LOUDNESS二井原実インタビュー[前編]「ハイトーンはしんどいですよ。でも、やっぱり僕の良さはそこにあると思うから」
去る6月に前編/後編に分けてお届けした高崎晃のロング・インタビューはご好評をいただいたが、今回は同様にして、二井原実とのインタビューをお届けする。この2ヵ月の時間経過のなかで、<CLASSIC LOUDNESS WORLD TOUR:LIGHTNING STRIKES 2010 IN JAPAN>は幕を閉じ、欧州ツアーも終了。8月21には<JACK IN THE BOX SUMMER 2010>のステージに登場し、まさに幕張メッセを激震させていたりもする。そしてこの11月14日には、東京・渋谷C.C.Lemon Hallでの<EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI 2010>の開催も決定。この公演が何を意味するのかは、改めて説明するまでもないだろう。
◆二井原実画像
二井原との会話は、5月に発売された現時点での最新アルバム『KING OF PAIN 因果応報』に関することを軸としながら、彼自身の人生観、ヴォーカリストとしての価値観に関わる話題にまで及んだ。まずはその「前編」をお楽しみいただきたい。「後編」についても、ごく近いうちにお届けすることをお約束しておく。
――『KING OF PAIN 因果応報』は、いわゆるギター・ソロというものがほぼ不在のアルバムでした。そういった作品にしたいという話は、高崎さんから事前に出ていたんですか?
二井原:本人は確かに言ってましたね。アルバム全体としてということじゃなく、「ソロのない曲があってもいいんじゃないか」ということを。僕としては結構ビックリでしたよ。だってVAN HALENの曲にギター・ソロがないようなもんじゃないですか。ただ、よくよく考えてみると、エリック・クラプトンにもそういうところはあるし、実際そういうギタリストもいないわけじゃない。しかも元々、高崎君はソロもすごいけど、バッキングのリフの強烈さで聴かせる人でもあるわけで。ただ、それでもそういう言葉を聞いたときは、違和感こそないものの「大胆なことを言うなあ」と思いましたよ。
――プレイヤーとして何かしらの“縛り”があるほうが楽しい、ということを言う人がときどきいます。ヴォーカリストの場合にもそういう部分はあるんでしょうか?
二井原:いや、僕の場合、それは辛いかもしれない。たとえばハイトーンを使わないでくれとか、英語は使わないでくれとか、ラヴソングは駄目だとか…仮にそういった“縛り”があったなら、かなり自分としてはキビしいですね。あんまり器用な人間じゃないんで(笑)。そこはやっぱり、自由であるに越したことはない。基本的にみんな、やりたいようにやればいいと思っているんで。
――二井原さん自身、今作では自由に取り組めたわけですね?
二井原:ええ。ただ最初のうち、高崎君からいくつかリクエストがあったんです。「できれば歌詞にあまり言葉を詰め込まないで、必要最小限の言葉を並べるような感じのアプローチで」とか。
――それに応えようとすると、吐き捨てるような歌い方になるか、もしくは…
二井原:朗読みたいになるか。どちらにせよ、いわゆる“歌い上げる感じ”にはなりにくいわけですよ。結果的に、彼が持ってきた曲は、そういった感じの歌が乗るようなものではなかったんですけど、彼が言わんとしたことは、なんとなくわかっていて。
――歌詞を物語として綴るというよりも、象徴的な言葉を投げかけるようなアプローチというか。そういうものを求めていたんですかね?
二井原:まさに。ある意味THE DOORS的な、詩的な歌詞のあり方というか。限定的なストーリーを描くんではなくて、イメージがさまざまに膨らんでいくような、キーワード的なものをちりばめるかのような。そういう作風を求めていたんだと思います。で、あともうひとつ提示されたのが、実は“HELL”というキーワードだったんです。“地獄”というものをテーマにサウンドを作りたい、と本人が言ってきて。「ということは、歌詞も地獄について書くべきなの?」と訊いたら、「できればそうして欲しい」と。ただ、僕としては、1~2曲ならまだしも、アルバムの全曲で地獄のことを歌うのには無理があって。そんなに地獄が好きなわけでもないし、地獄に関する造詣が深いわけでもないですからね(笑)。結果、そこのところは彼も納得してくれたんですけど。
――そのテーマを意識しつつも、そこに沿うものばかりを書いたわけではない、と?
