【ライブレポート】0.1gの誤算、カウントダウンライブにて決意表明「2025年も爆進していきます」

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2024年12月31日、0.1gの誤算が品川ステラボールにて2部制ワンマンを開催した。第1部は水田魔梨(G)バースデーライブ<生きてりゃ次がある>、第2部はカウントダウンライブ<ゆく年くる年無法地帯2024→2025>という構成だ。

◆ライブ写真

1部は、水田魔梨のギターソロから幕を開けた。ステージで一人ギターを滑らかに弾く姿は、白いドレス型の衣装とも相まって幻想的だ。そこから赤いスポットライトとともに曲調が切り替わると、メンバーがステージに出揃い、「灼熱する轟音の旋律と毛根に捧げ鎮魂歌~レクイエム~」から演奏をスタートした。

時刻は16時過ぎ。2部の公演が始まるまでは少し時間が空くとはいえ、長丁場のライブ。しかし、一曲ごとに全力で臨む0.1gの誤算流スタイルは、この日も決して崩れることはない。1曲目から巻き起こる激しいヘドバンの嵐、会場中に立ち込める凄まじい熱気は、言わずもがな終演まで続いていった。


「インフルエンザとかも流行ってるけど、一人も欠けることなく、この日を迎えられて良かった」と、MCにて口々に話すメンバー。全員で年が越せることを無邪気に喜ぶ姿が眩しい。また、緑川裕宇(Vo)が、メンバーの中でもとりわけ付き合いの長い水田魔梨に向けて「水田とは人生の半分くらい一緒に居るんだよね」と微笑み、後半戦のステージでは、生誕を祝福するように、下手で仲睦まじく寄り添いながら演奏を届けた。

アンコールでは、緑川裕宇がフロアに降り、中央にあるお立ち台で歌う場面も。「21gの感傷」を携えて2度目のアンコールにも応え、腹一杯の状態で第1部の幕を閉じた。



カウントダウンライブならではの特別なステージが繰り広げられた第2部は、さらに3つのセクションに分かれており、まずは「緑川一族の集い」として、緑川裕宇が先陣を切って登場。弟の拓(B)、母(P)、叔母のジュディ(Vo)を紹介。ドラムは久保田まさし改め、緑川まさしが務めた。緑川裕宇の衣装を着て登場した緑川一族に大きな歓声が沸く。緑川裕宇と拓による仲良し兄弟の演奏も見どころ満載だったが、最後に緑川母とジュディの姉妹のみで披露された「ユー・レイズ・ミー・アップ」は圧巻。伸びやかなピアノ演奏と美しく力強い歌声が会場中に響き渡り、ファンを魅了した。


続いて登場したのは、眞崎大輔(Vo, G)、久保田まさし(Vo, G)、河村友雪(B)、水田魔梨(D)による「均整を乱す四皇」。1曲目の「誤算節」からエネルギー全開で飛ばしていく。普段のライブではリズム隊としてステージの後方にいる眞崎大輔と久保田まさしがフロントで歌い、ギターコンビの河村友雪と水田魔梨がそれぞれベースとドラムを務める光景は新鮮だ。大舞台でのパートチェンジということで、何度も音を合わせ練習したという話がMCで明かされたが、その甲斐あってか一体感のあるステージに仕上がっていた。

そして、いよいよ今年最後の「0.1gの誤算」のステージへ。新旧の楽曲を織り交ぜたセットリストで1部以上の灼熱の演奏を繰り広げるなか、2024年ラスト曲は「混沌的極悪暴曲-ヴィジュアロックパロディウス-」。0.1gの誤算らしく暴れ曲で締め括られた。


年越しの瞬間を一緒に迎えるため、緑川一族もステージに再登場したのだが、実はこの日、他にもスペシャルなゲストが控えていた。「メンバーにもファンにも会わせたい“人”がいる」と、愛犬が3匹ステージに登場。メンバーと子犬が戯れている様子に、ファンからは黄色い声が飛ぶ。


さすが“日本一バズるV系バンド”という異名を持つだけのことはある。0.1gの誤算のライブは純粋に音楽を楽しむことから、もう一つ先のステップへといざなってくれるのだ。激しい演奏とMCでのアットホームな雰囲気。そのギャップも確実に彼らの魅力をアップさせている。年越しまで2分を切ったところでサイレンが鳴り、スクリーンにタイマーが映し出される。10秒前から全員でカウントし、「明けましておめでとう!」という、メンバーの元気な声で2025年がスタート。その後は、メンバー各々がMCをとり、一年を振り返る時間などを挟みつつ、「今年もみんなに迷惑を掛けながらも爆進していきます(緑川裕宇)。」と、決意を表した。


