【インタビュー&レポ】Nagie Lane、渋谷ど真ん中で「シン・渋谷系ハーモニーポップ」の魅力を披露

2025.12.16 22:00

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2025年11月5日、東京国際ミュージック・マーケット(TIMM)によるイベントの一環として、渋谷ストリーム稲荷橋広場にて「SHIBUYA STREET LIVE×TIMM 連携ステージ」が設置され、interfmの人気音楽番組「TOKYO MUSIC RADAR」の公開収録とミニライブが開催された。

もちろんステージに立ちイベントの司会進行を務めるのは、「TOKYO MUSIC RADAR」でMCを務めるNagie Laneのmikakoだが、この日ゲスト・ミュージシャンとして登場したのは、mikako本人がメンバーでもあるNagie Laneだった。メンバー3人が揃ったステージ上では、ハッピーな笑いあふれるフランクなトークが繰り広げられ、その後は渋谷ストリーム前に響き渡った心地よいハーモニーを重ねたライブパフォーマンスが披露された。

Nagie Lane 左からmayu、baratti、mikako

──(mikako)みなさん、本日は『TOKYO MUSIC RADAR』の公開収録「LIVE ON RADAR」を、ここ渋谷ストリーム稲荷橋広場 特設ステージよりお送りします。トーク・セッションとライブ・セッションの二部構成でお送りしていきますが、早速トーク・セッションのゲストをお呼びいたしましょう。シン・渋谷系ハーモニーポップグループ、Nagie Laneです。私mikakoもNagie Laneのひとりでおりまして、この3人でNagie Laneです。

mayu:Nagie Laneのボーカルmayu(マユ)です。

baratti:Nagie Laneのbaratti(バラッチ)です。よろしくお願いしまーす。

左からmayu、baratti、mikako

──(mikako)私たちNagie Laneは、最初アカペラグループとして始まったんですけれど、メンバーの変遷が色々ありましたね。

baratti:元々は6人組のアカペラグループだったんですけど、今、半分になって3人で活動しております。

mayu:元々、別の大学でアカペラサークルに入っていたメンバーなんですけど、その当時mikakoがめちゃくちゃ活躍していたので、元々知っていたんですよ。逆にbarattiは、私が出演したサークルライブを観に来てくれていたんですよね。

baratti:mayuは女性4人のアカペラ・グループをやってたよね。その後しばらくして、僕はアカペラのアレンジをやってくれということで、あとからNagie Laneに加入したんですけど、第1回の練習はよく覚えていますよ。

mayu:ほんと?どんな印象だった?

baratti:mayuは「めっちゃ距離感あるな」っていう。距離感あるけどパーソナルスペースは狭い感じ。不思議なんですよ。

──(mikako)そうね(笑)。

mayu:え、どういうこと?

baratti:なんか「どうも…初めまして」みたいな、よそよそしいような遠さがあるんだけど、実際の物理的な距離はめっちゃ近いっていう、なんか距離感がよくわかんない(笑)。

──(mikako)目の前で丁寧に挨拶する感じね。

mayu:ちょっと人見知りなところがあるし。mikakoのことは?

baratti:当時mikakoは、まだ髪も黒かった。

──(mikako)私、まだ大学生だったから。

baratti:今はもう情熱の赤って感じの髪だけど、当時は大学生で、なんかちょっとおぼこい子だなみたいな。カントリーガールかな?みたいな。

──(mikako)コロコロしてました(笑)。そんな3人ですが、ここで改めてそれぞれのアーティスト的な魅力もお伝えできたらと思うんですけど。

baratti:そうですね、まずは2人とも「シンガーだな」って思います。音楽の中でも、やっぱり歌が好きな2人だっていう感じ。かといってタイプは全然違って、mikakoはどちらかというと職人的な感じの歌のこなし方、捉え方をするよね。ディテールをすごい詰めていきたいというか、彫刻を彫るような捉え方。そういうことが好きなんだろうなと思いますね。