◆二井原実画像
二井原との会話は、5月に発売された現時点での最新アルバム『KING OF PAIN 因果応報』に関することを軸としながら、彼自身の人生観、ヴォーカリストとしての価値観に関わる話題にまで及んだ。まずはその「前編」をお楽しみいただきたい。「後編」についても、ごく近いうちにお届けすることをお約束しておく。
――『KING OF PAIN 因果応報』は、いわゆるギター・ソロというものがほぼ不在のアルバムでした。そういった作品にしたいという話は、高崎さんから事前に出ていたんですか?
二井原:本人は確かに言ってましたね。アルバム全体としてということじゃなく、「ソロのない曲があってもいいんじゃないか」ということを。僕としては結構ビックリでしたよ。だってVAN HALENの曲にギター・ソロがないようなもんじゃないですか。ただ、よくよく考えてみると、エリック・クラプトンにもそういうところはあるし、実際そういうギタリストもいないわけじゃない。しかも元々、高崎君はソロもすごいけど、バッキングのリフの強烈さで聴かせる人でもあるわけで。ただ、それでもそういう言葉を聞いたときは、違和感こそないものの「大胆なことを言うなあ」と思いましたよ。
――プレイヤーとして何かしらの“縛り”があるほうが楽しい、ということを言う人がときどきいます。ヴォーカリストの場合にもそういう部分はあるんでしょうか?
二井原:いや、僕の場合、それは辛いかもしれない。たとえばハイトーンを使わないでくれとか、英語は使わないでくれとか、ラヴソングは駄目だとか…仮にそういった“縛り”があったなら、かなり自分としてはキビしいですね。あんまり器用な人間じゃないんで(笑)。そこはやっぱり、自由であるに越したことはない。基本的にみんな、やりたいようにやればいいと思っているんで。
――二井原さん自身、今作では自由に取り組めたわけですね?
二井原:ええ。ただ最初のうち、高崎君からいくつかリクエストがあったんです。「できれば歌詞にあまり言葉を詰め込まないで、必要最小限の言葉を並べるような感じのアプローチで」とか。
――それに応えようとすると、吐き捨てるような歌い方になるか、もしくは…
二井原:朗読みたいになるか。どちらにせよ、いわゆる“歌い上げる感じ”にはなりにくいわけですよ。結果的に、彼が持ってきた曲は、そういった感じの歌が乗るようなものではなかったんですけど、彼が言わんとしたことは、なんとなくわかっていて。
――歌詞を物語として綴るというよりも、象徴的な言葉を投げかけるようなアプローチというか。そういうものを求めていたんですかね?
二井原:まさに。ある意味THE DOORS的な、詩的な歌詞のあり方というか。限定的なストーリーを描くんではなくて、イメージがさまざまに膨らんでいくような、キーワード的なものをちりばめるかのような。そういう作風を求めていたんだと思います。で、あともうひとつ提示されたのが、実は“HELL”というキーワードだったんです。“地獄”というものをテーマにサウンドを作りたい、と本人が言ってきて。「ということは、歌詞も地獄について書くべきなの?」と訊いたら、「できればそうして欲しい」と。ただ、僕としては、1~2曲ならまだしも、アルバムの全曲で地獄のことを歌うのには無理があって。そんなに地獄が好きなわけでもないし、地獄に関する造詣が深いわけでもないですからね(笑)。結果、そこのところは彼も納得してくれたんですけど。
――そのテーマを意識しつつも、そこに沿うものばかりを書いたわけではない、と?
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