2025年4月にメジャー1stフルアルバム『R』をリリースし、現在リリースツアー＜Bimi Release Party Tour 2025 -Ｒ-＞真っ最中のBimiが、スタジオライブ動画「Studio Performance Video」を公開した。アルバムに参加したフィーチャリングアーティストとのパフォーマンスが全曲公開されていく企画だ。

◆スタジオライブ動画

BARKSではすべてのスタジオライブパフォーマンスについてBimiに訊くインタビューシリーズを全7回に渡り展開する。第2回目は「Bright feat.YUKI（from MADKID）」。自分自身をダイヤの原石に例え、傷つけ傷ついたことにより研磨された今の自分を誇示するリリックと、シンセサウンドと鋭利なビートが交錯するYUKIのアイデンティティを前面に出したトラックが、BimiとYUKIの持つムードのコントラストを効果的に映し出す。芸能と音楽というふたつの表現を追求し続けてきたという共通点を持つYUKIに、Bimiはどうアプローチしたいと考えたのか。

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◾︎YUKIパフォーマンス直後コメント
この曲を一緒に披露するのは初めてだったので、最初はすごく緊張していました。でも本番を迎えるにあたってスイッチが入った瞬間に、（Bimiと自分の）アーティストとしての空気がスタジオ全体に広がって、音楽に没頭してパフォーマンスできた感覚がありました。

そもそも今回、彼と一緒にやれたことがめちゃくちゃうれしくて。でも葛藤やいろんな感情を込めた曲なので、その雰囲気を壊さないように気を付けました。あまり「楽しい！」って雰囲気にならないように、自分なりにバランスを取ったつもりです。バースやラップのグルーヴ、息遣いなど音源では味わえないライブ感があるパフォーマンスになりましたし、完璧なピッチだけじゃない、”声”そのものの強さが感じられると思います。

彼の持っている才能は一言で語るのがもったいないくらいで、パフォーマンスも含めて本当にすごいと感じました。そんな彼の世界に、少しでも自分が関われたことがうれしいです。スタジオライブも、一緒に音楽を作れたということへの喜びを噛み締めながら臨みました。いちファンとして、そして仲間として、これからの彼の飛躍を楽しみにしつつ、自分自身ももっと頑張っていきたいと思います。

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──YUKIさんとのコラボステージは、カメラワークも相まって結束を感じました。ほかのスタジオライブの傾向を振り返っていくと、曲の作り方がパフォーマンスやステージングと直結していて面白いですね。

Bimi：やっぱりYUKIくんはG-DRAGONからかなり影響を受けてますよね。ヨーロッパのサウンドがアジアに輸入されて、そのうえで発展していったK-POPのクラブサウンドが彼は好きなんだろうなと思ってこういうトラックにしたんです。僕から「俳優のキラキラしたイメージを全部捨ててダサい歌詞にしよう。逆にそれがかっこいいから」と提案して、そのうえでYUKIくんがトップラインを書いてくれました。

──俳優さんは役のイメージも背負わなければいけない場面もありますよね。同じ表現者という枠組みでありつつも、自分自身を表現に落とし込んでいくアーティストとは少しニュアンスが異なる部分もあるかもしれません。

Bimi：漫画原作の舞台はキャラを求めてる人が多いので、役者の人間味を求めてない人もいるんですよね。そんなふたりで一緒にやるなら、そのキャラクターの役を掴むまでに自分がどれくらい苦労をしてきたのか、どれだけ運が良かったのかを歌ったほうが泥くさくていいなと思ったんです。ていうか実際、俳優は泥くさいんですよ。稽古中なんて人様にお見せできないぐらい汚ねえ格好だし、輝いているときはステージに立っている一瞬だけで、ほんとセミの一生みたいなもんなんです。そういう儚さや、それでも命を燃やして光輝いてる曲にしたかったから「Bright」というタイトルをつけて、傷ついてきたことをダイヤモンドのブリリアントカットに例えたんですよね。

──YUKIさんの中にも俳優・廣野凌大が抱えていたような泥くささがあって、Bimiとしてそれを引き出したいという思いがあった？

Bimi：ありましたね。やっぱ俳優業と音楽をどっちもやってるやつは、フラストレーションがたまってることが多いんですよ。YUKIくんとそういう話をしたわけではないけど、YUKIくんもたぶん音楽だけでは満足できない何かがあるから俳優もやってるんじゃないかなと思って。そもそも音楽が好きなやつ、音楽が表現のルーツのやつのほとんどが音楽に取り憑かれていて、自分が好きなことをやりたいやつなんですよ。YUKIくんが音楽を続けるために俳優業を始めたとしたら、いくら俳優業から得られるものがたくさんあるとしても、ずっとキャラを背負ったりずっと笑顔をキープするのって極論嘘をつくことだから疲れると思うんです。

──自分でいられない時間が多いのは、なかなかヘヴィかもしれません。

Bimi：そういうアンバランスなところに身を置いていると、気づかないうちに心が壊れていく。俺はそういうものは全部捨ててるから（笑）、せっかくYUKIくんと一緒にやるならYUKIくんの中にあるかもしれないそういうものを昇華したかったんです。なんか悩んでる感じもしたし、話しててもいろんな葛藤を抱えながら活動してるんだろうなと感じたし。

──スタジオライブのYUKIさんもすごくのびのびとパフォーマンスをしています。BimiパートのときにYUKIさんが、Bimiさんの死角でダンスとまではいかない華のあるモーションで盛り上げているのもMADKIDで培った強みを活かしているなと感じました。

Bimi：え、まじっすか。全然見えてない。そんなことしてたんだ。

──「葛藤やいろんな感情を込めた曲なので、その雰囲気を壊さないように気を付けました」「あんまり楽しい雰囲気にならないように、自分なりに頑張ってバランスを取りました」という内容のコメントをいただいております。

Bimi：楽しさ出まくってたけどなあ（笑）。YUKIくんは音楽では大先輩なので、そんなふうに言ってもらえてうれしいですね。

──「Bright」と今回のパフォーマンスで、俳優仲間もいろいろと感じることはあるかもしれませんね。

Bimi：よくほかの俳優に「お前好きなことやってていいな」みたいに言われるんですよ。でもいいなと言うならやればいいじゃないですか。羨ましがるだけなのは自分がやる勇気がないからでしょ？　自信がないからでしょ？　と先輩後輩問わず、説教くさくならない程度にいつも言ってますね。彼らは彼らで踏み出せない理由やいろいろコンプレックスがあるんでしょうけど、とはいえ音楽は音楽で難しいですよね。曲に対して自己開示をするのも大事だけど、聴いた人がどれだけ共感できるかも同じくらい大事じゃないですか。どっちも成立させるのが難しいなというのが今の課題でもあって。自己開示しすぎてもオナニーになっちゃうし。

──でもものすごく個人的な部分を曲にすると、意外と多くの人に深く刺さる曲になることもあるんですよね。

Bimi：そうなんですよね。だから難しいんだよなあ。ほんと人間相手のことは全部難しいっす（笑）。

取材・文◎沖さやこ

メジャー1stアルバム『Ｒ』

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