<TEST PILOT SESSION> 2001年7月21日(土) @渋谷クラブクアトロ
01 ROCKET RIDE 02 white 03 さよならノーチラス号 04 太陽道路 05 THE SUN GOES DOWN 06 Carry on 07 TRUTH 08 秋の気配 09 Pop Life 10 BETTER DAYS 11 静かの海 12 MIRAGE
~アンコール~ 13 Relax 14 霧雨 |
| 「できることなら1曲1曲、直接リスナーに届けたいんです。なるべく新鮮なうちに。僕は自分の音楽をゆりかごから墓場まで面倒みるつもりですから」
'96年9月、石田小吉はそう語っていた。
ちょうどSCUDELIA ELECTROが1stマキシ・シングル「TRUTH」をリリースするタイミングでのインタビューだった。あれからずっと私の心にその言葉は刻まれていた。だから彼らが新しい作品をリリースする度、1曲1曲をかみしめるように大切に聴いた。何度も、何度も……。
『wada style』 /LOVE LOVE STRAW Stratoss Records OTCA-2002 ¥525(tax in) 2001年5月30日発売
1 wada style 2 chloe 3 good time 4 garden
| そして時は流れ'01年5月、石田小吉は自らの手で“Stratoss Records”を立ち上げ、SCUDELIA ELECTROとLOVE LOVE STRAWのマキシ同時リリースにより新レーベルは華々しく始動した。
その時私は冒頭の言葉を思い出し、すべてが一本の線でつながったように思えた。と同時に、これから始まる新たな物語の行方にワクワクしていた。そんな嬉しい予感は、どうやら間違いではなかったようだ。
7月21日、渋谷クラブクアトロ。レーベル発足を記念して行なわれたショウケース・ライヴで、彼らから発信される音楽がもたらす輝かしい未来を確信した。
トップバッターのLOVE LOVE STRAWがステージに現れるなり、早くもギュウギュウ詰めのフロアから大きな歓声が上がる。その声援に応えるように「wada style」「good times」など全11曲を力いっぱい演奏し、分厚いギター・サウンドをたっぷりと聴かせてくれた。
続いてステージにはSCUDELIA ELECTROが登場。そもそもスクーデリアとは、ギター/ヴォーカル/キーボードと何でもこなす石田小吉を筆頭に、キーボードの吉澤瑛師、エンジニアの寺田康彦と、それぞれがプロフェッショナルなスキルを持つ音楽工房といった感じのグループ。
その3人がひとつのステージを作り上げようとしている瞬間を目の当たりにしただけでも感動的なのに、生のベースとドラムを加えたライヴならではの編成で1曲目「ROCKET RIDE」がスタート。緻密に計算されたCDの音源とはまた違った臨場感あふれるプレイでのっけからオーディエンスの心をグッと引き寄せる。さらに「white」「さよならノーチラス号」とストレートなナンバーで加速したところで、7月25日リリースの新曲「太陽道路」へ。誰にでもある大切な夏の思い出、汚れを知らない心が輝いていた思春期の思い出をテーマにしたというこの曲。大人になるにつれて忘れかけていた無邪気な心やドキドキする気持ちを思い出させてくれる名曲だ。
ライヴも中盤にさしかかると今度は、「Carry on」「TRUTH」といったじっくり歌を聴かせるナンバーを。
スクーデリアの魅力はメロディの美しさと洗練されたサウンドもさることながら、こういうメロウな楽曲でこそより際立つ石田のロマンティシズムあふれるヴォーカルも非常に魅力的だ。
美しい歌で酔わせた後は、怒涛の後半戦に突入。「BETTER DAYS」「静かの海」とおなじみのシングル曲を畳みかけ、気持ち前のめり気味の「MIRAGE」で本編はいったん終了。
アンコールでは「30代、覚悟はいいか?」という石田の威勢のいい声とともに、Frankie Goes to Hollywoodの'80年代のヒット曲「Relax」のカヴァーを披露。この他にも「燃えろ30代!」や「頑張れ30代!」などと連呼していたこの日のライヴ。そこには「音楽を好きになるのに年齢なんか関係ないんだ」という想いが込められていたのではと思う。
その証拠に彼らの産み出す作品には、いつまでも音楽を愛し続ける少年の姿が感じられるし、そんな熱い想いに打たれて私は、「やっぱり音楽っていいよなぁ…」「大人になっても音楽聴いて涙したっていいじゃん!!」なんてことを思いながら会場を後にしたのだった。 |
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