【インタビュー】ロックからジャズ、そしてR&Bへ…VivaOlaが辿り着いた自分らしい音楽

今、世界から注目されている日本のアーティストをゲストに招き、たっぷりと話を聞いていくというミュージックプログラムが、ラジオ番組interfm「TOKYO MUSIC RADAR」だ。
番組を進行し、アーティストとフランクながらも深い音楽談義を繰り広げるのが、MCを務めるNagie Laneのmikakoで、今回はmikakoと同様に複数の言語を操るというR&BシンガーのVivaOla(ヴィヴァオラ)をゲストに迎えての番組となった。
東京を拠点に、ワールドワイドな視点で活躍するVivaOlaは、洗練された音像と英語と日本語を織り交ぜた歌詞、一聴して弾き込まれる唯一無二の歌声で、アジアを代表するアーティストのひとりとして注目を集めているシンガーソングライターだ。
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──(mikako)VivaOlaというお名前は、どうやって付けられた名前なんですか?
VivaOla:そもそも昔からゲームがめっちゃ好きで、中学生の時にハマってたのはやっぱオンライン系だったんですね。「みんなで一緒にやろう」みたいな。で、そこでハンドルネームがあるじゃないですか。それがVivaOlaでした。
──(mikako)その時の名前なんですね。
VivaOla:ノリで友達も変な名前にしてて、で、その子と「アーティストやるんだよね」みたいな話をしていて、「こういう名前にしようと思うんだ」っていろいろ言っていたんだけど、「ダセえよ」「お前考えすぎだよ」みたいになって(笑)、で「あん時のVivaOlaとか良かったじゃん」って言われて、「じゃあそれにするわ」と。
──(mikako)友人からのヒントというか助言から。
VivaOla:そうですね、理解してくれているから。その時に考えていた名前が今見返すと全部めちゃくちゃダサくて、危なかったです(笑)。
──(mikako)例えばどんな名前が?
VivaOla:…いや、それはちょっとやめましょう。VivaOlaが1番いいと思います(笑)。

──(mikako)そんなVivaOlaさんは多文化的なアイデンティティを持っていて、日本語と英語を織り交ぜたり、たまに韓国語も入っていたりしますけど、ご出身は韓国なんですよね?
VivaOla:生まれはソウルです。そもそも両親が日本に住んでいて、出産のときだけ韓国に戻って、その後すぐ戻ってきたので、自意識を持った頃は日本人だと思っていました。ただ、父と母のことをアッパ/オンマって小学校で言っちゃって、その時に韓国人だと気付いたんです。当時はみんなパパ/ママって言うから、それに合わせてパパ/ママと言ったりもしていましたけど、でも大人になってからは逆にアッパ/オンマって言ってます。なんか頑張んない方がいいやと思って。
──(mikako)逆に素敵ですね。
VivaOla:両親は日本語をペラペラと喋っちゃうから、アッパとオンマだけ韓国語でそれ以外は日本語だったんですよ。
──音楽をやろうと思ったルーツは?
VivaOla:韓国人というか「東アジア人あるある」ですけど、英才教育として子どもに英会話教室に行かせたりピアノかバイオリンをやらせるじゃないですか。これが東アジア人っぽいなと思ってて、その影響でピアノをさせられたんです。あの時はピアノはやりたくなかったんですけど、中学生になった時にロックに出会ってしまって、「なんでピアノやってたんだ」「ギターやればよかったじゃん」って親にめちゃくちゃ言ったら、親がギターを買ってくれて、そこから始まったんです。
──(mikako)エレキですか?
