2003年ツアー売上はベテラン・アーティストたちが一人勝ち

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2003年のツアーチケット売り上げは、音楽業界の業績が低迷する中、25億ドルを売り上げた(前年比19%の伸び。米国内コンサートツアー情報サイトPollstar調べ)。その大きな原動力となったのが、ブルース・スプリングスティーンイーグルスといった、大物アーティストたちのツアーだ。実際、昨年のツアー売上トップ10には、スプリングスティーンによる1億1,590万ドルのチケット売上(史上第2位を記録)を皮切りに、イーグルス(第3位:6,930万ドル)フリートウッド・マック(第4位:6,900万ドル)、エアロスミスKISS(第7位:6,400万ドル)と、30年以上の活動歴を誇る大物が目白押し状態だ。

ここまでツアーチケットの売上が伸びた要因のひとつには、チケット代の値上がりがあると専門家は指摘する。たとえば、サイモン&ガーファンクル(第6位:6,450万ドル)で最高250ドル、セリーヌ・ディオン(第2位:8,050万ドル)で最高225ドルという、クラシック・コンサート顔負けの値段をつけている。現在カレッジラジオ・チャートやアルバム・チャートをにぎわしているコールドプレイホワイト・ストライプスらのチケットが30ドル以下であることを考えれば、大物たちの値段がいかに破格かすぐにわかるだろう。40代以上の洋楽ファンには昔馴染みのアーティストが健在であるのはうれしい限りだが、「次に続くアーティストが出てこない限り、この先が非常に不安」というベテラン・プロモータの言葉どおり、音楽業界関係者にとっては手放しで喜べない状況に変わりはない。

Aki Kayamoto, NY
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