【インタビュー】luv、ジャンルレスに拡張するサウンドの正体

毎週火曜日21:30からinterimで放送されている音楽ラジオ番組「TOKYO MUSIC RADAR」は、Nagie LaneのmikakoがMCを務め、様々なゲスト・ミュージシャンとフランクながらもディープなアーティスト・トークを繰り広げるミュージックプログラムだ。
今回番組にやってきたのは、2023年6月に結成された関西在住の5人組バンドluvから、ボーカルのHiyn(ヒン)とDJのOfeen(オーフィン)のふたり。ジャズをルーツに持ちながらも、ソウルやヒップホップ、アンビエントを内包した現代的なサウンドで国内外で活動の幅を広げている注目のバンドだ。

──(mikako)今回はluvからHiynさんとOfeenさんに登場いただきました。おふたりは幼馴染とのことですね。
Hiyn(Vo):小学校うっすら、中学からがっつり。
Ofeen(DJ):サッカーをやってて小学校の時は違うチームだったんですけど、中学で同じチームになって。1年1組で席が横やったんで仲良くなりました。
──(mikako)そこから今まで付き合いが続いているってことですね。バンドを始めたきっかけは?
Hiyn(Vo):高校は別々になったんすけど、塾が一緒で毎日受験を共にして。で、大学なってからですね。
Ofeen(DJ):受験に向けて頑張っていたけど、やることなくなったし、大学4年間で何かしたいなと思って「ちょっとやる?」みたいな。
──(mikako)それまで、音楽はそれぞれ演っていたんですか?
Hiyn(Vo):そんながっつりでもなく、趣味程度で。
Ofeen(DJ):俺は幼稚園から小学校ぐらいまでちょっとピアノ習ってたくらい。
Hiyn(Vo):中学校を卒業するタイミングで、Ofeenは「俺、卒業したらカラオケ大会出るから」って言って卒業していったんすよ(笑)。
Ofeen(DJ):そん時、声でかくて、自分で歌上手いと思ったんです。そしたらこいつの方が全然うまかった(笑)。
Hiyn(Vo):今もうまいよ。
──(mikako)ちなみにカラオケ大会では何を歌ったんですか?
Ofeen(DJ):いや、恥ずかしかったんで、出るって言ってカラオケ大会は出てません(笑)。
──(mikako)(笑)、Hiynさんは音楽は何を?
Hiyn(Vo):父親がずっと音楽やっていたので、お遊びでギターを触るぐらい。
──(mikako)で、大学で他のメンバーが加わっていくわけですね。
Hiyn(Vo):もともとOfeenが「やらへん?」って言うので、「こういう人いますよ」って大学のサークルにいたキーボードとベースを紹介して。ドラムは僕と同じ高校で、昔からちょこちょこ2人でスタジオに入ったりしてたんですよ。そういう寄せ集めみたいな。
──(mikako)Ofeenさんは、どんな音楽をやりたいと思っていたんですか?
Ofeen(DJ):いや、全然なんもなかったです。僕とSho(Dr)は大学が違うんですけど、自分の大学のサークルに全く馴染めへんくて一緒にやる人おらんから、Hiynにちょっとやろうやって。
──(mikako)で、Hiynさんはボーカルで?
Hiyn(Vo):いや、それがいろいろあって、最初はOfeenがキーボード弾いてたり、かと思ったら、インド人の女の子のボーカルがいたり…なんか色々あったよね。雰囲気で5人に固まってそのままみたいな、なんか遊びの感じでずっとやってたね。
──(mikako)なるようになったというか、自然な流れで今に落ち着いていったんですね。
Hiyn(Vo):俺らもあんまりようわかってない(笑)。
──(mikako)最初はどういう曲を?
Hiyn(Vo):最初はカバーみたいな感じもしつつ、自分らの曲も並行してやっていたような感じ。
──(mikako)OfeenさんはキーボードからなぜDJに?