mayu:発音とか、レコーディングの時もそうだね。かなり愚直に取り組んでいる。

──(mikako)私の中では作業がいっぱいあるんで、めっちゃこだわる時がありますね(笑)。

baratti:で、mayuは、職人的というよりは「感情に任せていきます」みたいな。

mayu:ヤダな、なんかそれ(笑)。

baratti:だから爆発力が凄い。

──(mikako)そうだね。

baratti:調子いい時はもう、どこまでも行くみたいな。ただ、調子悪い時は、レコーディングでもなぜかずっと敬語になるという(笑)。

mayu:まあ、そうね(笑)。波があるかもしれないね。

baratti:そう。それはもう全然長所ですよ。

──(mikako)そんなbarattiはどういう人でしょう。

mayu:barattiは、なんかライブとか観に行ったりすると…寝ますよね。

baratti:あの…それはアーティスト性の話ではない。

──(mikako)違いますね(笑)。すごい失礼な人みたいになっちゃって誤解されますよ(笑)。

mayu:なんで寝ちゃうのかが疑問で、前に訊いたら、「音のひとつひとつオーケストラでも全てを分解して考えると頭がパンクしそうになって、充電が切れて寝ちゃう」らしいんです。

──(mikako)ほんとにそうなんだよね。

baratti:ほんと。ライブに行ったら絶対眠くなる人って…いませんか?

mayu:リラックスして眠くなるってことでしょ?

baratti:いや僕は考えすぎて、なんかもうプスプスしてきて、ふっとブラックアウトしちゃう。

──(mikako)barattiは1回音を聴いただけで、一気にいろんな情報が入ってくる人なんですよ。バークリー音楽大学卒ということもあって、いろんなコードを聴いてジャンルもこうかなとか、こういうところにインスピレーションを受けてるかなっていうのも、1聞いて10知れるタイプの人なので。でもキャパは…。

baratti:脳のキャパは普通以下かもしれん。

──(mikako)だからいつの間にか充電切れになっている時もありますね。

──そんな私達、Nagie Laneですが、「シン・渋谷系ハーモニーポップ」と呼ばれたりしていますよね。

baratti:元々アカペラをやっていたので「ハーモニー」が好きですし、ハモリっていろんな形があるので、ボーカリストがただ集まってやっているだけじゃないという意味で「ハーモニーポップグループ」というのはしっくりきますよね。

──(mikako)ひとりずつ声を重ねて表情をつけるのがハーモニーで、1音違うだけで表情も変わるし、それが和音だったりするわけですけど、このハーモニーアレンジを行なっているリーダーのbarattiにとって、ハーモニーを作るときの1番こだわるポイントって?

baratti:こだわるポイント?編成によって変わりますけど、3人の場合、あまり難しくて不思議なことをやっちゃうと破綻しちゃうんですよね。メンバーが6人のときは、下地を作る係が3人と変わったことする係が3人に分かれても成り立っていたんですけど、変わったことをする3人だけが残るとワケわからない。だから、トラックがなくなったとしても3人だけでも音楽が成り立つようなハーモニーにしたいと思ってます。ボーカルの人がただ集まってなんとなくハモっているのではなく、それぞれのラインに意味があって、独立しても面白いものであることにはこだわっていますね。

──(mikako)barattiが作ってくれたハーモニーって、曲によって動き方が全然違ったりしますよね。

baratti:その特徴をひとつひとつ聞いていくのがハーモニーの世界の楽しいところなんで。

──(mikako)わかりやすく言えば低音・中音・高音みたいな担当があって、男性のbarattiは低音で私が真ん中、mayuが高音というそれぞれ得意な音域が割り振られたりするし、逆にあえて張っている音を出したいときは私が上に行ったりとか、いろんな工夫ができますよね。Nagie Laneの高音印と言ったらmayuですが。

mayu:そうですね。友達にはトランペットちゃんとも呼ばれてるの。声が通るっていう意味で。

──(mikako)そんなハモリ大好きなボーカリストが揃っている私達ですが、純粋に歌が上手くなりたい人に、なにか伝えられることってありますか?そもそも歌が上手いってどういうことだと思います?

mayu:…その、自分の思いを歌に乗せられることじゃないですか?

