Suspended 4th、5ヵ月ぶり3rdミニアルバム『SLEEPLESS』を4月リリース

Suspended 4thが4月2日、3rdミニアルバム『SLEEPLESS』をリリースすることが発表となった。2024年11月リリースの『STORMED』からわずか5ヵ月で早くも新作が到着するかたちだ。

◆Suspended 4th 画像

前作『STORMED』インタビューでメンバーからも語られていたとおり、今作『SLEEPLESS』収録曲は『STORMED』と同時期に制作されたもの。両作は対を成す作品集であると同時に、フルアルバム『Travel The Galaxy』以降の2年間にメンバーが溜め込んだフラストレーションを晴らしつつ、バンドとして新たな道筋へと舵を切ったことが窺える1枚だ。

サスフォーはこの2年間、パーマネントなドラマーが安定しない時期が続いた。一方で彼らはこのウィークポイントを逆手に取り、10年近く前もサスフォーでサポートしていた箱木駿と、新たに出会った吉村建太郎という2人のドラマーを迎え、2024年はライブにレコーディングに勤しんだ。そして、前作『STORMED』リリース直前にはその吉村が正式メンバーとして迎えられ、サスフォーはすでに新たな一歩を踏み出している。そういった意味では、『STORMED』や『SLEEPLESS』はバンドの第2章に本格突入する直前の、過渡期的状況を克明に記録したドキュメンタリーとも言える。フルアルバムを想定して準備した多くの楽曲を、あえて2つのミニアルバムに分けたあたりにも、“真の第2章はまだまだ先”という彼らなりの決意が伝わるというものだ。

今作『SLEEPLESS』のオープニングにしてタイトルトラック「SLEEPLESS」は、吉村のしなやかなリズムと腰をグイグイ刺激するフクダのスラップベース、ワシヤマ＆サワダが織りなす色彩豊かなギターフレーズ、パワフルなワシヤマのボーカルと、メンバーそれぞれの個性やテクニックが際立つ1曲となった。すべての要素が絶妙なバランスのもとで重なり合うことで生まれたサスフォーの新たなアンセムと言える仕上がりだ。

かと思えば「FREEDOM」は、前作収録の「STORMED」に続いていきものがかりやLiSAなどの楽曲で知られる江口亮がプロデュースを担当。同曲ではShiggy Jr.の諸石和馬がドラムを担当しており、ファンキーさの中にジャジーさやサイケ感が織り込まれたカオティックなサウンドを堪能することができる。また、吉村のタイトなビートと前のめりにうねりまくるギターリフ＆高速スラップが特徴的なアップチューン「DYNAMIX」も、これからのサスフォーになくてはならないアゲ曲になりそうだ。

本作後半の3曲は箱木がドラムを叩いた楽曲が並ぶ。ワシヤマの作詞家としてのストーリーテラーぶりとサウンド全体がムーディーな空気を放つ「Set Me Wonder」、キャッチーなメインリフとヘヴィなグルーヴ感がたまらないミディアムチューン「CENTRAL HELL」、ライブバンドとしての生々しさがそのまま記録された「BURNIN' SQUAD」と、三曲三様の魅力と個性を持ったナンバーで『SLEEPLESS』は締め括られる。

吉村という最後のピースが揃い、復活の狼煙を上げた新生サスフォー。前作『STORMED』と今作『SLEEPLESS』を楽しむことで、あとあと“あの2枚が歴史の変わり目だった”と実感するであろう進化を遂げた作品の完成だ。