”繋がりで「なつかしい想い」を。
ライブを観ながら感じていたのは、1990年代という時代がはらんでいたもの。私と同世代である彼は、1990年代に何を考えていたのか…を探るように曲を聴いていた。そして、同時に自分が1990年代に何を考えていたのかを自答する思いだ。
3曲目に「Two Hearts」を演奏することを告げると、会場から「やったー」の声が。サビがリズムカルで、なんだか恋をしたくなる。さすがラブソング。ちゃんと気持ちを恋へと運んでくれる。そして、続くMCでは、彼が主に自宅プライベートスタジオからUstreamを使って配信している「酒井ミキオの見切り発車!」について。
「生演奏弾き語り、レコーディング、作曲風景、そしておしゃべりなど、枠に捕われない見切り発車な番組?」と説明されている。Ustreamで生中継しながらtwitterでリクエストを募り、その場で演奏することも。そして、今回のライブの曲決めをこの番組内で行なうということも試みた。
20年前には、一般的には使われていなかったインターネット。それは、ここ10年で、急速に人の生活と共存するようになり人と人との関わり方も変わった。そういう時代を、彼はきちんと見据えて、自分の表現方法を探っている。道具に使われるようになってはいけないが、今回の震災では命をも救うこともあったSNSという視点を語った。
続いては、空に逝った人に贈るというテーマの曲「love letter」。そして「Eternity」。20代の頃に書いた言葉に力をもらうということは多々ある。あの頃の向こう見ずな思いだったり、ただただ素直な思いから発生する言葉というのは、大人になりすぎてテクニックを覚えてしまうと、なかなか生まれない言葉だったりもする。言葉のなかに、未来にかける思いが詰まっている、そんな風に思う。そう思うと20代の自分は、今の自分とは別の人格を持つ一人の人間で、20代に書いた楽曲や歌詞を通してもうひとりの自分に出会うことができるというのは、モノ創る人間の特権かもしれないと思う。
気づけば、ライブを楽しみながら人生についてまで考えていた。そして告知。5月29日に渋谷のWasted Timeで開催されるライブは、Ustream配信されるとのこと。また6月22日には、J-POPが好きで自らをJ-Popperと呼んでいる彼の決意ソング「J-Popper」が配信される。これは、iTunesで購入すると、2000年~2005年の間に書かれたブログのなかからの迷言/名言を集めた「30代のつぶやきがいまもボクを支えてる」という酒井ミキオの電子書籍が一緒に購入できる。それについて、彼からの言葉は、「地味だけど精力的に動いていく。ニッチなところで曲を創っていく」とも。
「J-Popper」もそうだが、人が創らないだろう場所を狙いながら、そこに酒井ミキオの色を存分にいれてJ-POPを創る。それが今の彼なのかもしれない。
本編最後は「Little Flowers」。そして、アンコール。候補曲が2曲あると言うと、「両方聴きたい」という声が上がる。しかし、本人が盛り上がる曲で行くと決め、「そして君は自由になる…」を。
自由って言葉は、実はとても難しいのだろうなと思いながら曲を聴いた。人は、自由になりたいと言いつつ、自由になると道に迷うことも多い。そして自由が持つリスクはとても高い。それを知って腹を括ってこそ、本当の自由を手に入れられる。なんて思ったけれど、おそらく20代の私はそんなこと考えていなかったし、自由という言葉はただただ眩しい言葉だったような気がする。
90年代の曲で埋め尽くされたライブ。彼の軌跡を感じながら、時代を、そして、自分を感じた。会場の人たちも、きっと、曲を聴いたときのそれぞれのシチュエーションを思い出しながら聴いていたのだろう。
ライブ後、彼のBlogをチェックすると「今回のテーマは間違っていませんでした。しかしここだけにとどまるつもりはありません。当時の曲を上回る曲を作っているつもりですし、年代ごとに感性は変わっていきます。90年代があって今がある。その両方が僕です」と語っている。UstreamやTwitterなどを積極的に活動に取り入れていく。新しい音楽の在り方にチャレンジしていく彼のこれからが、本当に楽しみだ。
<酒井ミキオ・ライブ 2011年4月23日>
1.Regrets
2.なつかしい想い
3.Two Hearts
4.love letter
5.Eternity
6.Little Flowers
EC.そして君は自由になる…
※ライブ写真は、2011年4月23日のものではありません。
iTunes配信
「この街で」
「10years-Acoustic Guitar & Piano Inst. feat. Mitsuru Araya」
http://itunes.apple.com/jp/album/id429878565
「J-Popper」
2011年6月22日リリース
※iTunesでは、電子書籍「30代のつぶやきがいまもボクを支えてる」とのセット購入で500円
<Melodies of Hope>
2011年5月29日(日)
@Wasted Time(渋谷)
出演:酒井ミキオ、トースケ、RIE、Koh
OPEN/START 18:30/19:00
前売\1,500+2Drink代 当日\2,000+2Drink代
[問]Wasted Time
http://www.wastedtime.jp/index.html
◆酒井ミキオ・オフィシャルサイト
◆酒井ミキオ・オフィシャルブログ
[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/