【連載コラム】a flood of circle『THE WILD BUNNY DIARIES』11本目=渡邊一丘、「遠征」

▶＜Tour WILD BUNNY BLUES＞ 11本目
▶2025年2月18日(火) 静岡UMBER
▶書き手：渡邊一丘 (Dr)

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我々は半月くらい家に帰っておりません。あ、佐々木は帰ってるな。佐々木以外は帰っておりません。とにかく、これくらいの遠征は久々です。

それこそ全国ツアーやり始めた頃は2週間くらい出っぱなしというのはわりかしやってたと思います (でも人によっては1ヶ月くらい帰ってない人もいたから偉そうなことは言えませんが)。

そしてもちろん全然お金がなかったので、泊まる場所もゲストハウスやカプセルホテル、はたまたスーパー銭湯で仮眠とるだけ！みたいなストロングスタイルでした。20代前半のセンシティブなわたくしには中々の地獄でした。

夜中にドアをノックする音がするのに誰もいなかったりテレビが勝手についたりするホテル、おばちゃんが男子トイレの手洗い場で魚を捌いていたゲストハウス、お風呂が一つしかないのにずーっとおかみさんが入っている宿。疲れなんてとれるわけない！ 今考えるとなんであの時バンド辞めなかったのか謎です。

でも今だったら、サウナ無しでは生きていけないからカプセルホテルやスーパー銭湯ウェルカムだし、もはやお酒飲んで寝ちゃえば大丈夫っていうコマンドもできたし(当時のわたくしはあんまりお酒の飲まなかったのですが、この2週間のハイライトは山崎18年がとてもとても美味しかったことです)。

以前が弱者すぎたのか、ただただ鈍感になってきているのか。

いやでも、最近の若手の人達と話しているとそういうのを経験してない人が多くて、本当にうらやましい。途絶えてよかった。他の苦労があると切に思いますが。

そういう意味では感謝の気持ちを忘れないようにツアーをまわりたいと思いますので、お付き合いのほどをよろしくお願いします。

──渡邊一丘


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