VivaOla:そうです。最初はエモ系。リンキン・パークとかブリンク182とか、日本だと初期の頃のONE OK ROCKとか。CDに付けて販売されていたミュージック・ビデオをYouTubeにどんどんアップしちゃうアーティストが増えてきた頃ですね。ONE OK ROCKもそうだったし、海外の人もそうだったし、同じ事務所の人で言うとサカナクションとかも多分そう。自分は完全にそれの影響ですね。YouTubeで面白い動画とか見てたらかっこいいバンドを見つけちゃった、みたいな。
──(mikako)わかります。私もそうでしたから。
VivaOla:アルゴリズムの子供ですね。で、どんどん古いロックを聴いていって、ソウルとかブルースとかその流れでブラック・ミュージックにハマって、同じ時期に高校でジャズにはまっちゃって、それでまたR&Bとかモータウンとか。
──(mikako)辿るのが好きだったんですね。
VivaOla:そうなんですよ、多分、元々歴史が好きでハマっちゃって。でも、クラシックだけはちょっとわかんなかった(笑)。
──(mikako)ロックから辿っていって、最終的にR&Bに行き着いたのはなぜだったんでしょう。
VivaOla:そうですよね、この質問って結構訊かれるんですけど、多分アーティスト/ミュージシャンの方って、色んな音楽に触れて行くと思うんです。けど、いろんな音楽をいっぱい作った結果、R&Bが1番好きだったということだと思います。例えばヒップホップはプレイするよりリスナーである方が好きで、ラップはしてもヒップホップはできないなって思ったり、R&Bはそれの逆で、これは「やっててすごい楽しいな」とか「深く関わりたいな」みたいなところでした。
──(mikako)R&Bと共鳴した部分があったんですね。
VivaOla:そうですね、消去法みたいなのもあるかもしれない。それこそジャズもめっちゃ好きだけど、結構厳しい世界だと思って「プレイヤーにはなりたくないな」って思った。
──(mikako)きちんと知り尽くしていったからこそ、ご自身を俯瞰して分析できたんですね。
VivaOla:感情ベースではあるんですけど、名前の考えすぎみたいなところもあるんで、よくリアリティーチェックしてもらってます。
──(mikako)リアリティーチェック?
VivaOla:「考えすぎだよ、現実と向き合いな」みたいな。
──(mikako)私も全く一緒。友達に「mikako、考えすぎだよ。一旦立ち止まりな」って言われる(笑)。
VivaOla:そういうことありますよね。やっぱ人前に立っているからこそ、それだけ真剣なのかなって思います。
──(mikako)VivaOlaさんはバークリー音楽大学に行かれていたんですよね。私が組んでいるNagie Laneのメンバーのbarattiもバークリーでジャズ作編曲科を卒業していますよ。
VivaOla:ジャズコンプですか?それは尊敬します。僕はソングライティング。それぞれ地元でがんばってきた人達が集まっているのでみんなレベルは高いんですけど、ヒエラルキーはあるんですよ。もちろんやりたい音楽も違うし比較するものでもないんですけど、ジャズコンプ専攻ってことは相当だなって思います。結構過酷なイメージあるんで(笑)。
──(mikako)そうなんですか?
VivaOla:自分の友人とか先輩にもいますけど、大半が途中で辞めてしまうんです。「自分は音楽を仕事にしたいわけじゃなかった」みたいな。結構友達も減っていく。でも残った人はやっぱみんな濃かったですよね。まだ頑張っている友だちもいるし、授業で一緒だった子がグラミーを獲ったりTikTokでバズっていたりもするので素晴らしいですよね。
──(mikako)VivaOlaとしては、7月9日には「Who Cares」が、続いて8月13日には「Grown Too Old」という新曲が連続リリースされましたが、こちらはそれぞれどんな曲でしょうか。


VivaOla:「Who Cares」は楽しい曲が作りたかったんです。自分がすごく影響を受けたコンテンポラリー/オルタナティブR&Bみたいなもの…クリス・ブラウンとかアッシャー…ニーヨとかも好きですけど、前の作品ではそっちじゃなくて、ジャスティン・ビーバーの『ジャーナルズ』とかに感化されちゃって、ブライソン・ティラーとか今のクールなR&Bのベースになったような人たちをすごく聴いているムードだったんですよ。今回はそこを抜けたいなと思ったんですね。もっとソウル寄りというかロックって言ってもいいし、ちょっとルーツミュージックみたいなのが垣間見えるような熱い音楽をやりたいなって。
──(mikako)そういう心境の変化があったんですね。
VivaOla:だから作り方的にも挑戦がありました。ビートの上でトップラインを歌って後から編集して作り上げるみたいなやり方じゃなくて、もう1から書き直そうと思ってアコギ1本だけでやったんです。ナチュラルに作ってみようと思って、アコギを弾きながら激しく何回も歌って、いいバージョンがあったら作る、みたいな。「Who Cares」は結局キーも変わったんですけど、この曲をすごく好きになった理由のひとつは、初めてCメジャーで書いた曲になったところで、そこも発見だったんですよ。
──(mikako)キーがCメジャーということは、いわゆるドレミファソラシドの世界ですね。
VivaOla:そうです。ピアノで言えば、黒鍵を抜いて白鍵だけで弾くとやっぱり可愛くなるんです。で、だからちょっと避けていたとこがあって。だから最初は違うキーだったんですけど、プロデューサーと一緒にやったときに、Cがキーになった時に感動があったんですよ。「このキー、めっちゃかっこよくね?」みたいな。
──(mikako)楽曲の表情とか性格って、キーで変わりますからね、
VivaOla:歌詞も結構暗くて、友達に「Who Cares」とか言われたら、なかなかつらくて強い言葉なんですけど、それをこのCメジャーがいい感じにコーティングしてくれたイメージもあって。そんなところもいいんですよね。
──(mikako)ビートも声もグルーヴィーですけど、いい意味で軽やかに聴こえるのはCメジャーだからなのかもしれませんね。その次にリリースされた「Grown Too Old」はどんな曲ですか?