正月スペシャルバージョンの「誤算節」から演奏を再開すると、去年に負けないパワーで会場の熱をまた上昇させていく。「必殺!からくり七変化!」で色とりどりの扇子が舞う光景は正月に相応しく実に華やかだ。「獣猛者戦争卍轟け!超誤算狩猟卍」では緑川裕宇がフロアのお立ち台に移動し、先導。続く「VITAL」でも会場を縦に大きく揺らす。そして、「2008年高田馬場AREA」では、「あけおめ」と言いながら、ファンとハイタッチを交わし、ラストの「利己的メルヘン症候群」まで一気に畳み掛けた。

ファンからの熱いアンコールの声に「1部から来てる人は40曲以上聴いてることになるけど、まだ聴きたい? 本当にライブが好きなんだな」と、緑川裕宇。ラストの「溺愛ヤンデレボーイ」で銀テープが飛び、フィナーレへ。



「2025年はもっと良い一年になるように頑張りたいと思います(水田魔梨)」
「カウントダウンライブって人が集まりづらいのに、こんなに集まってくれてありがとうございます(眞崎大輔)」
「地方からも来てくれてありがとうございます。2025年も誤算はさらに大きくなっていくので、よろしくお願いします(河村友雪)」
「格好付けた言葉でも良いんですけど、ここまで這い上がってきた道、初心を忘れずに今後も頑張っていきます(緑川裕宇)」
「2025年、もっと楽しい一年にする覚悟はある?この先も一緒に上がっていくぞ(久保田まさし)」

と話し、最後は何度も何度も振り返りながらファンに手を振った。終演のアナウンスが入った後もアンコールはしばらく続いたが、ステージに戻れない代わりに「皆さん、今日はありがとうございました。もっと誤算の曲が聴きたい人は、次のライブで待ってます」「風邪ひくなよ」「気を付けて帰れよ」「今年もよろしくな」と、ステージ袖からメンバーたちの声が届き、ファンも大きな拍手で応えた。



0.1gの誤算は3月29日、豊洲PITにて9周年記念ワンマン<天照る明星に秘める闘志、小蛇は大龍の夢を見る>が決定している。しかも、この日は土曜日。動員の実績が豊富なアーティストでないと土日祝でライブ会場を押さえることが難しいという裏事情がある中、今回の周年で初めて土曜日に大きな会場を押さえることができ、「やっと社会的に誤算が認められた」と、その喜びを緑川裕宇がXで報告すると、たちまちネットニュースに取り上げられるなど、既に大きな話題を呼んでいる。

メンバーをはじめ、ご家族、スタッフの方々、そしてメンバーに負けず劣らず格好良く生きているファンの皆さんと共に、今年もまた0.1gの誤算を推し続けられることに心から感謝したい。

文◎藤代冬馬
写真◎堅田ひとみ(LINKSOLU Inc.)

セットリスト

第1部
SET LIST
01.灼熱する轟音の旋律と毛根に捧げ鎮魂歌~レクイエム~
02.2008年高田馬場AREA
03.VITAL
04.ショートケーキエゴイズム
05.アルテミスの憂鬱〜銃口とマリア〜
06.超旋律的疾走暴曲-ネオヴィジュアロックパロディウス-
07.睡蓮の華言葉
08.GLORIA
09.ジュリエットの指輪
10.Desire
11.オオカミ男と月兎
12.被告人Aの告白
(encore1)
13.【L】1126【悲劇】
14.利己的メルヘン症候群
15.Inner Light
16.溺愛ヤンデレボーイ
(encore2)
17.21gの感傷

第2部
SET LIST
[緑川家の集い]
01.異邦人
02.かもめが翔んだ日
03.ホール・ニュー・ワールド
04.ユー・レイズ・ミー・アップ
[均整を乱す四皇]
05.誤算節
06.【S】0723【終焉】
07.VITAL
08.有害メンヘラドール
[0.1gの誤算]
09.ショートケーキエゴイズム
10.オオカミ男と月兎
11.男闘魂戦争卍燃えよ誤算光殺砲卍
12.【L】1126【悲劇】
13.アルテミスの憂鬱
14.JUDGEMENT[THE]DAY
15.救済バタフライ
16.混沌的極悪暴曲-ヴィジュアロックパロディウス-
17.誤算節(新年スペシャルVer.)
18.必殺!からくり七変化!
19.獣猛者戦争卍轟け!超誤算狩猟卍
20.VITAL
21.2008年高田馬場AREA
22.利己的メルヘン症候群
(encore)
23.被告人Aの告白
24.溺愛ヤンデレボーイ

<9th Anniversary ONEMAN 「天照る明星に秘める闘志、小蛇は大龍の夢を見る」>

日程 2025年3月29日
会場 豊洲PIT
開場16:30 / 開演17:30
前売/当日 Aチケット¥6,000 / 初心者Bチケット¥4,000 / 椅子付き自由観覧エリア¥5,000 / D代別

◆0.1gの誤算 オフィシャルサイト
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