【ライブレポート】BabyKingdom、「幸せはみんなの中にあります」

誰もが欲しがる一方、どこかあやふやな面もある“幸せ”という概念。BabyKingdomが今春に発表した新アトラクション(最新シングル)「ハピネのかくれんぼ」は、まさに人々がつい見失いがちな“幸せ”についてファンタジックに描いた傑作であったと言えるだろう。
忙殺されたり、悲しみに溺れてしまったり、迷いや葛藤に呑み込まれてしまったり。心理的な治安が乱れ始めると、人はいとも簡単に幸せの姿を見失ってしまう。BabyKingdomは、深い森の中に棲む妖精・ハピネを物語の主人公に据えるかたちでそうした様子を“かくれんぼ”と表現してみせたのである。

題して<spring oneman tour FINAL『FOREST FANTASIA』>。10年前に始動して以来MUSIC THEME PARKを標榜してきたBabyKingdomは、新アトラクション「ハピネのかくれんぼ」を軸とした今ツアーでも各メンバーが適材適所なキャラクターを演じていくかたちをとっており、フロントマン・咲吾(Vo)は鹿の角を生やした妖精、志記(G)は狩人、虎丸(Dr)は森の泉を護っている神様、もにょ(B)は狼の上顎と下顎で挟まれた“狼に食べられたもにょ”を模したスタイルにて、それぞれに颯爽とステージへ登場。まずは新アトラクション「ハピネのかくれんぼ」から表題曲を演奏することで、今宵のライブをスタートさせることに。
音楽的な面からいっても「ハピネのかくれんぼ」という楽曲は森を意識した作品となっていて、もともと森の中で暮らしていたケルト民族の生み出したケルト音楽の要素をふんだんに取り入れつつ、小気味よいリズムと軽快なバンドサウンドが受け手の内面に心地よいそよ風を吹き込んでくれるような雰囲気がたっぷり。そして、妖精・ハピネが歌いかけてくる〈足元にある幸せを踏みならせ〉というポジティヴな言葉は、このライブの場でも力強く響きわたりだしていった。

ちなみに、先だっての「ハピネのかくれんぼ」に関するインタビューにおいては志記が「ヴィジュアル系という枠組みの中だとマイナーチューニングの曲ってカッコ良さを出しやすいところがあるんですよ。でも、僕の個人的な見解としてはBabyKingdomの大きな強みって、むしろメジャーチューンの曲をこのバンドらしくやれるところにあるとも思っているんです」と語っていたのだが。彼らがその言葉どおり、優しいあたたかみにあふれた音でバブリーズと称されるBabyKingdomのファンをあらためて魅了していくことになったのは言わずもがな。
なお、森を舞台とした物語としてはグリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』のことも多少なりとも意識していたという「ハピネのかくれんぼ」に対して、この夜の2曲目として演奏された「ネバーランド」はインタビューでの咲吾の発言によると“Forest Fantasiaにある別アトラクションとして『ピーター・パン』をテーマにして作ったもの”であるとのこと。虎丸の刻む躍動感あふれるリズムに、もにょの弾く歌うようなベースライン、志記がタッピングを駆使しながら醸し出すキラめきのギターフレーズ、咲吾の爽快感を漂わせた歌が重なることで、トキメキをたっぷりと感じさせるロックチューンがこれまたばぶりーずを沸かせることになった次第だ。
また、コアファン向けのディープな楽しみ方としてはこれに続いて2017年に発表された「ライドンザ・ビーチ」が奏でられたシーンも重要ポイントで、実はこの曲のリズムは「ハピネのかくれんぼ」のイントロでセルフオマージュとして使われたものでもあったそう。BabyKingdomの提示するエンタテインメントは初心者なども含めて誰しもにとって親しみやすいものである反面、細かいところまでディグっていくとかなり深いところまでハマれる沼としての面も持っているところが面白い。

さらに、今回のライブでは前半戦において「ハピネのかくれんぼ」に収録されているカップリング曲「FILMING」も披露され、ここでは古のミュージカル映画を彷彿とさせるようなサウンドアプローチと、BabyKingdomならではのバンドサウンドを融合させたマジカルな音で、オーディエンスをもれなく笑顔にさせていたのも流石の手腕。
もちろん最新楽曲たちのみならず、来たる7月に10周年を迎えることを踏まえてか「大阪ちんぷんかんぷんROCK」や「チョコレートキャディパンチ」「恐竜賛歌DINOBOY」など多彩な楽曲も披露。
このあと本編終盤ではカントリー調の「威風堂々」や、エキゾチックな旋律が映えていた「アンクドファラオ」などを経て、最後にはバブリーズたちが見事な横モッシュの波をホール内に生み出し、ハッピーな波動が場内に波及していった「HeartBeat」でひとつの大団円を迎えたのちに、咲吾が最後に発したのは以下の言葉だった。
「幸せはみんなの中にあります。みんなはもう自分で持ってるんです。そして、今そこに笑顔でいられていること。それが幸せなんだと僕は思ってます。これからも一緒に笑顔を作っていけるように、楽しく笑いあえるように、みんなのことを引っ張っていくので、どうぞよろしくお願いします!」(咲吾)
幸せへの近道があるとするならば。それは必死で探しだしたり、無理やり見つけ出すものではなく、むしろ既に自分の中にあることに気付くことで得られるものなのだ、と咲吾は語ってくれたに違いない。その真理を求めていくための旅路が<spring oneman tour FINAL『FOREST FANTASIA』>そのものであった、とも考えられる。
それゆえ、ばぶりーずたちによる「延長営業(アンコール)!」という盛大なコールが沸き起こる中で上映が始まった今後に向けての告知映像では、6月24日に発表される新アトラクション「ROYAL×FLASH」にまつわるMV撮影の模様がいちはやく公開され、BabyKingdomが今度はポーカーゲームをテーマにした世界を描いていくことが明示された。配役的には咲吾がキング、志記がジャック、もにょがエース、虎丸がクイーンを体現していくことになるという。

