日本全国から殺到、「勝手にデスボイス・コンテスト」結果発表
2011年2月25日(金)~2011年3月28日(月)に開催となった「勝手にデスボイス・コンテスト」の審査が無事終了となった。
◆参照記事「勝手にデスボイス・コンテスト」、スタート
カラオケ「DAM★とも」で簡単に参加できるBARKSカラオケ・コンテストの第一弾として始まった「勝手にデスボイス・コンテスト」は、「音楽を愛し、とにかく楽しく歌う人を心から応援する」というハッピーコンテスト。難しいことは一切なし、音楽を楽しんで楽しみ尽くした人が王者であるというポリシーの元、開催されたものだ。
テーマは文字通り「デスボイス」。強い怒りや悲しみ、痛みや苦しさの感情表現に使われるデスボイスを、クリーンボイスとどのように使い分けるか…、お気に入りの楽曲を最大限リスペクトしながら、まさかのセンスであなたのデスボイスを炸裂していただきたいと願い、コンテストはスタートを切った。
2月25日に応募スタートとなるや否や、日本中からとんでもない声がBARKS編集部に次々と寄せられたではないか。とてもじゃないが体調を整えないと太刀打ちできない極悪なデスボイスが、日本各国津々浦々から響き渡り、ひっそりと潜伏していたとみえるデスボイス・キングとデズボイス・クイーンが、DAM★ともの皮をまとってワラワラと姿を現し始めた。
途切れることなく応募デスボイスはBARKS編集部を飲み込み続け、応募期間のど真ん中で未曾有の天災に見舞われながらも、最終的に数百に及ぶ応募が殺到。デスの堕天使がこれほど日本国に潜在していたとは…予想をはるかに超えた盛り上がりをみせたのDEATH。
一聴してお分かりだと思うが、正直言って決してお上手というわけではない。むしろほとんどの応募者が彼より上手だったりもする。でもなんだろう、この一生懸命さと、デス化したときのはまり具合には、ところどころ神が降りてくる瞬間がある(気がする)。音楽は文字通り、音を楽しむもの。非常階段上り隊さんの歌い上げる様子は、音楽の原点だ!…ということで、痛んだノドをカンロ「ボイスケアのど飴」でいたわっていただきたい。
今回応募された作品は、聴きどころ満載だ。ASS ケーセンさん(栃木県 男 20歳)の歌う●「ガッチャマンの歌(METAL KARAOKE)」は、アニメ・シンガーと下水道ボイスと一瞬デーモン小暮閣下が降臨する、アンビリーバボーな声を聞かせてくれる。暗黒両声類とお呼びしてよろしいか?
●桜高軽音部「Don't say "lazy"(生音)」を歌ってくれたASKING長門さんは、以前からこういう歌い方で遊んでいたというつわもの。アニメ大好きスクリーモ大好き野郎とのことで、忘年会はまかせた。
そして、つんさんの歌う●「アンパンマンのマーチ」…凄いぞ、君の声は。デスボイスを職業にした方がいい。しまいにゃ何を歌ているのかも分からないが、スピリットだけは伝わってくる。いくつかの発声を切り替えながらデスボイスで全編を貫いたところに拍手だ。愛と勇気だけが友達さ。
●「マジンガーZ」を歌った北海道のぞう亀3号さんは、プロフィールによると女性という。いやいや間違いでしょ。もしもこれ、ほんとに女性なら、あなたの声は無形文化財です。ウィキに登録されるべきです。途中で心が折れることもなく歌い切った点も天晴れ。
ところで、今回最も応募が多かったのがDir en greyの作品だった。その中でも目立ったのが●「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」。その全てが真正面からのチャレンジで、デスボイス・コンテストというよりもディル完全コピー大会の形相となった。皆ものすごいレベルでアーティストへのリスペクトと愛情がたっぷりでちょっぴり感動的。そんな中で紹介したいのが、まず夫婦で参加したという東京都のTe2yAさん。なんと素敵な夫婦なんだ。うまくてカッコ良くてスピリチャルだ。子供と一緒に家族対抗デス合戦で、日本一に輝く筆頭株。将来が楽しみなご家族である。
