【座談会】ムラマサ☆、少年カミカゼ、midnightPumpkin、ホイフェスタ、ketchup mania、CHERRYBLOSSOMの18名によるAVENGERZ!!、再集結を語る「20周年のタイミングで当時の熱狂をもう一度」

ムラマサ☆、midnightPumpkin、少年カミカゼ、ketchup mania、ホイフェスタ、CHERRYBLOSSOMといった2000年代後半の音楽シーンを彩ったガールズボーカルグループのメンバーが再集結。各バンドの有志が集まり結成したシャッフルバンド“AVENGERZ!!”が2022年に開催した東名阪ワンマンツアー<BACK TO THE TUNE PARTY>は、全公演ソールドアウトし、根強い人気の高さを示した。
参加バンドの多くがデビュー20周年を迎える2025年、AVENGERZ!!が再び。先ごろ、9月6日に大阪・Banana Hallでスペシャルワンマンライブ<BACK TO THE TUNE PARTY-20th edition->を開催することが発表となったが、これを記念してボーカリスト5人の座談会を実施した。前回2022年のライブの思い出や、20周年を迎えるにあたってのそれぞれの思いをユミ(ムラマサ☆)、MAYA(midnightPumpkin)、wakana(midnightPumpkin)、和教(少年カミカゼ)、SaCo(少年カミカゼ)に語ってもらった。
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■シーンを作ったものの責任として
■背中を見せるべきなんじゃないかと
──2022年にAVENGERZ!!は大阪・東京・愛知の3ヵ所5公演<BACK TO THE TUNE PARTY>を開催しました。ステージはHAPPYオーラが満開だったと記憶していますが、皆さんは公演を振り返って、どんなことが印象に残っていますか?
ユミ:大阪と東京は昼公演と夜公演の2公演あったんですが、ステージから観ると泣きながら観てくれているお客さんがすごくいて。それがめちゃくちゃ印象的でした。
──お客さんも思いが込み上げていたんですかね。
ユミ:そうですね。当時観られなかったというお客さんもいて、そういう人たちが覚えていてくれて、観に来てくれたのが嬉しかったです。
和教:僕はこのイベントをめっちゃ長いこと計画を立てて作ったんですよ。その一環として、1年かけてMAYAとYouTubeを撮ってみたり、ムラマサ☆のマサシとYouTubeを撮ったりしていたんですよ。その中でSaCoちゃんとうちのメンバーも説得して。だから、奇跡のイベントでした。ライバルだったバンドが同じステージを作っていることに感動しましたね。
SaCo:ライバルって、(当時)バチバチしてたのはかずっぺ(和教)だけじゃない(笑)?
ユミ:男の子はやっぱりそういうことがあるんかな(笑)。
SaCo:みんなでバンドを超えて一つのものを作っていって、自分の曲だけじゃない、他のバンドの曲も歌ったりするので、いろいろミーティングをしたんですよ。当時よりもいろんな話ができたし、めっちゃ仲良くなったような気がします。

▲和教(少年カミカゼ ※写真左)/SaCo(少年カミカゼ ※写真右)/<BACK TO THE TUNE PARTY>2022年公演
MAYA:私はさっき和やん(和教)が言ってたとおりで、最初にYouTubeの動画から始まったので、今思えば酒を飲まされて流れに乗せられたかなと思っていて(笑)。
SaCo:怖い怖い(笑)。
MAYA:大人の権力ですよ、これは(笑)。でも参加したことにより、あの頃よりももっと濃密な時間が過ごせたなと思うし、年齢を重ねたがゆえに余計な緊張感が出てきちゃって、ライヴ中の記憶がほぼほぼないんですよ(笑)。
──そして最後の名古屋公演でwakanaさんが合流して。
和教:トータル5公演やって、最後の最後にwakanaが入るっていう主役感。
MAYA:遅れてきたヒーロー感があったよね(笑)。
wakana:すみません、1公演しか出られなかったです(笑)。2022年当時は出産してすぐのタイミングで、名古屋に住んでいるので、大阪と東京の出演は無理ですねっていう状態だったんです。それでmidnightPumpkinからはMAYAとSHINYAにお願いをして。でも最後の名古屋だけだったらギリギリいけるかな?ということで、なんとか出演することができました。
──すでに4公演を終えて盛り上がっているメンバーの中に、一人で入っていくのは大変ではなかったですか?
wakana:不安がなかったわけではないですけど、ずっと知っている仲間だったので、始まっちゃえば大丈夫でした。同じ時代を一緒に走っていたみんなの空気感みたいなものが、一気に沸騰した感じがあって楽しかったです。

