【インタビュー】Rol3ertが語る、余白に感情を宿す曲作りと「frozen」で踏み出した次の一歩

2026.01.21 20:00

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日本国内にとどまらず世界からも大きな注目を集めるアーティストから音楽業界のスペシャリストにいたるまで、様々なゲストをお迎えし最新の音楽シーンをお届けする音楽ラジオ番組interfm「TOKYO MUSIC RADAR」に、ゲスト・ミュージシャンとしてRol3ert(ロバート)が出演を果たした。

アーティストとして本格始動してまだ1年というフレッシュな彼だが、2025年4月にリリースされた「HOPE」はJ-WAVE TOKIO HOT 100でTOP20入りを果たし、6月リリース「Nerd」はインドネシア、日本、アメリカ、台湾、韓国など世界中のプレイリストにて取り上げられ、そのまま<FUJI ROCK FESTIVAL ’25>や<SWEET LOVE SHOWER 2025>へも出演を果たすという、最も注目すべきアーティストとして話題を牽引している20歳の若きホープである。

そんなRol3ertとトークを繰り広げるのは、「TOKYO MUSIC RADAR」の番組パーソナリティを務めるNagie Laneのmikakoだ。

Rol3ert

──(mikako)Rol3ertさんの音楽のルーツが気になるんですが、1番最初に触れた音楽って何だったんですか?

Rol3ert:音楽を始めたのはバイオリンが1番最初だったんです。でも触れたとなると…なんだろうな、マイケル・ジャクソンですかね。

──(mikako)バイオリンとマイケル・ジャクソン?

Rol3ert:バイオリンは小学校1年生ぐらいの時に始めて、結構長いことやっていました。母がずっとピアノを弾いていた環境だったので。マイケル・ジャクソンは父がずっと聴いていて、いつも耳に入っている状況だったので、今でもすごく好きなんです。

──(mikako)今、楽曲を作る上でも、そのあたりの影響は?

Rol3ert:入っていると思います。意識して取り入れようというのはないですけど、80’sも最近の音楽も幅広く好きなので、それらがいい具合にちょこちょこ出てきてるんじゃないかなと思います。

──(mikako)アメリカで生まれて2歳で日本に帰ってきたとのことですが、どのタイミングで音楽をやっていこうと思ったんですか?

Rol3ert:中学校でバンド組んだんです。その時に初めてオリジナルを作ってみたんですけど、そのときから歌うことも好きだったし、音楽にすごい魅力を感じていました。他にもスポーツとかいろんなことをやっていたんですけど、でも「将来音楽やりたいな」って思っていました。

──(mikako)ちなみにオリジナルの歌詞は英語で?

Rol3ert:それも英語でしたね。聴いてきた音楽が英語だったので、そっちの方が書きやすかった。

──(mikako)何がきっかけで曲作りを始めたんですか?

Rol3ert:音楽を聴くと、感情が揺れたりするじゃないですか。それで黄昏れる瞬間があったりとかして、その黄昏を生み出す音楽を自分で作りたかったんですよね。他の人の曲で気持ちが動かされると、なんて言うんだろう…なんかちょっと嫉妬みたいな気持ちになって「自分でもやってみたい」みたいな。多分そこがきっかけです。でも、俺が作った1番最初の音楽を聴いて心が動かされるかって言ったら、多分レベル的にそんなことないと思います(笑)。

──(mikako)でも、自分の心が動く瞬間を自分でも作っていきたいというのは、すごく素敵ですね。

Rol3ert:自分の中で消化したいというか、自分の中でも分からない感情みたいなものを書くことが多いので、人によっていろいろ解釈が変わってきたりして、その分そこに余白が生まれると思っています。そのよく分からない感情を曲が代弁してくれているだけで、心が安らぐっていうこともあります。

──(mikako)いいですね。11月21日に配信されたシングル「frozen」はどんな楽曲ですか?

Rol3ert:これは今までの曲よりもちょっとロック…でもないんですけど、バラードロックみたいな感じで、歌詞も今までよりすごくストレートに書いたものになっているので、それこそ余白が減って、もっとずんと来る内容になっていると思います。

──(mikako)この曲が生まれたきっかけというのは?

