【インタビュー】SAHAJi西田蕉太郎、UKで加速する野心

InterFMのミュージックプログラム「TOKYO MUSIC RADAR」は、日本国内はもとより世界をターゲットに活躍するアーティストを招き、ディープなアーティストトークを繰り広げるラジオ音楽番組だ。
話を繰り広げるのは、MCを務めるNagie Laneのmikakoだが、今回のゲストは2025年7月3日に行なわれた番組公開収録の時にも登場したSAHAJiで、その出会いをきっかけに、今ではNagie LaneとSAHAJiはコラボレーションを行うまでお互いのリスペクトが積み重なっている両者となった。
番組に登場したのは楽曲制作とボーカルを務める西田蕉太郎、その人。さて、どんな話が飛び出してくるのか、その様子をお届けしよう。

──(mikako)今回のゲストは、SAHAJiの西田蕉太郎さんです。初めてご一緒したのは番組の公開収録イベントでしたけれど、今振り返るとどうでした?
西田蕉太郎(SAHAJi):公開収録の1回目のゲストが俺たちだったから、いいものにしたかったけど、今のような繋がりになると思わなかったな。
──(mikako)そうですよね。あれから一緒に曲も作って、Nagie Laneのライブにも出てもらって、こういう深い関係になれるとは思ってなかった。ありがとうございます。
西田蕉太郎(SAHAJi):あれがなかったら、出会ってなかったかもしれないよね。公開収録でのミニライブはドラムとベースがいない2人だけだったから、ごまかしが効かないよね。本当に生々しいものを見せなきゃいけない。俺たちは元々ドラム&ベースがいなかった時期が長いから慣れてるっちゃ慣れているだけど、やっぱり毎回勝負ですよね。みんなに感動させたいじゃん?
──(mikako)ライブはそうですよね。
西田蕉太郎(SAHAJi):SAHAJiを知らないNagie Laneのファンもいるわけだからさ。会場はすごくライブハウスっぽさもあったけど、でもやっぱ公開収録だからお客さんも戸惑うよね。
──(mikako)SAHAJiのライブは、お酒片手に聴きたい(笑)。
西田蕉太郎(SAHAJi):確かに音楽って解放するものだから、お酒飲んでうわーってはっちゃけるのも大事だよね。まあ、ほどほどに(笑)。
──(mikako)SAHAJiはアルバム『Don’t Touch My Soul』が2025年11月28日にリリースとなりましたけど、すでに新しいアルバムの制作に入っているそうですね。今度はどんな作品になりそうですか?
西田蕉太郎(SAHAJi):俺たち、「日本のオアシスだ」ってよく言われることがあって、それも別にイヤじゃないんだけど、そればっかり言われすぎて、その次元を超えたいなって思うんだよね。オアシスも好きだけど、「いやいや、俺たちオアシスだけじゃねえぞ、もっと深いとこあんだよ」というのはあるから、だったらそこを演るかと思って。元々アメリカンロックがルーツだからさ。
──(mikako)そうなんですよね。
西田蕉太郎(SAHAJi):だから今回は、オアシスっぽい曲は全部省いている。レコーディングはこの前のイギリスのツアーの時に新曲を4曲録ったけど、プロデューサーのニック・ブラインにも「いや、俺はそういう曲はやりたくない」って言ってね。
──(mikako)オアシスのプロデューサーでもあるニック・ブラインに(笑)?
西田蕉太郎(SAHAJi):うん、敢えて。俺はやっぱ「グラミー賞」を獲りたいから。曲はもう全然違うよ。違うレベルに行った感じ。今年出せたらいいな。
──(mikako)新たなSAHAJiが発見できそうですね。
西田蕉太郎(SAHAJi):常に曲は書いているけど、今まで結構バラードが多いなと思ったの。もっとヘビーなリフの曲を書きたいって元々思っていたけど、今はギターを弾いているとそういうリフが浮かんできたりするから、自分でも「次の段階に行きたいんだろうな」と思って、だから色々挑戦しているんだよ。
──(mikako)フルアルバムになるんですか?