▲ユミ(ムラマサ☆)/<BACK TO THE TUNE PARTY>2022年公演
──皆さん一緒にステージに立つことで、新たな発見だったり、成長や進化を感じることはありましたか?
MAYA:自分のことで言うと、むしろ退化してましたね(笑)。びっくりするくらいキーが合わなくなっていることに気がついたり。のどの使い方を忘れてたりして、結構痛めました。
SaCo:難しいよな(笑)。あの当時はみんな若かったから。少年カミカゼの昔は、楽器の音がでかくて、中音なんかもうわけがわからん感じだったんですよ。でもみんな大人になって、抜き差しというか、出るところと引くところがわかったからか、当時よりは歌いやすかったです。
ユミ:確かにそれはある。力の抜きどころがわかるようになったというかね。
SaCo:そうそう、わかる。
MAYA:私は逆にきばったけどな(笑)。
──和教さんはどうですか?
和教:それぞれのバンド、フルメンバーがいるわけではないから、それぞれ助け合うんですよ。ketchup maniaの曲はボーカルがいないから、僕とwakanaで歌うとか、他のバンドから誰かをフィーチャリングして歌うとか、そういうコラボを企画として僕はやりたかったんですね。そうすると、いろんなバンドの“秘密の隠し味”みたいなものが見えてきて、それが面白いなと思いながらやっていました。男子メンバーが集まると、親戚のおじさんみたいな感じで「ユミちゃんはすごいねー」とか、そんな話ばっかりしてました(笑)。

▲あち(ホイフェスタ ※写真左)/SaCo(少年カミカゼ ※写真右)/<BACK TO THE TUNE PARTY>2022年公演
──このAVENGERZ!!の企画は和教さん発信だったとのことですが、そもそもどうしてこういった企画をやろうと思いついたのですか?
和教:僕たちはガールズボーカルグループのシーンを作ったと思っていて。だけど下の代がそこまで盛り上がらなかったので、シーンが断絶してしまったんですね。シーンを作ったものの責任として、背中を見せるべきなんじゃないかなとずっと思っていたんです。なんか独りよがりな意見ですいません(笑)。そんな中で、その中核のバンドが2025年で20周年を迎えるので、そのタイミングで何かやりたいなと思ったんです。僕らはライバルでもあり、仲間でもあるから、有志を集めてあの当時の熱狂を、もう一度リバイバルしたいということだったんです。
──2022年の活動は、この2025年のための布石だったわけですね。
和教:そうですね。2025年は絶対に何かしたいと思っていて、それに向けていろいろとステップを踏まないといけないなと。それでコラボ動画を撮ったりしながら、一つずつ進んでいきました。
──先程のお話にあった、シーンが断絶してしまった理由を、どう分析されていますか?
和教:あのガールズボーカルバンドのブームの後に、K-POPブームが来たんですよ。
SaCo:バンドサウンドじゃないっていうことか。
和教:そうそう。バンドもその時期から熱気が下がってきてしまって。めちゃくちゃ売れてるガールズボーカルバンドっていうのも、その頃はいなくなってしまったんですよ。
──当時のK-POPといえば、BIG BANGや東方神起、少女時代の世代ですね。
SaCo:ああ、かずっぺもだいぶ影響されとったもんな。
ユミ:影響されとったんかい(笑)! じゃあ、かずっぺが(ブームを)終わらせたんじゃない?
SaCo:確かに、かずっぺがブームを終わらせたようなところはある。
和教:なんでやねん!