Rol3ert:GLOBAL WORKのCM用に書き下ろしたんですけど、CMの写真を見て感じたものを書いたんです。ひとりの女性がただ横たわっている写真だったんですけど、それがなんか昔を回想している顔に見えたというか、前に進みたいけど進みづらいというかちょっといい具合の切なさを感じて、それでちょっとノスタルジックな感じの歌詞になりました。

──(mikako)写真からのインスピレーションだったんですね。

Rol3ert:最初にトラックを作って、そのあとに回想している雰囲気をうまく組み合わせた感じ。傷ついた感情みたいなのがちゃんと残りつつ前に進んで行くっていうことが多分1番理想だと思うんですね。その感情を完全に忘れちゃったら何も経験として残らないし。だからその傷を噛みしめながら前に進むということが表せたらいいなと思って書いていたので、それがちゃんと表れていると嬉しいなと思います。

──(mikako)歌詞の中でそれを表現できたポイントってあったりしますか?

Rol3ert:やっぱりサビですね。一種の嘆きみたいな感じなんですけど、言いたいけど言えないっていうその傷をちゃんと噛みしめながら、でもその後に元気に前に進んでいく。記憶傷をちゃんと持っているっていうのがいいなと思います。

──(mikako)最後のフレーズで太陽の光を感じるというか、一筋の希望を感じさせてくれてすごく素敵だなって思って聴いてました。

Rol3ert:「frozen」を書くのはめちゃくちゃ大変でした。最初全然降ってこなくて。時間もなかったし、アイディアがなくて、その場でいろんなのものを書いてましたね。

──(mikako)その状況からどうやって?

Rol3ert:きっかけは歌詞なんですけど、全然歌詞が降りてこなくてどうしようって思って、家の電気を全部消してひとりで廊下を歩いていたんです。視覚の情報がなくなるから降ってくるだろうなと思ったら、降ってきた。

──(mikako)それはすごい。

Rol3ert:でもその様子を母親に見られて恥ずかしかったという。母親が心配してました(笑)。

──(mikako)アレンジ面でのこだわりポイントはありますか?

Rol3ert:生感はすごいこだわりました。アコースティック感というか、その方が隣に寄り添ってくれる感じがするというか、冷たさを感じない。あったかさがあるので、そこはすごい意識しましたね。

──(mikako)歌詞の中に、「ただ慣れてく痛みなら 耐えて 意味なんかあるかな?」と一箇所だけ日本語歌詞が入ってきますが、あそこであえて日本語を入れているのはなぜですか?

Rol3ert:これはなんていうか、歌詞の内容ももちろんそうなんですけど、それより日本人としてのアイデンティティをちゃんと持ちつつ、大好きな海外の音楽に日本のアイデンティティを混ぜながら新しいものをクリエイトできたらいいなと思いがあるので、いつも日本語を入れているんです。

──(mikako)自身のアイデンティティなんですね。

Rol3ert:はい。やっぱり日本人として生まれたからにはちょっと入れたいな、と。英語の歌詞を書く方が簡単だし、それこそそっちの方が自分にとっては素なんですけど、やっぱり日本人にしか書けないというかちゃんと新しいものを作りたいと思うので。そこでちゃんと日本語を書くのすごい大変なんですけど、その意味はすごく大きいなと思って。

──(mikako)「frozen」を作ったことで得たことや発見などはありましたか?

Rol3ert:1番大きいのはやっぱり暗くして廊下を歩くのが新しい発見で(笑)。でも、今までよりすごくストレートに書いた歌詞だったけど、自分にとってはそれがしっくり来たので、自分の感情を素直に出すのもいいんだなって思いました。

──(mikako)新星として最も注目されているそんなRol3ertさんですが、音楽以外の趣味とかってありますか?

Rol3ert:趣味はそんなに多くないんですけど、ドラマ観たり。あと、筋トレはするようにしています。そんながっつりではないですけど、単にちょっとスッキリしたいので。朝に筋トレすると、そのあとずっと集中力が持つし、フレッシュした気分になるんですよね。

──(mikako)私も筋トレ大好きな娘に、「mikako、悩むくらいだったら筋トレしろ」って言われてます(笑)。あと、ドラマ?

Rol3ert:『ストレンジャー・シングス 未知の世界』とか。もちろんストーリーもいいんですけど、80’sの雰囲気のいいところを持ってきて現代とがっちゃんこして、それで新しいものを作っているんですよ。80’sをもっと好きになるきっかけにもなったかな。

──(mikako)しっかり影響も受けているんですね。

Rol3ert:他のドラマも観ますけどね。韓国ドラマとかも観るしゾンビ系とかも好きだし。

──(mikako)あと、スタッフに聞いたのですが「教えていること」もある…とか?

Rol3ert:あ、元々フェンシングをやってて、今はコーチしてます。

──(mikako)え?フェンシングのコーチ?フェンシングスクールに行ったらRol3ertさんがいるってことですか?