西田蕉太郎(SAHAJi):少なくとも10曲は入っているアルバムになると思うけど、でもこの前に録った曲は、もしかしたらアルバムには入れないかもしんない。俺は入れた方がいいと思うんだけど、ニックは「EPでこの曲を出そうよ」みたいな話もあって。
──(mikako)そこも話し合い中なんですね。
西田蕉太郎(SAHAJi):だからさ、「もっといい曲書けばいいんでしょ」ってことで。
──(mikako)前向きですね。
西田蕉太郎(SAHAJi):知っているとは思うけど、俺は常にめちゃくちゃポジティブじゃん。悪いことも「超えるためのもの」だからさ、俺のライブとか音楽を聴いて「こいつが言ってんだったらいいんじゃない?」みたいな、そういうパワーを曲にしたいしさ。
──(mikako)「Future In The Sky」もそうやって作られたんですよね。
西田蕉太郎(SAHAJi):この曲はイギリスでチャート8位になって日本でこうやって取り上げてもらうようになった。ても俺は何百回も歌って聴いてきて「もういいや」って思う時もある。だってこの曲、14歳の時から演っているんだよ。でもさ、こうやって改めて聴くとめちゃくちゃいいよな。
──(mikako)本当にいい曲。
西田蕉太郎(SAHAJi):やっぱ自分を褒めるってことも大事よ。でもなんだろう、こういう曲って、何も考えてなかったからできるんだよね。だって「Future In The Sky…空の中の未来」ってよくわかんないじゃん(笑)。でも意味っていうのはさ、聴いてくれた人が作ってくれると思うから。
──(mikako)そういう余白があるから、自分の中で生きていくんですよね。
西田蕉太郎(SAHAJi):そうですね。だから俺はこの曲を書いてよかったなって今も思っているし、この曲でデビューできてよかったなと思う。14歳のときに書いた20年前の曲を34歳でリリースしたわけだから。これが他の曲で結構ヘビーなロックチューンだったら、また違ったかもしれないし。
──(mikako)まさしく名刺代わりになった曲ですね。そんな曲を引っ提げ、2025年はUKツアーを行っていましたが、どこを回ったんですか?
西田蕉太郎(SAHAJi):リーズから始まって、マンチェスター、リバプール、グラスゴー…最後ブリストルかな。11都市行ったけど、全部車移動でさ、7人乗りなんだけどみんなキャリーバッグ持ってきているから入らないの。それでニックのスタジオにキャリーバックを置いたんだけど、ギターケースも車に入らないから、ケースから出してギターを股に挟んで移動させてた。
──(mikako)それはすごい。
西田蕉太郎(SAHAJi):やばいよね。ほんとにほぼ車の中にいたから。足が痛くなってくるし腰も痛くてさ(笑)。でもそれがよかったよね。ロックバンドの映画とかでよくあんじゃん。ああいう感じのバスに乗ってさ。俺たちはツアーバスじゃなくてちっちゃい車だったけど、日本からドラマーとかメンバーを連れて一緒に行ったから、なんかいい思い出になったな。
──(mikako)SAHAJiファミリー、いいですね。印象的だった出来事はありますか?
西田蕉太郎(SAHAJi):ニューキャッスルは、4年前に初めてイギリスでライブした街だったから、戻ってこれたのは嬉しかった。グラスゴーに行けたのも良かったな。フーリガンみたいなお客さんが多いから気を付けてって言われてたけど、みんないい人だった。「お前ら最高だよ」って。あとね、ダイブしたんだ。
──(mikako)客席にダイブ?
西田蕉太郎(SAHAJi):怪我したけどね。ツアーはイギリスのthe skinner brothersとアメリカのlove ghostという3組で回ったんだけど、いつもダイブするthe skinner brothersのボーカルが「おい蕉太郎、お前ダイブしろや」って言うのよ。ヤダなと思ったけど、気が付いたらやってた(笑)。でもなんか「ダイブってすげえいいな」と思った。日本でもやりたい。
──(mikako)何が良かったですか?
西田蕉太郎(SAHAJi):なんかさ、「ああ、俺ってスターなんだ」って(笑)。
──(mikako)ホットな気持ちになった?
西田蕉太郎(SAHAJi):そうそう。ちょっと怖いんだけどロックンロールだなって思ったよ。でも大事じゃないですか、そういうのって。ツアーは1か月だったけど、本当にあっという間だった。お客さんがみんなアナログ盤を欲しがっていたのもびっくりしたな。「CDじゃなくてアナログはないのか」って。
──(mikako)ライブ自体は、日本の時と基本は変わらずですか?
