東京事変、2ndと新メンバーでの顔見世ライヴ武道館レポ!

アルバム作品での歌唱、演奏、アレンジといった完成度の高い、作り込まれた世界観は、ライヴでどう表現されるのか? 新メンバーの演奏は? 期待の高まる今回のライヴ。「男と女」を出囃子に薄明かりの中メンバーが登場すると、武道館独特のすり鉢状の会場に満場の観客から大歓声が響き渡る。オープニング・ナンバーの「葬列」が始まると武道館中すでに総立ち。さらに、そんな異様な盛り上がりを見せる雰囲気の中、数十人以上という制服姿の杉並児童合唱団がステージへ。美しいコーラスを響かせてくれるのだが、のっけから度肝を抜く展開だ。「群青日和」ではオルガンをバックにアカペラ風の歌い出し。サビでは杉並児童合唱団のコーラスと意表を突くアレンジ。「歌舞伎」では拡声器を使ったパフォーマンスと曲ごとに多彩な演出。
しかし、「スーパースター」や「化粧直し」では歌詞のはっきりと聞き取れるミディアムやスローで“大人”の女性の気持ちを歌うなど、“大人の女”である椎名林檎の新たな魅力も表現されていた。

北エリアはシートで覆い閉鎖され、通常の武道館コンサートよりはややコンパクトに作りこまれた会場は、アリーナだけでなく、スタンド席からもステージとミュージシャンの表情まではっきり見え、濃密な体験を共有することができた。巻き舌で扇情的に歌い上げるというよりは、歌詞や演奏も含めて、アルバムのタイトル通りまさに「大人」のコンサート。演奏面では新メンバーも含め、東京事変のバンドとしてのまとまりを感じることができた。何より、ヴォーカリスト椎名林檎の表現力には圧倒されるものがあった。恐らく、メンバー本人たちにとっても、満足のいくステージだったのではないだろうか。
<東京事変 DOMESTIC! VirginLINE> 06.02.19日本武道館
01. 葬列
02. 群青日和
03. 虚言症
04. 歌舞伎
05. 化粧直し
06. 丸の内サディスティック
07. スーパースター
08. サービス
09. 喧嘩上等
10. ブラックアウト
11. 夢のあと
12. 母国情緒
13. 修羅場
14. 秘密
15. 手紙
16. 透明人間
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