Rol3ert:はい、います(笑)。そうなんですよ。超意外ですよね(笑)。

──(mikako)何がきっかけでフェンシングを?

Rol3ert:俺はあんまり覚えてないんですけど、多分2012年のロンドンオリンピックがきっかけだったのかな。見てかっこいいなと思って始めたと思います。

──(mikako)2012年というと7歳ですね。フェンシングを学べるところがあったわけですか?

Rol3ert:たまたま近くにあって、そこにいきました。

──(mikako)それで今ではコーチを。

Rol3ert:ちびっ子に教えています。中学生もいるんですけど、ちっちゃい子に教えるのって難しいし、理解するのも難しいのでそこは大変なんですけど、でも楽しいんです。動きもルールも全部好きになっちゃいました。やっぱり突くのがすごく楽しいんですよね。

──(mikako)すごい。Rol3ertさんのいろんな面が見えてきました。運動はされていますね。

mikako、Rol3ert

Rol3ert:運動はするようにしてます。健康のためでもあるけど、運動していなかったときって、色々となかなかうまくいかないんですよね。曲も書けなかったし。だから健康第一じゃないにしても一応身体は動かすようにしてます。

──(mikako)生活リズムやサイクルを大事にしている。

Rol3ert:そうですね、大事にしようとしています。朝起きられないんでちょっとあれなんですけど(笑)。

──(mikako)私も起きられない(笑)。アウトドア/インドアで言うとどっちですか?

Rol3ert:インドア…かな。でもインドアでもアウトドアにもなれます。全然どっちでも。

──(mikako)友達と遊ぶときとかは?

Rol3ert:…でもあんまり最近は会えてないかもしれないですね。予定が合わなかったり。でも今でも仲のいい友達はいっぱいいますよ。

──(mikako)私は友達と会って話すことがストレス発散になる。

Rol3ert:そういうの、ありますよね。一緒にいてわちゃわちゃしてるだけで楽しい。この前は、新宿の都庁前の広場で組体操してました。

──(mikako)組体操(笑)?

Rol3ert:4人とかで。

──(mikako)面白すぎる。エネルギッシュですね。

Rol3ert:エネルギッシュですね。そう考えるとアウトドアかもしれない。

──(mikako)自覚していないところで、友達から指摘されたような事はありませんか?

Rol3ert:あ、この前言われてびっくりしたのは、なんか「ボケボケ」って言われました。「ぼけ担当」みたいな。ボケてるつもりないんだけど。

──(mikako)私もよく「ボケ側」と言われるので、ちょっと同じ空気感ですが(笑)、確かにツッコミ担当ではなさそうですね(笑)。

Rol3ert:本当ですか。でもボケてるつもりがない。

──(mikako)(笑)、そういう性格が音楽に与えている影響はどう思いますか?

Rol3ert:アウトドアとかインドアとか関係なく、僕は多分めちゃくちゃネガティブな人なんですよ。それがいい意味でセンシティブというか感じたものがわかるっていうか、それをすぐ書き出せるんですよね。そこは良かったのかもしれない。

──(mikako)ネガティブなんですか?

Rol3ert:めちゃくちゃネガティブ。もうオーバーシンカー(Overthinker:考えすぎる人)です。

──(mikako)あ、それは私もよく言われます。「気にしいだよ」って。

Rol3ert:未来ってわかんないじゃないですか。でもそういうことに、いちいちくよくよ悩んじゃうとか、例えば宇宙のこととか考え出すと止まんないとか、もうそんな感じ。考え始めても正解がないからこそ、どんどんこう下がっていっちゃう。

──(mikako)だからこその繊細さなんですね。そういう気付きとか痛みを知っている人の言葉ってリアルだし、心にストレートに来るものがありますよ。

Rol3ert:それこそ「frozen」はセンシティブに感じた部分をストレートに出したので、そういうのが表れているとは思います。

──私は「meaning」という曲も大好きなんですけど、この曲はどういう思いで作られた作品ですか?

Rol3ert:この曲は「俺はどんなことが歌いたいんだろう」って模索していた頃なんですけど、学校の授業で人種差別に触れる授業があって、それにインスパイアされて書いた曲です。

──(mikako)「meaning」という言葉にはどんな意味が?

Rol3ert:例えば、あることに対して、そこにちょっと何かがあるだけで意味が付与されちゃうことってあるじゃないですか。例えば「アジア人だから」ということで何らかの意味が付与されるとか。そこに意味は付けられちゃっているけど、すごく無意味だなって思っちゃう。そこを深掘って書いた曲になっています。

──(mikako)もともと曲作りに関しては、詞先・曲先ありますが、どういう作り方ですか?