Ofeen(DJ):めちゃくちゃうまいキーボードが入ったんで、はじかれた(笑)。
Hiyn(Vo):今はDJだけじゃなくてシンセとトークボックス。Ofeenがluvの色々な上物を1人でやりだしたので、僕がギターを置いて歌える曲が増えたんです。
Ofeen(DJ):そういう意味では、はじかれてよかった(笑)。
──(mikako)luvのサウンドの幅を利かせているのは、Ofeenさんの活躍があってこそですね。
Ofeen(DJ):ありがとうございます。気持ちいいー(笑)。
──(mikako)結成して3年経とうとしているというところですが、この3年でどう変わってきましたか?
Hiyn(Vo):雰囲気は変わってはない。強いて言えば、ライブに向けたリハをちゃんとするようになったぐらいですね。素の部分は何も変わっていないかな。
Ofeen(DJ):友達って感じ。
──(mikako)友達が集まって2024年に結成して、1年ぐらいで「Fuwa Fuwa」という楽曲でメジャーデビューしたわけですから、この1年は目まぐるしかったんじゃないですか?
Hiyn(Vo):メジャーデビューまでを考えたら、始まりは高校2年生ぐらいの時からSho(Dr)と2人でスタジオに入っていたりもしていたから、そういうのもあって個人的にはめっちゃ早いって感覚ではないんですけど、それまでは事務所もなかったので、今は周りに大人が増えました。
──(mikako)2月4日には「Ohaguro」がリリースされましたが、なぜお歯黒をテーマにしたんですか?
Hiyn(Vo):もともとそういう曲があったんですけど、出すタイミングを失ってボツにしていたんです。そしたらOfeenが持ってきたトラックがちょっと和っぽかったんで、その歌詞がいけるんじゃないかと、そこから歌詞を持ってきたみたいな感じなんです。
──(mikako)もともとお歯黒をテーマにした楽曲があったんですね。
Hiyn(Vo):大学での専攻が日本史研究だったので日本文化を結構勉強するんですけど、お歯黒が当時のアイデンティティを示すひとつだったみたいなニュアンスを汲み取れば、これは歌詞になりそうだなとメモメモいたしまして。で、今、世の中に「自分ですよ」というアピールするきっかけにできればと思って作りました。
──(mikako)Ofeenさんはどういう風に作ったトラックだったんですか?
Ofeen(DJ):これは特にluvの曲としてというわけでもなく、休みの日にジャズ・ヒップホップみたいな曲を作っていたら案外うまいこといって、次の日にHiynの家にいって「これいけるわ」ってサビや全体を作っていったって感じです。
Hiyn(Vo):ほぼデモの感じで、ブラッシュアップ版みたいな感じでできましたね。
──(mikako)自分の美は自分で選び取るというテーマは、もともとHiynさんの中にあったものですか?
Hiyn(Vo):そうですね、ステージに立つ時とかは結構奇抜なオン眉金髪ボブで、これも自分でやりたい見た目なので。Ofeenもアフロ。この人は天然ですけど。
──(mikako)おお、天然ですか。
Ofeen(DJ):ほぼ(笑)。パーマ当ててないんで。
Hiyn(Vo):みんな自分の好きな見た目であったり、自分の出し方も人それぞれと思うので、自分を出すきっかけになれば…っていう感じです。人それぞれに生き方があって、見せ方があって、自分を抑える必要はないんじゃないですかねっていう思いですね。
──(mikako)そもそもの曲作りはどのように行なっているんですか?
Hiyn(Vo):Ofeenといっしょにやったり、Rosa(Key)とやったり、5人みんなでやったりみたいな、その時々っすね。臨機応変って感じで。
──(mikako)Hiynさんは歌詞も書くわけですが、どういう瞬間に言葉や書きたいことって生まれるんですか?
Hiyn(Vo):僕の場合、大体は曲を作ってから歌詞も一緒に、みたいな感じですね。
──(mikako)「Ohaguro」の歌詞は、最初にメモメモしていたとのことですが、メモメモは他にも?
