ポップ・ミュージックは世間の人に好かれる音楽。一つのカテゴリーに分類される必要はないと思うわ

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ポップ・ミュージックは世間の人に好かれる音楽
一つのカテゴリーに分類される必要はないと思うわ


ブリトニー・スピアーズが3rdアルバム『ブリトニー』をリリースする。
タイトル曲同士がそっくりだった前2作は、正しい(?)アイドルの形を踏襲するポップな作りだったが、ティーン最後の作品となる今回は、キュートというよりセクシー。
R&B方面の精鋭プロデューサーのもと、一足飛びで大人っぽいサウンドに仕上がっている。

オーストラリアのシドニーに極東のメディアを集めて合同取材が行なわれたのは、米国で同時多発テロが起こった直後。
事件の直前にニューヨークを発って現地入りしたブリトニーは、当然ながら悲嘆にくれていたそう。
そんな彼女を気遣うレコード会社は取材陣に対して、事件を仄めかす言葉を口にしたら即刻退出との箝口令を敷き、ラウンドテーブル取材はピリピリした空気の中でスタート。

だが、当のブリトニーは笑顔をふりまく余裕さえ見せ、愛敬たっぷりの受け答えで場をなごませるのだった。

前よりはヒップホップやR&Bに影響を受けるようになったのは確かだわ

3rd ALBUM

『Britney』

Zomba Records Japan 発売中
ZJCI-10047 2,550(tax in)

1 I'm A Slave 4 U
2 Overprotected
3 Lonely
4 I'm Not A Girl,Not Yet A Woman
5 Boys
6 Anticipation
7 I Love Rock 'n' Roll
8 Cinderella
9 Let Me Be
10 Bombastic Love
11 That's Where You Take Me
12 When I Found You
13 Before The Goodbye
14 What It's To Be Me


ポップ・ミュージックは世間の人に好かれる音楽

――ニューアルバム『ブリトニー』は、これまでで一番自分を反映できた作品という思いがあったそうだけど、それはどうして?

ブリトニー・スピアーズ:
まず、今回はレコーディングに今までより時間をかけることができたの。曲作りもやらせてもらったし、プロデューサーも選ばせてもらった。だから期待どおりの仕事ができたわ。アルバムを作った当時、私の頭の中でどんなことを考えていたのかが、今までになく反映されていると思う。

――アルバムにはR&B色が濃く出た曲もありますね。あなたの音楽の好みが変化した、と考えてもいいのですか?

ブリトニー・スピアーズ:
人間として成長していく中で、アーティストとしても成長するもので、前よりはヒップホップやR&Bに影響を受けるようになったのは確かだわ。ロックにもね。だからそういう方向に向き始めていると言えると思う。でも忘れてならないのは、ポップ・ミュージックという言葉の定義は世間の人に好かれる音楽だということで、一つのカテゴリーに分類される必要はないと思うわ。

――「I'm Not A Girl, Not Yet A Woman」という曲で、Didoが曲作りに参加したのは?

ブリトニー・スピアーズ:
彼女の作品が大好きだし、本当にすごい人。あの曲を作り始めたとき、女性のインプットがあったらステキになるだろうって思ったの。その人の人生経験も入れられるから。それで、Didoを呼んで曲を作ってもらったのよ。

――Joan Jettのヒット(「I Love Rock 'N' Roll」)もカヴァーしていますよね。

ブリトニー・スピアーズ:
撮影したばかりの私の映画(『Crossroads(仮題)』/来年全米公開予定)に、カラオケで歌うシーンがあるのね。第一にあの曲が好きだし、実際に、何回もカラオケで歌ってきたの(笑)。だから、アルバムでこの曲をやろうと思ったのはいたって自然なことだったの。そして、Rodney Jerkinsに来てもらって、違うヴァージョンを作ったわけ。

――The Neptunesと仕事をしたいと思ったのはどうして?

ブリトニー・スピアーズ:
ラジオとかでよく彼らの曲を聴いていて、彼らの音の感じが本当にクールだなと思っていたの。思わず立ち上がって踊ってしまうほど、クールなのよね。クラブで彼らの曲を聴いたりすると、もうクレイジーになっちゃう。前に彼氏のJustin(Timberlake/*N SYNC)が一緒に仕事をしたことがあって、彼らの曲を聴いてみたら、もうとにかく素晴らしかった。今回、私も彼らと仕事をすることになって一緒にスタジオに入ってみたけど、素晴らしいプロデューサーというだけでなく、人間的にもすごくクールで楽しい人たちで、本当に楽しかったわ。この先また絶対に一緒に仕事をすると思う。

私の人生は、家族、神様、ボーイフレンド

――ニューヨークでやったMarvin Gaye曲のレコーディングは、どういういきさつで?