──(mikako)本質ですね。テクニック的な話で言えばリズムも大事なポイントと思うんですけど、アカペラ時代はボイスパーカッションをやっていたbarattiはどう思います?

baratti:世の中には「ヘタウマ」みたいに言われる人もいますけど、そういう人たちもリズム感はいいですよね。リズムが外れたらさすがにおかしいので、頭で考えるんじゃなくて身体でリズムを取り続けることがすごい大事。実は、足の裏とか膝とかの柔軟性が結構大事だなって最近マジで思うようになってきています。

──(mikako)ラジオだとその動きは伝わりませんけど(笑)。

baratti:そうね。ちゃんと屈伸して足の裏で地面を押している感じ。大体リズム感が悪いっていう人は、これがキープできずに、歌う時に勝手にタイミングがずれちゃってダメになる。身体の動きに歌を合わせる。自分自身がメトロノームになって、それをずっとキープするんだけど、これがやってみると意外に難しい。

──(mikako)メロディーじゃなくて、あえてドラムに集中してそのビートを身体に染み込ませていけばうまくいくかもしれないですね。

baratti:ちょっと玄人的になってくると、わざと自分の歌だけちょっと遅らせてみたり。

──(mikako)レイドバックですね。

baratti:そういったテクニックも慣れてくるとできるようになるので、足の裏で地球を感じるっていうことですね。

──(mikako)地球の話になりました。でかいですね(笑)。では逆に、このあたりで私達のことをもっと知っていただくべく、Nagie Laneの素顔に迫る「しょうがないアワード2025」を行いましょう。各自のやらかしエピソードを紹介するというものでちょっと恥ずかしいですが、まずは「barattiのしょうがない事件」から行きましょう。証言はmayuから。

mayu:はい。barattiのしょうがないエピソードですが、4年前のメジャーデビューのお祝いで、パーティーの最後に偉い方がすっごく美味しそうな赤ワインを持ってきてくれたんです。「ほんとにありがとうございます。この後みんなでいただきます♡」って言った1分後に、barattiがガッシャーンとワインを落としまして、その辺り一面が血まみれのようなワインまみれになりまして。

──(mikako)ありましたね。何が許せないって、barattiはお酒が飲めないので痛くも痒くもないの。

mayu:そう、私たちはめちゃめちゃお酒が好きなので、根に持ちましたよね(笑)。

──(mikako)ね。自分たちじゃ手を出せないワインでしたからね。

mayu:そういう時に彼は謝らないですよ(笑)。

──(mikako)そう、こういう時にこの人はふざけるので、真っ赤に染まった床に寝転んで「殺人事件ごっこ」をするんですけど、みんなショックすぎて誰も拾えなかった(笑)。

baratti:そんなことやったっけ?めっちゃおもろいやん。

──(mikako)やったのよ。

mayu:なにか弁明ありますか?

baratti:いや…僕、指先までコントロールが行かないから生傷も多いし、だからしょうがないんじゃない?スポーツとかも、そういう意味でちょっと苦手なんですよ。

mayu:手先の感覚が悪い。視界が狭いんじゃない? 肉食動物みたいな視界で目の前しか見えないタイプ(笑)。

baratti:だからしょうがないよ。

mayu:苦しい言い訳ですね。

──(mikako)では、次行きますか。続いての証言者はbaratti、紹介するのは私mikakoのしょうがない事件です。

baratti:mikakoのエピソードは「車内ひとりカラオケ大会」ですけど、メンバーで車移動することがあるんですが、その時のBGMを決める係は大体mikakoになることが多いんですね。で、最初は周りに気を遣って思い出の曲だったりみんなの共通認識のある曲を流すんですけど、そのうちに集中力がなくなってきて、そのまま自分の楽しい思い出の中に入っていって、誰も知らない自分だけが歌える曲を1時間ぐらいひたすら歌い続ける、みたいな。