そしてもうひとりは北海道のmatthewさん。多重録音を行ない完成度をグーンと上げての応募だ。こちらはひとりで歌い切る男っぷり。というか、Dir en greyのカバー・バンド演ってほしいんですけど。
奈良県のあしゅらさんの歌う●「おどるポンポコリン」は、冒頭から何を歌っているのか分からないものの、ほとばしるエナジーだけは脳天から打ち込まれてきた。あまりに粘り腰な凄すぎるデス声は、誤って子供が聴くと泣いてしまうので試聴の公開は叶わないが、完成度はともかくも、十分過ぎるエモーショナルさに乾杯。あなたのデスは不思議にハッピーなデスです。歌は人を笑顔にするよ。Bメロのクリーンボイスは一服の清涼剤でした。
●「はじめてのチュウ」を応募してくれたMaR0さんはバンドマンとのことだが、バンドメンバーで参加してくれたのだろうか。ちょっと河村隆一っぽいボーカルと暴力的なデスのカラミが、マキシマムザホルモンをも震わせる明日のJ-ROCKを垣間見せてくれる…のか? 楽しんでいる様子が伝わってくるその姿はバンドマンの原点だ。
最優秀賞を差し上げたい…と心から思ったのは、しめしめウサギさん(兵庫県 女性 22歳)が歌った●KAT-TUNの「Real Face」だ。「Real Face」の6人分の歌唱をひとりで歌うという男っぷり(女性だけど)で、なんとこの曲を5年前からずっとデスボイスで唄ってきたという筋金入りの22歳だ。「歌の上手さやなくて、面白さで勝負やろ!!!??笑いたきゃわーーーらえばいい!!!!!!!!!!」と、歌詞もリスペクト。お見それいたしました。
他、●「凱歌、沈黙が眠る頃」●「Agitated Screams of Maggots」/Dir en grey作品、●「浮遊した理想」/D'espairsRay、●「RIVER」/AKB48、●「ヘビーローテーション」/AKB48、●「スニーカーぶる~す」/近藤真彦あたりを、優秀作品として、下記にてご紹介しておきたい。
もちろん、他にも聴き所満載デスボイスはたくさんあり、ここで紹介しきれないのが残念。Dir en greyを筆頭に、マキシマム ザ ホルモン、アークエネミー、クレイドル・オブ・フィルス、チルドレン・オブ・ボドムなど、本気印満載で応募された作品も多かった。一方で、オリジナリティを追求し、まさかの選曲もたくさん現れた。放課後ティータイム、大塚愛、工藤静香、プリンセスプリンセス、Mr.Children、平井堅…といったレパートリーには、女性のデスボイスが多数炸裂、性別の境界線を完全に乗り越えた極悪作品も続出していた。
老若男女、日本国民にデスのスピリットは満載されていることがよ~く分かった。みんなステキだぜ!これを礎とし、BARKSカラオケ・コンテスト「勝手に×××コンテスト」は勝手に続くのだ。続報をお楽しみに。
「ボイスケアのど飴」とは? 声を使うプロも納得という「ボイスケアのど飴」は、国立音楽大学教授で声楽家の小林一男と同校の学生たちとカンロとの共同開発から誕生したのど飴。新しい「ハーブエキス」の調合には60種類にも及ぶ試作の中から誕生したもの。 開発で最も苦労したのが「おいしさとのバランス」。なめやすいものだと「のどに良さそう」という感覚が薄れ、逆に「効きそうだ」という感覚が強すぎると飴としてのおいしさを失ってしまうのだとか。 ◆参照「国立音楽大学の共同開発『ボイスケアのど飴』は、ボーカリストの強い味方?」 |
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