「7月26日に10周年を迎えるタイミングを前にして、6月24日に発表する新アトラクション『ROYAL×FLASH』はポーカーがテーマになっています。ロイヤルストレートフラッシュっていうのは本来KQJA10っていうトランプのカード5枚で成り立つものなので、10周年を意味する10のカードはみなさんに担当してもらうことにしました。みんなと一緒に作りあげてきた10年、というものを意識して作ったのが『ROYAL×FLASH』なんです。あと、カップリングにはみなさん御存知の「願い星」という楽曲も初音源化して入ることになりますので、そちらもぜひ楽しみにしていてください!」(咲吾)
ということで、ここからの延長営業では「ALPHA来夜」からラストの「ぱらでーしょん☆彡」まで、曲調こそ違えどいずれもハイテンションかつフルスロットルな状態でステージ上とフロアがひたすらブチ上がり、それこそ10周年の節目へと向けた怪気炎をここであげたと言っても過言ではなかった。

新アトラクション発表の翌日・6月25日から始まる10周年記念 <oneman tour[IT’S MY TURN]>のファイナルとして控えている7月26日のOSAKA MUSE公演でも、必ずやBabyKingdomはエキサイティングにして完成度の高いMUSIC THEME PARKぶりを発揮してくれることだろう。くわえて、今回のツアーを通して彼らが全国に振り撒いてきた幸せの種たちはこれからもさまざまな場所、さまざまなかたちで芽吹き続けていくものと信じて疑わない。BabyKingdomがここから展開していくハッピーなターンに対しては、我々としてもオールインのスタンスで臨んだ方が良さそうだ。
取材・文◎杉江由紀
撮影◎菅沼剛弘
22nd maxi single「ROYAL×FLASH」
2026年6月24日(水)2type release
インストアイベント
6月24日(水)中野 SPACE Q
6月27日(土)littleHEARTS.大阪店
7月5日(日)littleHEARTS.東京店
7月9日(日)名古屋 fiveStars
<BabyKingdom 10周年記念 oneman tour『IT’S MY TURN』>
2026年
6月25日(木)高田馬場 CLUB PHASE
6月28日(日)神戸 太陽と虎
7月4日(土)西川口 Hearts
7月11日(土)富山 SOUL POWER
7月12日(日)金沢 GOLD CREEK
7月18日(土)浜松 FORCE
7月20日(月祝)HOLIDAY NEXT NAGOYA
TOUR FINAL
7月26日(日)OSAKA MUSE
開場・開演時間
平日【開場 / 開演】17:30 / 18:00
土日祝日【開場 / 開演】16:30 / 17:00
チケット情報
【一般発売】2026年6月15日(月)12:00〜
<2026 七夕ワンマンライブ 『願い星』>
【日程】2026年7月7日(火)
【会場】池袋 EDGE
【開場 / 開演】17:30 / 18:00
【前売 / 当日】¥5,500/¥6,000(税込)※Drink 代別
【e+プレオーダー】2026年5月28日(木)12:00 ~ 6月4日(木)23:59
【一般発売】2026年6月15日(月)12:00〜
<咲吾バースデーワンマンライブ『咲吾生誕祭〜ワガママ王子のお遊戯会 2026〜』>
【日程】2026年7月31日(金)
【会場】渋谷 Spotify O-WEST
【開場 / 開演】17:30 / 18:00
【前売 / 当日】¥5,500/¥6,000(税込)※Drink 代別
【一般発売】2026年6月15日(月)12:00〜
購入ページURL https://eplus.jp/sf/detail/2793070001-P0030109P021001?P1=1221
<熊谷きらりワンマンライブ『REBIRTH』>
2026年08月01日(土)
会場:日本橋PACMAN
OPEN 18:00 /START 18:30
制作/主催:BabyKingdom
お問い合わせ先:日本橋PACMAN TEL:03-6260-9526
<激レア女装ライブ『熊谷でオカマっちゃいな!?2026』>
2026年08月29日(土)
会場:HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1
OPEN 16:30 /START 17:00
チケット発売 e+
購入ページURL https://eplus.jp/sf/word/0000059431
【前売/当日】前売¥5,500 当日¥6,000
【プレオーダー(Aチケット)】2026/7/1(水)12:00〜7/8(水)23:59
【一般発売(B,Cチケット)】2026/7/22(水)12:00~
※Cチケットはペアチケット 制作/主催:GUEST 俄然風太 / BabyKingdom
お問い合わせ先:HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1 TEL:048-524-4100
<志記生誕祭『~アイアムギターヒーロー2026~Jack of tales』>
2026年09月21日(月祝)
会場:赤羽ReNY alpha
OPEN 16:30 /START 17:00
チケット発売 e+
購入ページURL https://eplus.jp/sf/word/0000059431
【前売/当日】前売¥5,500 当日¥6,000
【プレオーダー】2026/7/1(水)12:00〜7/8(水)23:59
【一般発売】2026/7/22(水)12:00~
【入場順】
制作/主催:BabyKingdom
お問い合わせ先:赤羽ReNY alpha TEL:03-6903-9020







