【インタビュー】トゥロ(Vo)が語る『ヘヴィ・トリップII /俺たち北欧メタル危機一発!』

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ヨハンネス・ホロパイネン

2019年に公開され異例の大ヒットを記録したフィンランド映画『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』の続編となる『ヘヴィ・トリップII /俺たち北欧メタル危機一発!』が、12月20日(金)より劇場公開となった。



このなんとも馬鹿げたナンセンス極まりない映画…と思いきや、メタルという文化が世界共通で熱く・固く、時に悲しく時に楽しく、バカバカしくも愛に溢れたものであることを雄弁に語ってくれる作品だ。メタル好きであればこそ、ニヤッとしてしまうシーンはもちろん、思わず吹き出してしまう細かな演出も涙腺崩壊ポイントのひとつだ。

日本でも大盛り上がりとなった『ヘヴィ・トリップ』熱をお伝えすべく、インペイルド・レクタム(直腸陥没)のヴォーカリスト、トゥロを演じた主演のヨハンネス・ホロパイネンに直撃インタビューを敢行した。


──続編の制作が決定したのを知ったのはいつ頃ですか?

ヨハンネス・ホロパイネン:ユーソ(監督・脚本)とは1作目の撮影で友人関係になり、頻繁に連絡を取り合っていたので、プロデューサーから続編の話をされて2作目の脚本を書き始めていたことは早くから知っていたんだ。「実際に続編が作れることになったらいいな」と期待していたところ、数年後に制作費が確保できて実現することになった。またみんなと一緒にこの映画を作れたのはビッグイベントだったよ。


トゥロ(Vo)

──今回、ギターのロットヴォネンの父親が倒れ、インペイルド・レクタムのメンバー全員で脱獄して<ヴァッケン>への出演を目指すというストーリーでしたが、演じてみてどうでしたか?

ヨハンネス・ホロパイネン:1作目の脚本は登場人物がとても活き活きとしていたので、僕がトゥロを演じるという面はありながら、僕がトゥロに動かされているような感覚にもなっていたんだ。なぜかって、脚本にふたりの監督(ユッカ・ヴィドゥグレン、ユーソ・ラーティオ)の誠実な価値観が込められていたからね。そういう1作目だったからこそ、2作目でバンドのメンバーと再会してトゥロのウィッグをつけたら、すぐにトゥロと一体化することができた。今回、トゥロはバンドで成功するために愛を失って友達がどんどん減っていってしまうけれど、結局愛を取り戻すことで友達も戻ってくる。結果、成功を掴む可能性が増大するんですよね。


クシュトラックス(B)


オウラ(Dr)


ロットヴォネン(G)

──今作ではBABYMETALやスウェーデンのオカルトロックバンドYEAR OF THE GOATが登場したり、超大電導波デスボイスを操るオリジナルバンドのブラッドモーターが新たに現れたりと、登場人物も豪華ですね。




BABYMETAL

ヨハンネス・ホロパイネン:新しいキャラクターが登場するのは刺激的だよね。特にブラッドモーターのヴォーカルであるロブは、元々はトゥロにとっての心の師匠のような存在なんだけど、コマーシャリズムに侵されたような存在になってしまい、トゥロはショックを受けてしまう。そこでトゥロはブラッドモーターのような道を選ぶのか、それとも自分の信念を貫くのかという選択を迫られる。それが2作目の大きなテーマのひとつなんだ。


ブラッドモーター

──実際、<ヴァッケン・オープン・エア>での撮影はどうでしたか?大雨だったと聞いていますが。

ヨハンネス・ホロパイネン:過酷な環境での撮影だったわけだけど、撮影クルーの情熱とプロ意識の高さにぐっときた。とにかく悪天候で、フェスの最終日の「そろそろ撤収ですよ」と言われたタイミングで、ようやく太陽が出てきた。そこから1時間でバンドの撮影がようやくできたんだよ。バックステージではたくさんの人に「1作目を見たよ」と言ってもらえて、改めて1作目の反響を感じることができた。<ヴァッケン・オープン・エア>のオーディエンスの一体感がとにかくすごかったし、実際に自分がステージに立ってみてオーディエンスからの愛と熱気をダイレクトに感じたことも、ものすごく大きな思い出になったよ。




◆『ヘヴィ・トリップII /俺たち北欧メタル危機一発!』オフィシャルサイト
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