──(mikako)あれぇ、一応「これbaratti好きそうだな」とか「mayuが好きそう」とか、で、ミラーを見て「あ、mayu寝たな」と思ったら、じゃちょっとブラック系流そうとか、結構気にしてたつもりだったんですけど(笑)。

baratti:でも途中から、完全に思い出の曲の爆唱状態になっている。

mayu:たまに、静かにしてほしいよね。急に大声出したり。最近は治ってきたんですけど、声を出すことが多いよね。

──(mikako)発声練習かな。

baratti:ずっと歌っているね。

mayu:まあでも、mikakoの美声を身近で聞きたい人には嬉しいかもね。

──(mikako)ぜひ皆さん、私とドライブしてください(笑)。では次は、私からmayuの「ロッカーの鍵つけたまま事件」です。mayuちゃんは忘れ物が多かったり、目の前に携帯があるのに「携帯なくした携帯なくした」と騒いだり、Nagie Laneの中でもずっとワイワイしている人ではあるんですけど、宮城でホテルをチェックアウトして車で1時間半ぐらい走ったとき、車内で大きく伸びをしたmayuを見た後部座席のbarattiが「それ着けてていいの?」って。見たらmayuの手首にホテルの温泉のロッカー鍵がついているんですね。で、1時間半かけてもう1回ホテルに戻って返却するという。

baratti:しかも、そういうの、1回だけじゃないからね。

──(mikako)3回ぐらいやってますね、しかも毎回自分では気付かなくて人に指摘されるという。

baratti:さっき僕の手先の感覚が悪いって言ったけど、mayuも手首の感覚がないね。

mayu:…そうですね。いつも髪を縛るヘアゴムを手首につけたまま本番に出たりするので、その、縛り付けられてるっていう手首の感覚があまりない…ので仕方ないですよね。

baratti:俺と一緒やないかい。しかも、ロッカーの鍵を持っていく割に、逆に結婚指輪を忘れていったりするし。

mayu:そうですね…確かに忘れ物は多い。でも全て習慣なんで、絶対にカバンの中に入れるとか、そういうのはすごい気を付けるようになりました。

──(mikako)ということで、トークセッション終了のお時間となりましたが、いかがでしたか?

baratti:はい、なんか楽しい思い出を振り返ることができてよかったなと思います。

mayu:渋谷のど真ん中で話す話でもないので、申し訳ないなとも思いました(笑)。

──(mikako)Nagie Laneのmayu、baratti、そしてmikakoでした。ありがとうございました。SNSも更新していますので、ぜひNagie Laneをチェックしてください。

インタビュー◎mikako(Nagie Lane)
文・編集◎烏丸哲也(BARKS)

New Album『Single Collection』

2025年11月30日(日)発売
EPレコードを模した特殊サイズジャケット/全15曲・リマスタリング音源
※ライブ会場にて枚数限定販売 ¥3,500(税込)
1.Wink and Thumbs Up (original mix)
2.イケナイフタリ
3.レイニー・ハイウェイ
4.sunset summer cruisin’ (original mix)
5.真夏の夜の夢 (feat. CHIHIROPE & MOS)
6.ゆっくり手を離して (original mix)
7.mirage
8.Is This Magic?
9.あのね、(original mix)
10.SAUNA
11.ふらぺちる (original mix)
12.花と蜜 (original mix)
13.Kiss me dry (original mix)
14.カフェドキ
15.kiss me in the neon light

Nagie Laneワンマンライブ<Life is a game we play>

2026年1月25日(日)
@代官山SpaceOdd
開場16:00 / 開演17:00
前売り ¥5,000+1D
当日 ¥5,500+1D
学割 ¥4,000(U-22対象)+1D
チケット https://eplus.jp/sf/detail/3026370001

◆Nagie Laneオフィシャルサイト