【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.124「この春飛び込んできたフィンロックニュースいろいろまとめ」
最近ライブに加えニューリリースも目白押しで直接バンドから新譜やシングル出たよと情報が届くこともあり、このコラムで一つづつ分けてお伝えするのは難しいのでこの春目にしたり届いたニュースからいくつかピックアップしてお伝えしたいと思います。
DEMOLITION 23. Pic:Henna Mitrunen
前回のコラムに掲載されたマイケル・モンローインタビューでこの秋何かニュースがあって、もうすぐ発表になると言ってましたが、発表になりました!昨年秋の60歳記念コンサートで再結成されたDemolition 23. が今年秋再結成され、フィンランド国内を周るミニツアーを行うとのこと。
このバンドはマイケル・モンローとサミ・ヤッファを中心に1993年にニューヨークで結成され、翌年唯一となったセルフタイトルのアルバム『Demolition 23. 』をリリース。ギタリスト ジェイ・ヘニングの代わりにツアーに参加していたナスティ・スーサイドが1995年に脱退を表明しバンドは解散となりました。27年の時を経て昨年秋に再結成された時はドラマーのジミー・クラークが参加できず、マイケル・モンローバンドのドラマー、カール・ロックフィストが担当しましたが、この秋のツアーメンバーも同じくマイケル、サミ、ナスティ、カールの4人編成になるそうです。最初6公演発表になったところ、ヘルシンキのTavastia公演はすぐにソールドアウトになったため追加公演が出て、今現在全7公演予定されています。
唯一となったアルバムはリミックスされ、3曲デモヴァージョンが追加になり昨年再リリースされましたが、この秋の再結成ツアーが発表になった後なんとフィンランドのオフィシャル・フィジカル・アルバムチャートに再登場し1位に輝きました!Spotifyで聴けるのでぜひ聴いてみてください。
NIGHTWISH Pic : Jeremy Saffer
今年3月LOUD PARKで来日したので観られた方も多いかと思いますが、今年の6月に予定されているライブをもって無期限のライブ活動休止が発表になりました。3月にヴォーカルのフロール・ヤンセンが自らのソーシャルメディアで娘さんがお姉さんになることを公表しましたが、このライブ活動休止にはフロールの妊娠や他のメンバー個々のプロジェクトは関係ないとのことです。同時に来年2024年12曲収録のニュー・アルバムをリリースし、その中から3曲のMVを公開する予定であることも発表になり、この来年リリース予定のアルバムにともなう公演は行なわないことも発表になりました。
今年7月からバンドのホームタウンであるキテェーのキャンプセンターで一緒に食事したり、サウナに入ったり、キャンプファイアーを囲んだりしながら3ヵ月生活を共にし、最初の1ヵ月でリハーサルしながらアルバムのアレンジをしていき、その後レコーディングをする予定だそうです。フロール・ヤンセンは今年3月ソロのデビューアルバム『Paragon』をリリースしましたが、4月29日Metallicaのオランダ公演のオープニングアクトに決まっていたFive Finger Death Punchがキャンセルしたため、フロールがオープニングアクトに決定!
NightwishはソールドアウトだったアムステルダムのZiggo Dome公演で17年ぶりに演奏したという「The Phantom of the Opera」のライブ映像を公開しています。
THE 69 EYES Pic:Marek Sabogal
ヘルシンキヴァンパイアことThe 69 Eyesから13作目となるスタジオアルバム『Death of Darkness』がリリースになり、このアルバムからシンガーでもありタトゥアーティストとしてもよく知られるキャット・ヴォン・Dとコラボした「This Murder Takes Two」を新たにシングルリリース!ミュージックビデオも公開になりました。
彼らは4月いっぱいフィンランドツアーで、そのあとは北米ツアーが予定されているので、キャット・ヴォン・Dがステージで共演なんて可能性もあるかもしれませんね。
ヴォーカルのユルキ 69は昨年秋、人気のシンガーたちが生活を共にし、ディナーの席で他の参加者の歌をカヴァーし、苦労話など語りお茶の間をほろりとさせるフィンランドの人気TV番組「Vain Elämää」シーズン13に出演し、それがきっかけになったのかどうかはわかりませんが、今行われているフィンランドツアーはソールドアウト続出で、観に行きたければすぐにチケット買っておかなければ出遅れになる人気ぶりです。
APOCALYPTICA Pic:Ville Juurikkala
ただ今南米ツアー中のチェロメタルバンドApocalypticaですが、メンバーのチェロ奏者の一人エイッカ・トッピネンがEl Cuartel Del Metalのインタビューで語った話によると、この南米ツアーの後アメリカのLAにいって次のアルバムのレコーディングに入るそうです。1度にすべてレコーディングするのではなくて今年中にレコーディングして、来年リリース予定のようです。