Hiyn(Vo):メモメモは結構ある…かも。「お歯黒」とかインパクトある言葉なんで。今、「割り箸」でチャレンジしてます。元はひとつやけど2つに分かれるってとこで。
──(mikako)なるほど。もういうモチーフから得ることが多いんですね。
Hiyn(Vo):そうですね、1つの単語から着想を得て…みたいな。
──(mikako)そういう作り方は昔から?
Hiyn(Vo):昔からですね。抽象的なテーマで始めると、言うことも抽象的になって、結局あまりよろしくない抽象的な歌詞になるのが自分にはあんま向いてないっていうので、具体的なものから広げていくのが1番伝わりやすいって感じですね。
──(mikako)Ofeenさんがトラックを作る時の着想はどこから得ているんですか?
Ofeen(DJ):自分で適当にキーボードを弾いて、いいかもって思うやつをまとめるというそれの連続。いいかもが来たらそれを進めて、いいかもが来たらそれをまとめて。で、ドラムを打ち込んで、鼻歌をちょっと歌ってみて、みたいな。
──(mikako)特にリファレンスやテーマがあって、そこに向かって作り上げるというスタイルではないんですね。
Ofeen(DJ):それは半分半分ぐらいですかね。例えば「Ohaguro」は元々リファレンスにロバート・グラスパー的なものがあったんですよ。
──(mikako)じぶんらしさのエッセンスとかクセってありますか?
Ofeen(DJ):やっぱ自分が聴きたいと思う曲を作るようにしてます。DAW(Digital Audio Workstation:楽曲制作ソフト)で何回も曲を再生したくなるような曲がいい曲だと、そこを指標にしてます。
──(mikako)曲作りに時間はかかりますか?
Hiyn(Vo):Ofeenと僕は真逆やな。僕はマジでかからん。
Ofeen(DJ):そう、俺はめっちゃくちゃかかります。
Hiyn(Vo):Ofeenはひとつを丁寧にずっと作り上げる。僕はもうシャバかったらその時点で辞める、みたいな。
──(mikako)おもしろい。
Hiyn(Vo):僕はぱっぱぱっぱやっていくんで。でもOfeenが持ってくるやつは、実際労力をかけた分の良さがめっちゃ詰まってますよ。ひとつのトラックをずっといいものにしていくってのが僕はできないんで、尊敬しますね。
──(mikako)逆に言うと、Hiynさんは判断が早いんですね。
Hiyn(Vo):マジで飽き性なんで。
──(mikako)自分が作ったものでも?
Hiyn(Vo):自分の曲はほんまに聴かないっすね。
──(mikako)リリースされた楽曲とかも、聴く気にならない?
Hiyn(Vo):ほんとに聴かない。聴く気にならないというか、そのエッセンスで作ったわけやから、自分の中にあるものを聴いても…っていう(笑)。もう他の人の作品を聴く。
──(mikako)逆にOfeenさんは、自分の理想に近づけるために何度も確認しながら作るんですね。
Ofeen(DJ):そうですね。弱いと思ったらそこを詰めていって、そういう風に聴こえるようになるまで頑張って、そこに自分の要素を入れるようにそこも考えて。だからもう1曲に全然2日とかかかっちゃいます。
──(mikako)今後luvとして挑戦してみたいことや方向性ってあるんですか?
Hiyn(Vo):色々やりたいことはありますけど、これからも、その時その時に自分たちに合ったことをやりたいです。背伸びはせず。
──(mikako)「合っているな」と思えることというのは、どういう基準のもの?
Hiyn(Vo):シンプルに、デモをやった時に、5人それぞれがすんなり曲に入れるというのが基準かな。俺らって、悩みだしたらほんまにスランプに入るんで。
──(mikako)5人とも?
Hiyn(Vo):そうっすね。で、喫煙所に行くまでリセットされないっていうのが毎回なんで、今の僕らにあった曲をやりたいっすね。
──(mikako)そんなluvですが、春のアジアツアーでは3月15日の東京を皮切りに、3月21日がソウル、4月12日が台北、その後日本に戻って国内ツアーとなりますが、海外公演は楽しみですね。
Hiyn(Vo):ソウル初めてやん。
Ofeen(DJ):そうやな、韓国は初めて。
Hiyn(Vo):初めての地。台北は結構何回か行っているんです。luvの初めてのワンマンが台北だったから。
──(mikako)え?