VivaOla:「Who Cares」や「Grown Too Old」を作る前の話ですけど、いろんなチャンスと機会が巡ってきて著名なアーティストやセッションに参加した時に、「自分にとってのポップスってなんだろう」みたいな思いがあったんです。それまでは「俺がかっこいいと思えばなんでもいい」みたいな感じだったんですけど、「いや、そうじゃないよね」って思ったんですね。「みんなが楽しいのもすごくいいし、誰でも楽しめる曲もいいけど、やっぱ俺と同じポップスを聴いてきた人たちに刺さるポップスを作りたい」「すごく楽しいか、すごく楽しくないかにしたい」って思って。そんな話の中で、いつも一緒にやっているプロデューサーのKota Matsukawaさんから「最近バラード作ってないから、バラード作ればいいじゃん」みたいなのがあって、「じゃあ作ります」って1発目に出たのがこの曲だったんです。
──(mikako)この曲もミニマムなサウンドですよね。
VivaOla:めちゃくちゃ苦戦して3バージョンぐらいあるんですけど、どんどんマイナス方向でした。
──(mikako)引き算して完成に向かったということですね。ワンコーラス終わるまでビートも入っていないし、攻めていて凄いなと思いました。
VivaOla:リフだけ、でね。歌う人としてはちょっと緊張しましたよ。「Who Cares」もそうですけど、子音の立て方とかすごく気にしました。今回レコーディングで、仲良くしてくれているシンガーも参加してくれたんですけど、シンガーの目線で助言もしてくれていて、「いや、そこはもっと行っていいんじゃない?」「君の良さはこれだから」みたいなことを客観視してくれるので、そういうのが良かった。まだライブはできていないので怖いですけど(笑)。
──(mikako)ライブで聴きたいです。
VivaOla:絶対やんなきゃいけないですよね。やんなきゃ多分マネージャーに怒られます。
──(mikako)新曲ですからね。皆さん待望だと思いますよ、
VivaOla:ライブ化けしてほしいです…これは自分の仕事ですね(笑)、頑張ります。
──(mikako)先の2曲はギターで弾き語りから作ったとのことですが、基本どの曲もそういう作り方で?
VivaOla:そうですね。昔の曲はそうやってました。でも1~2年前の曲は、いわゆるトップラインって言うんですけど、ビートがあってその上でフリースタイルをするような作曲方法でした。結構モダンな作り方なんですけど、力が抜けてるメロディーや歌詞が出て作為性がないというか、いい意味で狙ったようなラインや歌詞、ストーリー性がなくなるんです。ただ、悪い意味でありきたりになっちゃう時が多い。だから最近は、ギターでやることが多いですね。
──(mikako)ギターを使って弾くことで、狙ったものが出せる?
VivaOla:というか、ドラムとかベースラインに影響されたくないという。ギターだけだともっと可能性が広いんです。リズミックにも行けるしゆっくりも行ける。
──(mikako)確かにそうですね。
VivaOla:トラックがあると、そのドラムとグルーブの雰囲気に合わせちゃうんですよ。それはそれですごく早くできるし、いわゆるこだわりを捨てるからこその良さもあるんですけど、最近はそうじゃない瞬間が多いのかな。
──(mikako)そうやって生まれる曲に、歌詞はどのように付けられていくんですか?
VivaOla:ソングライターとかシンガーの方は共感できるかもしれないですけど、ノートにはいつか使いたいライン集があって。
──(mikako)分かります。
VivaOla:でも結局、使おうとすると使えないんですよ。「使おうとしたな」みたいなことになっちゃう。だから適当な宇宙語で歌ってて、空耳から歌詞が生まれるんですけど、意外とそれって結構言いたいことを言っていたりするんですよね。2文字だけかもしれないけど、「こういうこストーリーいいじゃん」みたいな。しかも「最近こういうことあったし」みたいに勝手に点と点が繋がっていくというか、その繋ぎ方が自分らしいから自分の物語になるんです。そういう宇宙語、ないですか?