Rol3ert:いつもは曲先ですね。大体トラックとメロディーを作って、それに歌詞をはめる。元々トラックばっかり作っていて詞は書いてこなかったので、曲先が慣れているんですよね。作ったトラックを聴いて、どんな感情が動くのかを見て、それから歌詞を書いたり。

──(mikako)そのトラックは、どんなことがきっかけで作られるんですか?

Rol3ert:こういう音を試してみたらどうだろうとかもあるし、こういうメロディーが降ってきたとか、いろんなパターンがあります。

──(mikako)そしてそのトラックに合わせて歌詞が書かれるんですね。歌詞に対して大事にしていることは?

Rol3ert:やっぱりちゃんとオーセンティックになることですね。きちんと自分が真実を歌っていること。それがどう評価されようとも、自分にとって本当であることは変わらないじゃないですか。そこがきちんとベースにありつつ、それが自分だけでは終わらず、いろんな人が共感できるような歌詞にするようにしています。今後はもっと違うスタイルになるかもしれないし、こういうのがやりたいっていうのが出てくるとは思いますけど。

──(mikako)今、挑戦してみたいと思っているようなことはありますか?

Rol3ert:歌詞においては、めちゃくちゃストレートでインパクトがあるものが書きたいです。トラックに関しては、結構1990年代~2000年代のロック感とか、今のアーティストでもそういう1990~2000年代に影響されている人たちもすごい好きなので、そういうノスタルジックに感じるようなサウンドを作りたいな。

──(mikako)「frozen」制作の時は家の電気を消したというお話がありましたが、普段はどういうルーティンで作っているんですか?

Rol3ert:普段はぽっぽっぽって出てくることが多いです。例えばお話をいただいて「あと3日で作んなきゃいけない」ってなると大体いいのができないので、気まぐれなんだけど、作れるところまではちゃんと作って、そのスピード感を保ちつつ自分のやりたいタイミングでやるっていうことを大事にしてます。

──(mikako)普段からたくさん作っていて、そういう種はいっぱいあるんですね。

Rol3ert:種はいっぱいあります。ただ、使えない種が結構多いですね。作ったけどちょっとダメだなって置いといているものが多いから。

──(mikako)でも感情の種はそこにあるから楽しみですね。

Rol3ert:確かに。出口が見つかっちゃえば、もしかしたらいいのになるかもしんない。そこがまだ見つかってないのが多いですね。

──(mikako)無意識のうちに水をあげている感情も多いだろうから、いずれぽっと芽が出そう。

Rol3ert:来てほしいですね。

──(mikako)楽しみ。2026年はワンマンライブもありますが、叶えたい目標や展望は?

Rol3ert:ひとつは世界に出ることですね。それは始めた時からずっと言っていることなんですけど、まずはアジアを制覇して、そのあとアメリカ、ヨーロッパに行けるような体制を作っていきたいです。

──(mikako)やっぱり海外進出はひとつの夢ですか。

Rol3ert:そうですね、もう向こうに住みたいとか思っていたんで。

──(mikako)住むならどこがいいですか?

Rol3ert:この前シカゴに行ったんですけど、シカゴは友達も多いしすっごい雰囲気も良かったんで、シカゴもいいな。

──(mikako)2月27日には渋谷WWW Xでワンマンライブがありますけれど、どんなライブになりそうですか?

Rol3ert:バンド体制になるんですけど、2025年7月のピアノの弾き語りのワンマンとは全然雰囲気も違えば内容も変わってくるので、この1年でRol3ertが何をどう吸収したのかが伝わるといいなと思いますし、逆に初めて観る人も多いと思うので、こういう音楽やってますみたいなのがちゃんと伝わってくれるといいな。

──(mikako)ぜひいろんな方に注目してほしいですね。

Rol3ert:バンドセットでのワンマンってこれが初になるんですけど、初というのはもうここにしかないものなので、目撃体験としてぜひ観てほしいですね。2025年11月「frozen」、12月17日に「(how could i be)honest?」っていう楽曲が出て、2026年1月28日には「savior」という新しいシングルが3カ月連続で出るので、それもぜひチェックしてみてください。よろしくお願いいたします。

インタビュー◎mikako(Nagie Lane)
文・編集◎烏丸哲也(BARKS)

シングル「savior」

2026年1月28日発売

<Rol3ert live “katachi”>

2026年2月27日(金)
@SHIBUYA WWW X
Open 18:30 / Start 19:30

◆Rol3ertオフィシャルサイト