【インタビュー】EOW、ニューヨーク修行17日間のバンド成長記録「想像以上のことしか起きてない」
■ニューヨークの演出も空間も全部に
■エンターテイメントのすごさを感じました
──ニューヨークでは現地の音楽関係者との出会いもあったそうですね。
Laco:サウンドエンジニアの畑亮次さんにお会いすることができて、大事なことを教わりました。昨年のグラミー賞受賞作品(『第65回グラミー賞』Best Global Music Album最優秀賞を受賞した宅見将典のアルバム『SAKURA』のマスタリングエンジニアを務めた)も手掛けている方です。私、歌うことが大好きだから、自分のエネルギーを出すことばかり考えちゃうんですね。音楽というより、ビームを出すみたいな歌い方をしてたんです。だけど、畑さんに「もっとベースを聴いたほうがいい」って言われて。バンドメンバーのグルーヴをもっとしっかり吸収して、それを体の中に入れた上でビームを出せるフロントマンにならなきゃいけないんだっていうことを教わりました。つまり、自分が歌うことにワクワクして前のめりになりすぎて、あんまりハマってなかったっていう。その時、恥ずかしくなったし悔しくもなって。もっとバンドメンバーのことを信頼して、グルーヴに乗せた歌を歌えるようにならないといけないな、それが日本でできてなかったなって思いました。
Tomoaki:ニューヨークのライブハウスでいろいろなローカルバンドを見て感じたのが、日本だとバンドであっても、“ボーカリストと楽器隊”みたいな認識が無意識のうちにあると思うんです。だけど、俺がこっちで見たバンドはみんな“ボーカルも楽器のひとつ”という感じで。たとえば、ドラムのビートに対してベースが乗っかって、ギターのフレーズに対してキーボードが返して、ボーカルがちゃんと誘うからギターソロが映えるとか。そういうステージを見て、“畑さんが言ってたのって、こういうことに通じるのかな”って思いましたね。ボーカリストに対する考え方として。
▲with Reza
──ニューヨークのイベント主催者にも出会えたとか?
Laco:マンハッタンのライブハウスHeaven Can Waitのオーナーであり、<DNA NYC>という人気イベントの主催者レザ(Reza)と出会って、ライブにも飛び込みで出演させていただきました。日本だと、SNSのフォロワー数をはじめとする数字だけで評価されることが多いと思うんですね。でもレザはインディペンデントである私たちの熱量や、私たちが伝えたいことを汲み取ってくれたんです。
Tomoaki:それで飛び込みでライブをさせていただけることになって。<DNA NYC>然り、ちゃんと行動に起こせる人はカッコいいなと思いました。
──英語でのコミュニケーションはどうでしたか?
Laco:とにかく怖がらずに、知ってるワードを放とうと心掛けました。文法が合ってるかとか、そんなこと考えてる間にパーティーだと「バイバーイ」ってなるじゃないですか。それはもったいないから。「どんな音楽やってるの?」って聞かれたら、「インスパイアード・ゴスペル、J-POP、ミックス!」みたいな(笑)。とにかく単語を並べて、「面白そうじゃん」ってなるように伝えて。
Tomoaki:前のめりにならないと置いていかれるって思いましたね。最初の頃に、“出会った人は、絶対俺よりも名前を先に言ってるな”ってことに気づいて。その時点で、“こいつ英語が苦手なんだろうなって思われたかも”と感じた瞬間が何回かあったんですよ。“これじゃ、良い機会を逃すかもな”って思いましたね。Heaven Can Waitでのライブの前に、同じ会場でMMF(Music Manager Forum)という音楽業界のミキサー(交流会)が開催されていて、僕らも急遽参加したんですよ。その時は自分から先に「I’m Tom!」と前のめりに言って回りました(笑)。
▲with Megumi Hamura
──ネットワーキングの場では積極的にSNS交換もされてましたね。
Tomoaki:日本はSNSを交換するにもけっこう勇気がいるというか、礼儀をわきまえないと、みたいなところもあるんですけどね。それがこっちに来てSNSを普通に交換して、その連鎖で旅が充実したということもあるので、今までもったいないことしてたなと。
Laco:うん。それはマジで思いました。
Tomoaki:たとえば日本で、他のバンドと共演した後に挨拶はするけど、SNSのフォローは帰り道でいいかなみたいな。けっこうそう思っちゃってたんですよね。
Laco:分かる! “次の日にDMまで送っちゃえばいいんだ”ってこっちに来て学びました。日本だとなんとなく、“DM送ったらキモいかな”とか躊躇しちゃうんですけど、“「昨日はありがとうございました! EOWの楽曲、このリンクから聴いてください」くらいは言ってもいいのか!”って。この熱量、日本でやるべきじゃんって改めて思いました。
──最後に、ニューヨークのエンタメに触れて感じたことは?
Laco:ミュージカルのカーテンコールでいつも泣きそうになるんですけど、あの瞬間ってすごい“最多幸感空間”が溢れてるなと感じました。キャストの皆さんもお客さんも、喜びで満ち溢れてるし、ここにいる全員が「最高だったよね」って言ってる空間って多幸感しかないなって涙が出てきて。自分が望んでる空間なんだなって思いましたし、ニューヨークの演出も空間も全部、エンターテイメントのすごさを感じました。
Laco:今こうして思い返すと、想像以上のことしか起きてないですね。
取材・文◎羽村萌(Megumi Hamura)
■20thデジタルシングル「balloon」
配信リンク:https://lit.link/eow
※2ndフルアルバム『HOPE』
2023年11月29日リリース
収録曲「WONDERFUL」MV
https://youtu.be/Fdw8FuvPISA
■ワンマン<EOW 5th Anniversary EOWTIONAL PARTY Voooooice!!!>
open18:15 / start19:00
▼チケット
・一般チケット:¥5,500
・Voooooice!!!限定Tシャツ付きチケット:¥10,000
※入場時1DRINK代¥600必要
https://tiget.net/events/297846
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