CROSSOVER JAPAN '03 レポート

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5月24日、よみうりランドEASTにて開催された<CROSSOVER JAPAN '03>。
日本随一のミュージシャンたちが集結した夢のようなこのイベントを、
BARKSプロデューサー・今野多久郎はどう観たか…。

日本の音楽シーンの歴史とともに、今を迎えたミュージシャンたち


CROSSOVER JAPAN '03 出演者

カシオペアwith神保彰

野呂一生、向谷実、
鳴瀬喜博
with 神保彰
THE SQUARE

安藤まさひろ、伊藤たけし、
和泉宏隆、須藤満、
則竹裕之
鈴木茂&FRIENDS

鈴木茂
田中章弘、宮田繁男
with 岩沢二弓
高中正義 with friends

高中正義
後藤次利、斎藤ノブ、
そうる透、南部昌江、
松本圭司
ナニワエキスプレス

清水興、青柳誠、
中村建治、岩見和彦、
東原力哉
パラシュート

安藤芳彦、今剛、
松原正樹、マイク・ダン、
斎藤ノブ、林立夫、
井上鑑
松岡直也グループ

松岡直也、
高橋ゲタ夫、大橋イサム、
大坪稔明、田中倫明、
大儀見元、岩瀬立飛

◆CROSSOVER JAPAN '03◆
◆オフィシャル・サイト◆

http://www.crossoverjapan.net

GOLDEN☆BEST

『CROSSOVER JAPAN
~ニッポンのクロスオーバー』

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1,980(tax in) 発売中


ここ最近、大きな企業の代表に40歳代が就くことが珍しくない。世紀が変わり世の中の価値観が激変する中、どんな場所においても新しい水夫(かこ/舵をとり船を操る人)がどんどん登場している。ただ、決して若くフレッシュだということだけでは新しい水夫にはなれない。これまでの仕組みをしかと経験し、それを踏まえたうえでの新しい発想と実行、それができる人こそが今の新しい水夫の条件だ。

'90年代に入って、目立った音楽シーンはアーティストと呼ばれる人とプロデューサーと呼ばれる人のふたりの名でまずその価値観が大方決められることとなった。しかしやがて、表と裏のシーソー物語が見え隠れし、はじめは欧米型のような新鮮さも、音楽ファンに裏が表よりスターに見えては送り手側は「ふたりでひとり」の方法論の意味を見失う。

とはいえ、ビジネスとして、とてつもない売り上げを残したことや、やがてその中から新しい音楽のジャンルが生まれ、新しい音楽の作り方ができていったことは意義のあることに違いない。一方、すでに10数年、あるいは20年以上活動し、活動のほとんどすべてを自分で取り仕切ってきた個性あるアーティストたちの楽曲や存在がとてつもなく多くの支持を受け続けていることも事実だ。社会が若く青い残酷な言葉の攻撃側に立ったとしても、音楽でその時の自分を主張し続けていくことと、自身の時間との戦いの“生きざま”は、やがて無意識にエンタテインメントとしてファンを魅了する。

さて<CROSSOVER JAPAN '03>、この日、ステージに上った約40名のミュージシャン。彼らはどの方角が曇ればやがて雨が降るかを知っているベテランの、しかし今や新しい水夫ばかりである。そしてみな、先に記した二面の音楽シーンをしたたかに支えてきた人たちであることを忘れてはいけない。しかも、その才能を枯渇することなく、立場を見据えることも忘れず、かつ、日本の音楽シーンの歴史と共に、楽しみながら、苦しみながら、見事に今を迎えているのである。

“活動再開”のような言葉が飛び交ったが、かれらが時代の音を奏で続けていたことは間違いない。客席にいた人々はステージ上の彼らが、長い時間培った歴史ある、しかし新しい音楽シーンの新しい代表取締役になることを間違いなく歓迎する時代が来たんだと確信したはずだ。それほど、この日のそれぞれの音楽は希望と新鮮さに満ち溢れ、我々に今という時代をしっかりと見せてくれた。

文●今野多久郎





<CROSSOVER JAPAN '03>出演者をゲスト迎え、貴重なトークと最新作を紹介してきたBARKSのネットラジオ・システム「BOW!」の期間限定スペシャル・プログラム。

【第1回】野呂一生(カシオペア) >>>見る
【第2回】清水 興(ナニワエキスプレス) >>> 見る
【第3回】斎藤ノブ >>> 見る
【第4回】松岡直也
 >>> 見る

※この番組は、2003年6月30日(月)までお楽しみいただけます。
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