【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.141「アーティストのセカンドハンドショップがヘルシンキの人気ロックバーで開催された」
11月初め今年2回目となったアーティストのセカンドハンドショップ「Thrifft Shop Artist Edition vol. 2」がヘルシンキの人気ロックバーThe Riffで開催され行ってきた。今回出店したアーティスト達はこちらだ。
Pic:@theriffhelsinki
・ユッシ69(The 69 Eyes)
・サミー・エルバンナ(Lost Society)
・ヨーナス・ポルコ(Blind Channel)
・ニレ・ニルッソン(St.Aurora)
・エンップ・スホネン(The Rasmus)
フィンロックに詳しい方なら、え!こんな人気バンドのメンバー達が!って思うに違いない。このロックバーはフィンランドの人気ゴスロックバンドThe 69 Eyesのドラマー ユッシ69がオーナーで、時々無料のアコースティックライブや新譜のリスニングパーティなどロックファンなら嬉しいイベントを開催している。昨年秋にアーティストのセカンドハンドショップが初めて開催され好評で今回その第2弾が開催された。
出店アーティスト本人が持ち込んだセカンドハンド品をその場で売り、直接そのアーティストから購入できるシステムだ。値段が気になると思うが、品物によりけりで高いものもあるがお手頃価格なものも多く、たぶん元の値段は超えてないように思う。すごい人気のバンドメンバーもいるので開店の午後3時直後は混むと思い、1時間ぐらい過ぎていったら中は混んでたものの外で待つことなくすんなり入れた。会場の投稿によると朝6時から待ってた人もいたようで、開店前には外に長い列ができてようだ。なんと飛行機でかけつけた人もいたそうだ。中に入ると各自のコーナーが設けられていて、アーティストが普通に自分のコーナーに立って訪れた人たちと交流しながら売っていた。こういう光景を見るとフィンランドはアーティストとファンとの壁が低いなと思うことがちょくちょくある。
さて、まずはこのロックバーのオーナーでもあるユッシ69!
レコードやサングラス、古着だけでなく今はもう公式には売られてない昔のバンドTやパーカーの新品も並んでた。(注:ギターは会場の展示品)
The 69 Eyesは今年北南米ツアー、中央アジアツアー、ヨーロッパツアーに続いて今ちょうどアルバム『DEVILS』発売20周年記念のフィンランドツアー中だ。ユッシ69は日本でも12月20日から公開になるフィンランドのメタルコメディ映画『ヘヴィ・トリップⅡ/俺たち北欧メタル危機一発!』に出演してて、日本のプレミア公開に行って同じく出演しているBABYMETALと同じレッドカーペットに立ちたかったけどツアー中で無理とのことで残念がっていた。
昨年リリースになった最新アルバム『Death Of Darkness』からハメーンリンナにあるハメ城で撮影されたアルバムタイトル曲のMV。
こちらはただ今フィンランドツアー中のLost Societyのサミー・エルバンナ。
9月末バンドの投稿でBlind Channelのヨエルとヨーナスと一緒にレコーディングしてる写真があったので、近い将来ニューリリースのニュースが飛び込んできそうで今から楽しみだ。
2022年秋にリリースになった最新アルバム『If the Sky Came Down』収録曲「Awake」のMV。
続いてBlind Channelのヨーナス・ポルコ。
Blind Channelは今年をもって一時活動休止を発表。その前に11月16日ラップランドのレヴィを皮切りにFinal Emotionsと名付けられたフィンランドツアーがスタートしたところだ。12月16日には国営放送のサイトYle Areenaにて5部構成のドキュメンタリー”After Dark Side”がワールドワイドに公開予定で、これは日本からも無料で観れる。
自らをメタル界のバックストリート・ボーイズと名乗る彼らは「Everybody」をカヴァーしリリースもしていて、この曲のMVにはそのドキュメンタリーの映像も収められているそうだ。
こちらは最近人気上昇中の若手オルタナティヴ・ロック/メタルバンドSt.Auroraのヴォーカル、ニレ・ニルッソン。
彼は以前網網のシャツ(?)をライブでよく着ているのをみかけていたところ、彼が出品した品物の中にその網網シャツ(写真右上)が。あれはもしかしてストッキングじゃないか?という疑惑があったので聞いてみたら大当たり!
St.AuroraはLost Societyが今行ってるフィンランドツアーの一部公演でサポートを務めている。
2022年にリリースになった最新アルバム『Rise』でThe Rasmusに加入したエンップ・スホネン。彼女は90年代後半に登場し大人気を得た女性ポップロックバンドTiktakのギタリストだったことでもよく知られている。
そのThe Rasmusから先月末ひさびさにニューシングル「Rest in Pieces」がリリースになった。これまでと比べるとサウンドがヘヴィになったもののThe Rasmusらしさが感じられるサウンドだとエンップに伝えたら、ファンの反応もとてもよかったとのことだ。この曲のプロデュースにBlind Channelのアレクシ・カウニスベシがかかわっているのもあってか、少しBlind Channelっぽく聴こえる部分もあるように思うのだけど、まだの方はぜひ聴いてみてほしい。
今回はその場にいなかったものの、The RiffにはメタルバンドRebellixのヴォーカル&ギタリストのサミー・デー・Gがバーテンダーでバーカウンターにいて対応してくれることがある。最近リリースになったボニー・タイラーのカヴァーがなかなかいいのでこちらもぜひ聴いてみてほしい。
昨年初めてこのセカンドハンドショップが開催された時はユッシ69、サミー・エルバンナ、オッリ・ヘルマン(Popeda、Reckless Love)、アレクシ・ティアイネン(Dirt)が出店していた。他界したアレキシ・ライホを除くThe Local Bandのメンバーがそろっていて、ここにアレキシがいたらとちょっと心が泣けたのを思い出す。
このイベント、ミーグリではなくあくまでもセカンドハンドショップだとのことだったものの、直接アーティスト達と会えて普通に話もでき、もちろんサインやツーショットも可能で、お気に入りのアーティストの品を本人から直接購入できるってファンにとっては最高のイベントで、第3回も期待したい。
店内にはギターや写真、来店したアーティストたちのサインなども飾られている。今回は若いファンも中に入れるようイベント開催中の限られた時間は年齢制限なしだったが、普段はアルコール販売があるため年齢制限があるので18歳以上の方でヘルシンキに来ることがあればぜひ立ち寄ってみてほしい。
文&写真(トップの写真を除く):Hiromi Usenius
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