──(mikako)ありますあります、まさに先日そういうことがありました。
VivaOla:まだ歌詞がない時のレコーディングで、適当に歌った時のいい感じの母音と子音があって、気付いたら「この単語でいいじゃん」みたいな。そこで言語も決まるし。その音程にあったサウンドってありますよね。「ア」なのか「イ」なのか。
──(mikako)好きな母音ってありますよね。
VivaOla:あります。流行りがあって最近は「ウ」です。「ウウウ~ウヴヴヴ~♪」みたいなモータウンっぽい。ちょっと苦しそうな母音。
──(mikako)いやだー、わかるー(笑)。
VivaOla:ちょっと前は「ア」が好きだったんです。楽だし明るいし。あと「エ」も。でも最近は「ウ」とか「イ」のようなところがいいんですよ。結構ムズいんですけど。
──(mikako)ちょっと喉がギュッてなるような。
VivaOla:そう。でも正しい歌い方をしたいんじゃなくて、いい歌い方をしたいじゃないですか。それで最近は「イ」と「ウ」が自分の中でキテます。だから「Who Cares」も「ウ」でした。「ラララ~ララララ~♪」よりも「ウウウ~ウヴヴヴ~♪」(笑)。
──(mikako)曲は「作ろう」として作るタイプですか?
VivaOla:そうです。そろそろアルバム/EPを作ろうみたいところで作り出します。あんま単曲で作りたくないし、まばらにも作りたくない。まばらに作っているときは、次にどんな音楽をやりたいかわからなくて意図的に探っている時ですね。今まさにそれで、いっぱい作っているけど、何を本当に作りたいかわかんないから作らなきゃね、みたいな。
──(mikako)探れば出てくる?
VivaOla:音楽の神が教えてくれるかもしれない。そうじゃない時以外は、目標があってそれに向かって書くことが多い。2年前とかは修行みたいな意味で毎日作っていました。バークリーでもソングライティングは週2~3日あって、その時に最低でも1曲はできてなくちゃいけないんで、少ない人は2~3曲、多い人は7曲とか作るんです。その時はすごい頑張っていたんで、そういう経験があったからこそ、今は「生きよう」としてます。実体験を元に書くんですけど、自分がまず共感できなきゃいけないからこその実体験なんです。でも、実体験を体験している最中には書けないんですよね。
──(mikako)わかります。
VivaOla:終わって消化した後に書けるから。別れ話系を書こうってなっても、別れ話が起こっている最中には主観的すぎて書けないですよね。だから普段はあまり書かないで、書くときのためにいっぱい遊んだり違う仕事をしたりするんです。生きようとしています。最初の頃って、その事の真っ最中に書いちゃった曲が多いんですけど、ライブで歌う頃には自分で共感できなくなっているんですよ。「いや、そんなことないな」「俺が未熟だったな」とかね。まあ、そういう曲が意外とリスナーには刺さったりもするんですけどね。
──(mikako)感情的になっている分、ね。
VivaOla:ヤングな人にはそれが刺さるかもしれないし、自分もそういう音楽をいっぱい聴いてきたし。でも自分が歌うとなると、いついかなる時でも共感していたいなって思うんです。年齢とかもあるし全然変わるところもあると思うけど、それを含めても認められるような歌詞がいいな。「ああ、24歳っぽいな」みたいな。そこに難しさがありますね。
──(mikako)だから「生きている」なんですね。生きている今の自分と対話しながら曲を作っていて、「曲を作ること」と「生きること」ががっちゃんこしている。
VivaOla:間違いないです。何やっていてもそうですね。今でもゲームはしますけど、ゲームしていても曲を考えてます。ストーリーを見て「これが音楽だったら…」って考えちゃって、どこまで行っても消費者になれないというか、ね。でも向き合っているからこそ、いざ曲になった時に自分的にいいものができているのかなって思います。

──(mikako)VivaOlaさんの場合、英語と日本語、たまに韓国語も入っていたりするわけですが、言語ごとに表現のしやすさっていかがですか?
VivaOla:日本語は難しい。
──(mikako)言語が持つ性格ってありますよね?
VivaOla:バイリンガルの友人は英語がむずいって言うけど、自分の性格上、日本語が難しくて、何かひとつを説明するのにこんなに文字数が要らない言語ってなくて、それが強みだと思うんです。日本語って説明しきらなくても伝わっちゃうところがすごくいいと思うけど、その力をコントロールするのが圧倒的に難しくて。英語は1対1で言ったことが全てで「言ったこと以上はない」みたいなところに価値があるんですけど、日本語って何を言っても詩的というかポエムになる。
──(mikako)確かにそうですね。
VivaOla:日常の会話で「なるほど」って言うじゃないですか。英語だと「I see」とか「I got it」って、それだけじゃないですか。でも「なるほど」って奥深すぎて、「もしかしたらこの人、同意してないのかな」とか「もしかしたらプラスαあるのかな」みたいな。「I see」って言われたら「同意してくれた」で終わるんです。それが作曲にも出てくるのかな。俺が意図しているのはこれなのかなみたいなのが、日本語では多いです。
──(mikako)宇宙語で歌った後は、英語になることの方が多いんですか?
