B. スプリングスティーン、U2、S. ワンダーらの出演した『America: A Tribute To Heroes』に多額の寄付金が寄せられる

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TV放送業界史上、最大規模にして非常にまれなイベントが開催された。9月11日の米同時多発テロ事件の被害者たちへのチャリティ・イベントに参加するために、9月21日(金)、Bruce Springsteen、U2、Stevie Wonder、Celine Dionなど数多くの大物ミュージシャンたちがニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンのスタジオに集結した。

『America: A Tribute To Heroes』と銘打たれたこの2時間のスペシャル生放送イベントに、9千万人がチャンネルを合わせ、さらに数100万もの人たちが約800のラジオ局による放送に耳を傾けた。初期集計では、総額およそ2億ドルの寄付金が集まったとされている。

TV番組は普段はやたらと派手になりがちなものだが、この夜のイベントはSpringsteenによる未発表曲“My City Of Ruins”の淡々としたパフィーマンスで始まった。アコースティック・ギターを弾き、ハーモニカを奏でるSpringsteenの後ろには、バックコーラスとしてE Street Bandのメンバーの姿もあった。サビの“Come on rise up(さあ、立ち上がれ)”というフレーズが、追悼、癒し、そして回復へという雰囲気を作り上げ、そしてこの空気はこの夜のイベントの間中、変わることなく一貫して流れることになった。

イベントには、その後もアーティストが続々と登場。Wonderによる“Love's In Need Of Love Today”、U2の“Peace On Earth”“Walk On”のメドレー、Neil YoungによるJohn Lennon“Imagine”のカヴァー、Tom Petteyの挑戦的な“I Won't Back Down”、Wyclef JeanによるBob Marley“Redemption Song”の活気あるカヴァー、FDNY(ニューヨーク消防局)の帽子を被ったPaul Simonが歌う“Bridge Over Troubled Water”、Stingの“Fragile”、Billy Joelは昔のナンバーである“New York State Of Mind”を引っ張り出してきた。

さまざまな共演も観られた。Peal JamのEddie Vedderは“The Long Road”をYoungと共に聴かせ、Limp BizkitのFred DurstはGoo Goo DollsのJohn Rzeznikと組んで、Pink Floydの“Wish You Were Here”をしっとりしたヴァージョンで披露した。

最近、精神衰弱により休養中だったMariah Careyと、自主的に活動を休止していたCeline Dionの両者は、このイベントを機会に隠遁生活から姿を表した。Careyは“Hero”を、カナダ人のDionは“God Bless America”を歌い人々を奮起させた。

その他にもDave Matthews(“Everyday”)、Alicia Keys(“Someday We'll All Be Free”)、Faith Hill(“There Will Come A Day”)、Dixie Chicks(“I Believe In Love”)、Enrique Iglesias(“Hero”)、Bon Jovi(“Living On A Prayer”)、Sheryl Crow(“I Shall Believe”)らが出演。

イベントの後にCrowがCNNのLarry Kingに話した内容によれば、この夜のライヴはチャリティCDとしてInterscope Recordsより発売される予定だという。

番組ではライヴ以外にも、Tom Hanks、Julia Roberts、Tom Cruise、George Cloony、Robert DeNiro、Clint Eastwoodなど数多くの映画・TVスターたちがコメントを発し、また、犠牲者の遺族の気持ちを考えさせるビデオ映像も流された。

中でも特に心を打たれたのは、一般のアメリカ人と同様に、今回の事件に大きなショックを受けているイスラム教徒のアメリカ人の子供たちを紹介したビデオだろう。伝説的ボクサーのMuhammad AliがWill Smithに付き添われて出演し、この子供たちの気持ちを代弁するように語りかけた。
「もし、イスラム教徒がテロリストだとしたら、私はその代表としてここに立ってはいません」Aliはパーキンソン病のために震える体で訴えた。「すべての人が真実を知るべきだと思います。真実を認めてください。イスラム教は平和のための宗教です」

イベントのクライマックスは、Willie Nelsonによるカジュアルでシンプルな“America The Beautiful”で、ロサンゼルスのスタジオで電話受付に参加していた大勢の芸能人も加わったエンディングだった。

寄付は現在もtributetoheroes.org、またはtribute.yahoo.comで受け付けている。電話受付は米866-868-6483まで。

Neal Weiss, Los Angeles LAUNCH.com
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