コンセプトアルバムになるそうですが、どのようなコンセプトなのかはまだ語れないとのことで、ニューアルバムレコーディングの他にも何曲かレコーディングしてアルバムリリース前に新曲リリース予定だそうですよ。
昔はレコーディングして発売後そのアルバムのツアーして、少し休んでまたその繰り返しだったが、今の世界は曲を定期的に常にリリースしてアクティヴでないといけない。今の世界ではそれを求められると語っています。確かにそうかもしれませんね。
Apocalypticaはこの冬ヨーロッパを一緒にツアーしたEpicaのシモーネ・シモンズをヴォーカルに迎えて「Rise Again」をリリース!MVも公開になってます。
ANDY MCCOY & SOFIA ZIDA Pic:Mira Tiinanen
昨年アンディ・マッコイと一緒にアコースティック・トリオで活動していたシンガー・ソングライターのソフィア・ジダが今年秋Sofia Zida feat. Andy McCoyとしてニューアルバムをリリース予定!2人は画家でもありこれまでに何度か一緒にアート展も開いていて、ソフィアはアンディをまるで父親のような存在だと語っています。この秋リリース予定のアルバムから先行シングル「Three Words」がリリースになりMVが公開されています。
ARCHED FIRE Pic:Teemu Liekkala
以前このコラムで紹介したことがありますが、フィンランドの正統派スピードメタルバンドArched Fireからセカンドアルバム『Trust Betrayal』がリリースになりました。このアルバムから元Judas Priestのシンガーとしても知られるティム・オーウェンズがfeat.の曲「Pestilence」のMVが公開になっています。ヴォーカルのクリスティアン・ヘルクマンによると彼のヴォーカルを初めて聴いたのがJudas Priestの『Jugulator』で大好きなアルバムだとのことで、まさか25年後に自分のバンドのアルバムで彼と一緒に歌う機会がやってくるとは思いもしなかった。とても素晴らしかった。敬意と共に感謝していると語っています。
TEMPLE BALLS Pic:Reijo Koirikivi
フィンランドの若手ハードロックバンドTemple Ballsはセカンドとサードアルバムでプロデューサーを務めたH.E.A.T.のヨナ・ティーを再びプロデューサーに迎え4作目となるニューアルバムのレコーディングを終えました。今回は前回と同じSonata Arcticaのパシ・カウッピネンがオーナーの一人のStudio 57に加えヘルシンキとスウェーデンのストックホルムのスタジオでレコーディングしています。まずは先行シングルリリースを楽しみに待ちましょう。
H.E.A.T.脱退後急性リンパ性白血病との闘病生活を経てSkid Rowのヴォーカルに決まったエリック・グロンウォールが自分のYouTubeチャンネルに定期的にヴォーカルカヴァーを投稿していますが、Five Finger Death Punchのカヴァー「Wash It All Away」のギターソロをTemple Ballsのギタリスト ニコが弾いています。まだの方チェックしてみてください。
CVLT OV THE SVN
以前このコラムで紹介したことがある自称オカルト・マーダー・ポップの正体不明 Cvlt Ov The Svn(カルト・オヴ・ザ・サン)から Guns N' Rose のカヴァーで「You Could Be Mine」がリリースになりました。イントロ聴いた時にはちょっとヴィッレ・ヴァロを思い浮かべたのですが、ヴォーカルが入ったらしっかりCvlt Ov The Svn ワールドになってました。ぜひ聴いてみてください。
MTVKID Pic:Kaisa Maria Hollanti
最後にヘルシンキで昨年結成されたばかりのロックバンドMtvkidを紹介。Blink 182やBloodhound Gang、加えてその昔MVが流れ続けるMTVチャンネル全盛期に人気があったバンドやアーティストに影響を受けているそうです。バンドは今デビューアルバム制作に取り組んでいるとのことですが、先行シングルとして「Naked」をリリース!ぜひ聴いてみてください。
というわけで今回はこの春目についたニュース等ピックアップしてみました。
さて庭に積まれて氷化した雪がやっと溶けて春がやってきたフィンランドですが、もう1カ月もすれば夏フェスシーズン到来!この夏数多くあるフェスの中で個人的にラインナップが一番素晴らしいフェスは、交通の便があまりよくない場所にあり、周りにホテルもあまりないようだけどキャンプ場があるフェス。なんでそんな場所で(泣)。車の免許なく、アウトドア苦手な人むけでないのが残念。そのフェスは無理かもしれませんが、秋から冬の暗くて寒い期間が長いだけに白夜のシーズンの夏フェスは雨さえ降らなきゃ気分が盛り上がるのでどれかに行けたらいいなと思ってます。
文:Hiromi Usenius
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