タワレコがショパンを力いっぱい応援「2010年のショパンイヤーを振り返る」
ショパン応援企画として2010年のショパンイヤーを様々なイベントや企画で盛り立ててきたタワーレコードが、2010年ショパン・イヤーを総振り返り、来る2011年のクラシック・シーンを占ってみた。登場いただくのは、タワーレコードクラシックバイヤーの北村氏&中川氏だ。
◆ショパン関連画像
──ショパン・イヤーの2010年、いかがでしたか?
北村:さすがショパン!という感じで盛り上がりましたね。チャートを振り返ってみると、ユンディ・リやルイサダといったショパン・コンクールに関連するピアニストをはじめとする様々なピアニストによる新録音や、過去の埋もれてしまっていた名盤の復刻、そして辻井伸行さんもショパン・アルバムをリリースしてベストセラーとなりましたが、ジャズやヒーリングなどクラシック以外のアーティストがショパンを演奏した作品が多く、しかも売れたという印象。ショパンという、みんながメロディーを知っている、ある意味キャッチーな作曲家だからこその現象でしょうか。ジャズ・ピアニスト小曽根真の『ロード・トゥ・ショパン』、キューバ音楽にアレンジしたKlazz Brothersの『Chopin Lounge』とか、ショパン応援隊長の藤澤ノリマサさんも。
中川:きれいなメロディラインがどのジャンルにも柔軟にはまりやすいんでしょうね。
北村:また毎年恒例のクラシックのお祭り<ラ・フォル・ジュルネ>入場者数も2010年は東京だけで80万人を越え、クラシックへの抵抗がなくなってきているところへのショパン・イヤーというのはいいタイミングだったかな、と思います。
──2011年のクラシック注目トピックは?
中川:まずは小澤征爾でしょう!先日のカーネギーホールでのライブ盤『小澤&サイトウ・キネン~奇蹟のニューヨーク・ライヴ』が1月26日にリリースされます。病気療養からの完全復活、NY聴衆も大喝采したというステージですから、これははずせないですね。タワーレコード店頭でも関連商品と共に多いに盛り上げる予定です。
北村:そして2011年は、オペライヤー到来?…というのも2011年6月には世界からスター歌手たちが集まるニューヨークのドリーム・オペラ「メトロポリタン・オペラ(MET)」が始まるので、期待も膨らみます。また、先日発売された「のだめカンタービレ」の最終巻が“オペラ編”だったのも2011年のオペライヤーを予見させるようなトピックですが。
──それは楽しみですね。
北村:ちなみに、近頃のオペラ歌手はイケメン揃いです。代表格はドイツ出身の正統派テノールとして、欧米で絶大な人気を誇るヨナス・カウフマン。セクシーなルックスに、ドニゼッティからヴェルディ、プッチーニまで驚異的なレパートリーを誇り、ここ数年間で世界的歌手に登りつめたアーティスト。すでにオペラ界ではヨン様的存在なのでは?女性でいえば、ロシアの妖精アンナ・ネトレプコ。出演する舞台には過激なチケット争奪戦が起こるほど影響力が強い歌手で、このオペラ界きってのスーパースターも来日しますからね。
中川:いきなりオペラはちょっと手を出しにくい…なんて方には、世界各地の有名オペラハウスやバレエ団から選りすぐりのクラシック作品が、日本全国の映画館のスクリーンに2011年1月より上映される『ワールドクラシック@シネマ』や、ニューヨーク・メトロポリタン・オペラ(MET)の最新の舞台を、高画質&サラウンド・サウンドで映画館に配信する「METライブビューイング」などがありますから。舞台はもちろん、バックステージやスター歌手へのインタビューなども用意されている。おまけに日本語字幕付き。まずリーズナブルにここから楽しむのはありだと思いますよ。
──2010年に続き、2011年もアニバーサリー&メモリアルな年になりそうですか?
北村:2011年はリスト生誕200年です。先日も浅田真央さんが全日本選手権のフリーで使用した「愛の夢」もリストの作曲ですよね。2010年が生誕150周年だったマーラーは、2011年は没後100年。あとは『ゴッドファーザー』「愛のテーマ」のニーノ・ロータ生誕100周年…。こう並べると、若干重いような気もしますが、イメージとしては温泉の足湯から一気に2011年はどっぷり肩までつかるような感じでしょうか(笑)。重厚長大型となるのでやや時代に逆行しているような気もしますが、そういう音楽の楽しみもありかなと思います。タワーレコードとしては、2011年は日本での「オペラ元年」と後に言われるくらいの取り組みをしたいと考えています。
2010年のショパンに続き、オペラ、リストのブレイクなるか。クラシックシーンも楽しみな2011年になりそうだ。
タワーレコード・ショパン関連タイトルBEST5(集計期間:2010年3月2日~11月30日)
1.辻井伸行 『マイ・フェィバリット・ショパン』
2.小曽根真 『ロード・トゥ・ショパン』
3.V.A. 『ショパン・スペシャル』(タワーレコード限定)
4.辻井伸行 『Chopin: Piano Concerto No.1 Op.11, Berceuse Op.57, 12 Etudes Op.10 』
5.Martha Argerich 『Chopin Piano Works』
◆小澤 征爾『小澤&サイトウ・キネン~奇蹟のニューヨーク・ライヴ』
◆ヨナス・カウフマン『情熱のテノール~カウフマン・ヴェリズモ・アリアス』
◆『夜のしじまに~アンナ・ネトレプコ&ダニエル・バレンボイム』
◆ワールドクラシック・シネマ・オフィシャルサイト
◆METライブビューイング・オフィシャルサイト
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