VivaOla:そうですね、英語が多い。日本語は頑張って乗せます。以前Jimmy Brownとコラボしたとき、彼が書いた韓国語の歌詞をもう1回違うメロで歌たんですけど、韓国語は書くのは難しいですね。書く言語能力と、日常の言語能力って違うと思いました。日本語でも英語でも、論文を書くのと日常会話を話せるのは違いますよね。話せるのと歌詞が書けるのは全然違うと思うから、自分的には韓国語は作詞できるレベルじゃないって思っています。いつかやりたいですけどね。

──(mikako)日本のアーティストはもちろん、「RIGHT/WRONG (feat. Jimmy Brown)」や「On My Side (feat. Thomas Ng)」など、海外アーティストとも制作をしていますが、コラボレーションは意識的に行っていることですか?
VivaOla:ジミーはA&R経由でつながってお互いに満足できる活動ができたり、トーマスはバークリー時代の同級生だったりするんです。一緒にライブしたりとかもあって普通に友達。友達でもジャンル的に一緒にやらない人もいますけど、この人たちは友達だしそれ以上に近いジャンルの尊敬するアーティストたちなんで、いいタイミングでやったって感じですね。
──(mikako)実際曲を書くにあたって、1番大事にしたいと思っている部分、強く意識しているところって何ですか?
VivaOla:1年前に自分で流行っていた「Catch a vibe」というテーマがあって、ちょっと頭悪そうなフレーズですけど(笑)、でも結構大事だと思ってて。「フィーリングをキャッチする」でもいいんですけど、その手段は問わないんです。歌詞なのかメロなのか、プロダクションなのか、はたまたミックスなのか。サウンド的にかっこいいとかでも良くて、「フィーリングをキャッチしたもの」を出して、「リスナーにもキャッチしてもらう」のが1番大事と思っています。これってジャンルは関係なくて、ロックミュージックでもフィーリングをキャッチしている曲ってすごいかっこいい。もちろんそのフィーリングの種類は違うんですよ。怒りでもいいし愛でもいいし、ハッピーエンディングじゃない恋愛でもいい。フィーリングをしっかりキャッチしているものが大事かなと思います。
──(mikako)そのフィーリングは、年を追うごとに心境が変わってもいいんですね。
VivaOla:そう、「キャプチャー」するでもいいんです。写真を撮るかのように収める…それが「Catch a vibe」です。
──(mikako)その時その時のVivaOlaさんのバイブスをキャッチした曲たちが今リリースされているということですね。
VivaOla:そうですね。
──(mikako)9月には新作EPのリリースが予定されていますが、最新シングル「Grown Too Old」はそのEPからの先行シングル第2弾にあたるんですよね?
VivaOla:はい、EPは5曲入りで、うち1曲はイントロっぽい作品なんですけど、「Grown Too Old」はEPのエンディング曲です。先行シングルなのにエンディングって申し訳ないな(笑)とか思いつつ、聴いてほしいから先行にしました。エンディングなので、EPを頭から聴いた時にはこれが1番最後に来るんです。
──(mikako)楽しみですね。そういう作品の構成もVivaOlaさんがご自身でプランするんですか?
VivaOla:その辺は自分の役割なんで、そうですね。何曲作って曲名を付けて、ここにこういう曲が来て、ここに激しい曲が来て、ここがやっぱ明るい曲で…みたいなコントロールは自分です。
──(mikako)リリースが楽しみですね。今後、個人的な目標や野望はあったりしますか?
VivaOla:普通にLAにライブで行きたいです。バークリー時代の友達もいっぱいいるので、どうせ戻るなら旅行じゃなくてライブで行きたいな、みたいな話をしてて。その前に9月28日に、恵比寿LIQUIDROOMでライブをします。自分以外にもいっぱいアーティストが出ていて、自分も好きで聴いていた人も多いんで、是非皆さん来てください。新曲もいっぱいやります。
──(mikako)詳細はVivaOlaさんのSNSなどでチェックしてください。たくさんのお話をありがとうございました。

インタビュー◎mikako(Nagie Lane)
文・編集◎烏丸哲也(BARKS)
「Grown Too Old」
2025.08.13 Release
1.Grown Too Old
2.Who Cares

「Who Cares」
2025.07.09 Release
1.Who Cares