西田蕉太郎(SAHAJi):やっぱライブ前って緊張するけど、いつもスイッチを入れるっていうか、それはあんまり変わんなかったかな。もう人種とか国とか全然関係なくて、いいものはいい。それが全部音楽で繋がれるっていうのはすごいよね。そこは感動する。
──(mikako)いい経験がたくさんできたみたいですね。
西田蕉太郎(SAHAJi):でも1ヶ月とかで帰っちゃうとさ、やっぱり俺が感じたのは「もっと勝負したいな」という気持ち。2026年は春の終わりぐらいから長期で行きたいなと思ってて、そしたら英語ももっと上達するし、もっといろんなファンもつくし。あえてSAHAJiは逆輸入で日本に来日させていただきたいなと。
──(mikako)そんなSAHAJiですが、実は2025年12月17日にリリースされたNagie Laneの「Won’t You Call My Name」という新曲は、蕉太郎さんが私達Nagie Laneのために書き下ろしてくださった楽曲なんですよね。一緒に制作をさせていただいて、本当に嬉しかったです。
西田蕉太郎(SAHAJi):あの曲はいいよね。自分でも初めての楽曲提供だったんですごくありがたいなと思いました。Nagie Laneは本当に歌がうまいから何か一緒にできたらいいなと思ったからね。こういうのは縁だから。それで「Won’t You Call My Name」を書かせてもらった。ま、すげえいっぱい書いたけど(笑)。
──(mikako)そうですよね。何度も意見を交換して、どういう曲がいいか回を重ねましたね。
西田蕉太郎(SAHAJi):最初は凄いブルージーな曲を提供したの。だって、めちゃくちゃ歌うまいし、そういう楽曲もやってほしいなと思ったから。ある意味クリスティーナ・アギレラみたいな、ちょっと派手なものも良いなと思ったけど、でも「それはちょっと違います」みたいな(笑)。
──(mikako)いや(笑)、曲自体はものすごく良かったんです。でも、私はあまりロックを歌ってこなかったので、ロックってすごくボーカルが持つ力がすごいんだなって思ったんですよ。私たちにとっても発見だったんですけど、メロディーもシンプルだったりしても、そのメロディーを生かすのはボーカルのパワーや色だとなった時に、Nagie Laneのボーカルとハーモニーだとその曲を活かしきれないっていうことになってしまって。
西田蕉太郎(SAHAJi):それで、話の中でザ・ビーチ・ボーイズとかビー・ジーズみたいな名前が出てきたので、そのあたりをイメージして書いたんだけど、でもこんなにバラードになるとは思わなかったね。
──(mikako)そう、最初はアップテンポでみんなで歌える感じで考えていたんですけど、メロディーが本当に素敵だったので、その温かさやふくよかさをどう料理するのがいいかってなった時、メロディーの良さを活かすには変な味付けはしないほうがいいってなったのね。それでこういうテンポのバラードになった。
西田蕉太郎(SAHAJi):いや、ほんとにいい曲になったよね。
──(mikako)初の楽曲提供というのも光栄でしたし。
西田蕉太郎(SAHAJi):これからもたくさん挑戦していきたいよね。いろんな人と作ってみたいなとも思っているし、そのきっかけを作ってくれたのはNagie Laneのmikakoちゃんということで、もうほんと、感謝しかない。あと、映画音楽とかいろんなことをやってみたいな。
──(mikako)音楽制作において、最近個人的によく聴いている音楽とかアーティストっていますか?
西田蕉太郎(SAHAJi):ベタなんだけどレディー・ガガとか聴いたりもしているし、テイラー・スウィフトとかも好きですよ。もうドポップがすごい大好きだから。普通にエアロスミスとかボン・ジョヴィも好きだし、アメリカンロックも好きだから。もちろんオアシスとかザ・ビートルズも好きなんだけど、もうちょっと深いところを聴いてみたいなと思って結構古いものも聴いてきた。最近はちょっとソウルフルなものを聴いてそこからのインスピレーションも欲しいな。いろんなアーティストとも一緒にライブとかもやってみたいよね。
──(mikako)勢いがありますね。
西田蕉太郎(SAHAJi):そう、ぴちぴち。まだまだまだいけるよ。今年36歳になるけど、まだ18歳ぐらいの気持ちだから。ほんとに心が明るいからさ。挑戦してる人ってみんな若いじゃん?
──(mikako)新しいことやってみたい全モードですね。
西田蕉太郎(SAHAJi):もうめちゃくちゃそう。だから、いろんな人とコラボしてアルバムに収録するのもいいな。
──(mikako)2026年はヤバいですね。
西田蕉太郎(SAHAJi):とにかくSAHAJiのライブに来ていただきたい。イギリスで挑戦しているんで、日本でライブやんねえなと思ったら皆さんもぜひイギリスに来てください(笑)。

インタビュー◎mikako(Nagie Lane)
文・編集◎烏丸哲也(BARKS)
<陰謀バレンタイン>
2026年3月30日(月)
@Clubasia
Bar time 17:00
Show time 18:30
『Don’t Touch My Soul』








