人気声優がカヴァー、“萌死”確実なパンクコンピ

◆『パンコレ』参加声優のフォトアルバム
池澤春菜、門脇舞以、後藤邑子、清水香里、田中理恵、桃井はるこなどなど、日本を代表する声優陣が、グリーン・デイやオフスプリング、セックス・ピストルズ、クラッシュ、ラモーンズ、ニルヴァーナといったバンドが放ったパンクの名曲をカヴァーしたこの『パンコレ』。1970年に巻き起こったパンクムーヴメントが与えた衝撃とはまったく異なったベクトルながら、勝るとも劣らない強烈なインパクトを持っていることだけは保証しよう。
と、ここまでを読んだところで、生粋のパンクファンは気分を害したかもしれない。しかし音も聴いていないのにそんな気分になるのはいかがなものか。“イロモノ”という判断を下してしまうにはまだ早い。というのも、このコンピ盤の音を制作しているのは、あのフリーウィル。元RENTRER EN SOIの瞬、未架、匠、元Ruvieの燕、一樹、優といったミュージシャンをそろえて作られたサウンドは、スタジオミュージシャンによって作られたお仕事のそれとは一線を画している。
◆『パンコレ』全曲試聴
桃井はるこが萌え声で “セックス!” “バイオレンス!” とひたすらに連呼する「Sex and Violence」(エクスプロイデッド)から始まるこのアルバム。そこには“反体制”や“反権力”の欠片も感じないが、世に迎合しないこのはみ出しっぷりは、パンクの持つそれと同ベクトルだ。このぶっ飛びようをパンクと表現するわけにはいかないものの、一聴して腰を砕けさせるその破壊力はパンキッシュだ。門脇舞以の歌うオフスプリングの「Pretty Fly(For A White Guy)」は、ともすれば “変な声が出ちゃってるんじゃないか?” とさえ思ってしまうかもしれないが、それもまた危険なニューウェイブと同等の匂いである。「Anarchy In The UK」をゆったりとしたバラードに仕立て上げてしまうセンスなどは、もはや不可触領域への白い暴動である。
そもそも、アニメ『ローゼンメイデン』の水銀燈や、『ケロロ軍曹』の西澤桃華がピストルズの「Anarchy In The UK」や「God Save The Queen」を歌ったりと(厳密のそのキャラクターが歌っているわけではないが)、パンクの刺々しさがすべて抜け落ち、変わりに萌え萌えしさが大量にプラスされている『パンコレ』。この作品が、若き青少年達に音楽の初期衝動を強烈な形で与えてしまうとするならば、若きオーディエンスにとってこの作品こそ、2009年に放たれた本当に意味でのパンクな1枚となり得るだろう。
4月には最強のパンクフェス<PUNKSPRING 09>の開催を控え、これから熱気を帯びるパンクシーン。生粋のパンク野郎たちはこのアルバムを聴いて“萌え”の感情を育むもよし、『パンコレ』を聴いてからパンクに興味を持ったという大きなお友達は、この機会にパンクシーンにモッシュダイブを決めるもよしだ。
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