Ofeen(DJ):そう。日本含めても台北が1番最初だった。
Hiyn(Vo):それであとはフェスもちょいちょい出ているので。
──(mikako)それじゃ台北がホームですね。
Hiyn(Vo):確かにね。
Ofeen(DJ):お客さんもめちゃくちゃ熱いし、
Hiyn(Vo):すごい大スターが来たみたいに盛り上がってくれるんですよ。あれ、気持ちいいですね。あれはほんまびっくりしたわ。
──(mikako)他にも海外での経験は?
Hiyn(Vo):タイとアメリカと中国か。
──(mikako)結成3年ですでにそこまで遠征しているのって、凄い。
Hiyn(Vo):でもトラブルは絶対にあるよね。アメリカはアンプが鳴らなくなる。シールド直刺というか、エフェクター抜いてアンプ直でやったな。タイもねPAの音声ラインがグシャグチャになってたいへんやった。いろいろありますよ。
──(mikako)luvの海外での人気ってどういう点だと思いますか?
Hiyn(Vo):こればっかりは本当にわからないんですよ。でも結局、曲の雰囲気であったり向こうのトレンド感とたまたま合致するんかなって思っています。狙っているわけでもないので、だから、のびのびとゆっくり頑張っていきます。
──(mikako)これからも楽しみですね。
Hiyn(Vo):ヨーロッパは行きたいですね。イギリスの音楽は大好きなので、1回行ってみたいなっていう。
Ofeen(DJ):僕はもう1回アメリカに行きたい。お客さんがすごい乗ってくれたし、終わった後とかもめっちゃなんかフランクに話しかけてくれてね。僕らもこのまま、今の感じの友達の延長戦みたいな感じで、バンドとしてはそのまま規模を大きくしていけたらなって思いますね。
Hiyn(Vo):ツアーをやりますので、SNSもチェックしてもらえればありがたいです。よろしくお願いいたします。

インタビュー◎mikako(Nagie Lane)
文・編集◎烏丸哲也(BARKS)
Digital Single「Ohaguro」
2026年.02.04 Release
https://luv.lnk.to/Ohaguro

<luv ASIA TOUR 2026 – EXTRA SHOWS IN JAPAN>
2026年5月8日(金)福岡DRUM LOGOS
OPEN 18:00 / START 19:00
[問]キョードー西日本
0570-09-2424 ※11:00-15:00 (日祝以外)
2026年5月15日(金)大阪GORILLA HALL OSAKA
OPEN 18:30 / START 19:30
[問]キョードーインフォメーション
0570-200-888 ※12:00-17:00 (土日祝休業)
2026年5月28日(木)
@名古屋NAGOYA CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00
[問]ジェイルハウス
052-936-6041 ※平日 11:00-15:00
2026年5月31日(日)
@金沢LIVE HOUSE vanvanV4
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]FOB金沢
076-232-2424 ※平日11:00-17:00
2026年6月20日(土)
@広島SECOND CRUTCH
OPEN 17:30 / START 18:00
[問]YUMEBANCHI(広島)
082-249-3571 ※平日12:00-17:00
2026年6月24日(水)
@札幌PENNY LANE24
OPEN 18:00 / START 19:00
[問]SMASH EAST
011-261-5569 ※平日12:00-18:00
チケット:¥5,000(税込・ドリンク代別)
<luv one man tour 2026 “by”>

2026年12月8日(火)
@東京・Zepp DiverCity
OPEN 18:00 / START 19:00
1F オールスタンディング(一般)5,500円(税込)
1F オールスタンディング(学割)4,500円(税込)
2F 指定席 6,000円(税込)
[問]ホットスタッフプロモーション
050-5211-6077 平日12:00-18:00







