妥協せず、音楽の限界に挑戦するアーティストの感動的なショウ

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妥協せず、音楽の限界に挑戦するアーティストの感動的なショウ
 
Me'Shellの音楽はより大胆に、そして自信に満ちて溢れていた

3rd Album

Bitter
Maverick 9362474392(輸入盤)
1999年8月18日発売

1 Adam
2 Fool of Me
3 Faithful
4 Satisfy
5 Bitter
6 May This Be Love
7 Sincerity
8 Loyalty
9 Beautiful
10 Eve
11 Wasted Time
12 Grace

激しい雨と芯まで凍りそうな北風が吹き荒れていたにもかかわらず、熱心なファンの集団と業界人らしき人々、そして興味本位の物好き達は、アーティスティックな要素がふんだんにあるというMe'Shell Ndegeocelloの、2晩のショウのうちの1つを目撃しようとわざわざL.A.'s Roxyに足を運んだ。小じんまりとしたバンドにひとりのヴォーカリストを加え、Me'Shellはまたもやその類まれな才能を証明した。自分の主義を妥協するつもりはまったくなく、音楽の限界を考え、それを超えようとする姿勢の持ち主だ。

Me'Shellの音楽はより大胆に、そして自信に満ちて溢れていた。アーティストとして決して自己憐憫や自己非難をするタイプではなく、自らに最大の試練を課すタイプ。成功は彼女の作品をより深く、そしてその目的をより明確にする助けとなったようだ。

Me'Shellのパフォーマンスは単に興味深いというだけではない。オープニングの「Quentin Mack」からたちまち観客を引き付け、その後ベースを手に取ると、彼女が何故あの世代で最も優れたベーシストのひとりだと言われるのか、いとも簡単に実証する。ショウの間中、Meshellの魅惑的で激しく、傷つきやすくて誠実な面が次々と表れた。

90分を超えるショウは、「Satisfy」「Outside Your Door」「Faithful」「Deuteronomy:N-ggerman」そして「Wasted Time」といった過去3枚のアルバム(『Bitter』『Peace Beyond Passion』『Plantation Lullabies』)からの古い曲と、これからリリースされる『Cookie:The Anthropological Mix』からの、熟考され意図的に挑発的な新曲とでバランスよく構成されていた。「Good. Fear. Money」「Dead N-gga Blvd. (Pt.1)」や「Better By The Pound」のような曲は、われわれの社会や文明、人間性にさえ及ぶ哀れむべき状態を鋭い目で捉え、それを音で非難したものだ。

またJimi Hendrixの「Power Of Love」、Stevie Wonderの「Too High」をしびれるように演奏し、彼らを称えた。この夜の素晴らしいパフォーマンスのひとつは、ヴォーカリストのK'alynの悲痛なソロコーラスが入った「Wested Time」で、このスタンディングの会場にいた観客は心から感動し、いつまでもその歓声が鳴り止まなかった。

この夜のサポーティングアクトは、RuffNation/Warner Bros.からデビューする予定の新人R&Bシンガー、Bobby Ross Avillaだった。45分の演奏で彼はそのヴォーカリストとしての才能だけでなく、キーボードとハーモニカのプレイヤーとしての腕前も手際よく披露した。

By Denise McIver/LAUNCH.com

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