ブリトニー・スピアーズ:
Bonoが電話してきて――あのBonoが“私に”電話してきて(笑)――この曲に参加してほしいって言われたの。キャリアのなかでは、(成功の)お返しをしたいと思う時が来るもので、もちろん参加したいって返事したわ。レコーディング・スタジオに行って歌い始めたら、みんなが突然現われたの。5、6人に声をかけただけだって聞いていたんだけど、口コミで、もう超ビッグなスーパースターたちが、進んでこの曲をやりたいって集まってきちゃったのよ。Destiny's Childもいたし、Christina Aguileraもいたし、Bonoはもちろん、あと*N SYNCもいたわね。私がスタジオを出るころには、もっとたくさんの人たちが次々、入って来ていたの。この曲は、クールなものになると思うし、今、世界ではいろんなことが起こっているけど、そのなかで、みんなの励みになるものと思っているわ。

――ここ3、4年で自分の声がどう変わったと思っていますか? 今はできて前はできなかったこと、今の方がいいと思うところは?

ブリトニー・スピアーズ:
声はちょっと低くなったと思う。だから、歌う時は、前だったら届いてた高い音が出ないこともあるわ。でも逆に低い音域の方が耳には心地いいと思うから ――これはあくまでも個人的な意見だけど(笑)――前よりもソウルフルな感じがすると思う。

――Mariah Careyは自分のウェブサイトで自分は自分だと思ってはいけない、自分の人生はコントロールされていると思うと語っていましたが、彼女が置かれている状況に共感を覚えますか?

ブリトニー・スピアーズ:
私には、彼女が自分のやっていることに没頭しすぎてああいう状況になってしまったことも理解はできるわ。でも私は、自分のやっていることは仕事であって、私の人生ではないと思っているの。私の人生は家族、神様、ボーイフレンド。歌を歌うことは脇役よ。決して人生を見失うようなところまでは行かないと思うわ。この仕事は私にとってそこまで重要なことではないの、正直なところ。もちろん、私はこの仕事をやれることにはとても感謝しているけれど、明日、やめて家にこもったとしても、それで世界の終わりというわけではないのよね。

――ではどうやって人生を見失わないようにしているのですか?

ブリトニー・スピアーズ:
大切な人たちと一緒にいること。週末は完全に休んで実家に帰るの。ジェットで実家に帰って、毎週末、家族と過ごしてるわ。

――Justinとの仲はどうですか?

ブリトニー・スピアーズ:
とっても順調よ(笑)。

――今後の予定としては?

ブリトニー・スピアーズ:
ずっと一緒にいたいと思ってるわ。彼さえ私を扱えればね(笑)。

――好きなファッション・スタイルは?

ブリトニー・スピアーズ:
ドルチェ&ガッバーナが大好き。服が大好きなの。洗練されているし、だけどどこかセクシーで。でも、夜、出かけるときにドルチェを着るのは好きだけど、昼間はジーンズ派の女の子。ブーツをはいたら、それで準備完了(笑)。

――これを持ってないと外に出かけられないという物は何?

ブリトニー・スピアーズ:
ジーンズね、たぶん(笑)。あ、携帯電話! 実を言うと2秒おきくらいに携帯をなくしちゃって。最低よね。今だって、どこにあるのかわからないし。

――忙しいスケジュールをこなす中で、支えになっているものは?

ブリトニー・スピアーズ:
ヨガが好きでやっているし、物を書いたり、泳ぎにいったり、ワークアウトしたり。私って、とても活動的な人間なの。アクティヴに動けることならなんでも好き。あとは読書とか、かな。

――家ではどんな音楽を聴いているんですか?

ブリトニー・スピアーズ:
Alicia Keysはすごく好き。彼女の新しいアルバムはすごいわ。それにIndia.Arieのアルバムも。素晴らしい、最高だわ。大好き。あとは何を聴いているかしら? 最近出たMaxwellの新しいCDもいいし、あと、N.E.R.D.もすごくカッコいいわよね。

取材・文●佐武加寿子

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