ジャーニー、2024年10月に来日公演決定

ジャーニーの来日公演が発表された。2024年秋、10月19日はAsueアリーナ大阪、10月21日はパシフィコ横浜、そして10月23日は日本武道館での開催である。

＜50th ANNIVERSARY TOUR＞と冠された7年ぶりの来日公演となっているが、そのツアータイトル通り、バンド結成50周年を祝う特別なツアーとなっており、さらなる歩みを進める彼らの旅路（ジャーニー）の新たな幕開けとなるものだ。

ジャーニーの結成は1973年、サンタナに参加していたニール・ショーン（G）、グレッグ・ローリー（Key,Vo）、ロス・ヴァロリー（B）が中心メンバーとなってサンフランシスコで誕生したバンドだ。19’75年には『Journey』でデビューを果たし、その後立て続けに2枚のアルバムを発表するも商業的な成功を得ることはできなかったが、1977年に新たなヴォーカルとしてスティーヴ・ペリーが加入すると状況は一気に好転、1978年に発表された4thアルバム『インフィニティ』は、バンド初のプラチナ・ディスクを獲得するヒットを記録した。

ドラマーにスティーヴ・スミスを迎え、1979年に発表された『エヴォリューション』は全米チャート20位をマーク、1980年発表の『ディパーチャー』は全米8位まで上昇し、バンドの人気もさらに勢いを増すこととなった。

ツアーでの疲労などを理由にグレッグが脱退するも、後任にジョナサン・ケイン（key）を迎え入れ、ニール・ショーン（G）、スティーヴ・ペリー（Vo）、ロス・ヴァロリー（B）、スティーヴ・スミス（Dr）という5人編成となった彼らは、1981年に『エスケイプ』をリリースし、「Who’s Crying Now」（4位）、「Don’t Stop Believin’」（9位）、「Open Arms」（2位）、「時の流れに」（19位）とシングル・ヒットを立て続けに飛ばし、今なお最高傑作と称される大ヒット作品を作り上げることとなった。さらに1983年発表の『フロンティアーズ』からは「Separate Ways」（8位）、「Faithfully」（12位）も大ヒットを記録し、アルバムは9週連続2位のメガヒットとなった。

1986年には『Rased On Radio〜時を賭けて』をリリースしたが、この頃からバンド内の不協和音が囁かれるようになり、バンドの活動が一旦ストップしてしまう。そこから10年の時を経て、1996年に黄金期の5人のメンバーで10枚目のアルバム『トライアル・バイ・ファイア』が発表され、最高3位を記録、ジャーニーが奏でる王道のメロディック・ロックの変わらぬ人気の高さをみせつけたものの、1998年にはスティーヴ・ペリーとスティーヴ・スミスが相次いで脱退してしまう。バンドは新メンバーにスティーヴ・オウジェリー（Vo）とディーン・カストロノヴォ（Dr）を迎えたものの、2006年のツアー中にスティーヴ・オウジェリーが体調を崩し脱退、代役にはジェフ・スコット・ソートを迎えたが翌年にはバンドから脱退を表明、バンドの存続が危うい状況に陥ってしまう。

そんなときに迎えられたのが、フィリピン出身のシンガー、アーネル・ピネダだ。ニールがYou Tubeでアーネル・ピネダを見つけ、2008年にはアーネルを加えたバンド編成でレコーディングした待望のニュー・アルバム『レヴェレイション』がリリースされ、スティーヴ・ペリーを彷彿とさせる歌声がフィーチュアされた作品は、ビルボード誌では最高5位に入るメガヒットを記録することとなった。

その後、2011年6月に14作目のアルバム『エクリプス』を発表し、精力的に北米ツアーを行なっている。2013年には、1983年以来30年振りとなる武道館公演を含む4年振りの来日公演を敢行し、ソールド・アウト続出の大反響を巻き起こした。

近年ではアルバムのリリースこそ少なくなっているものの、彼を取り巻く環境は大きく変化している。アメリカの大人気ドラマシリーズ『glee/グリー』（2009〜2015年）で取り上げられた「ドント・ストップ・ビリーヴィン」がリヴァイヴァル大ヒットを記録し、彼らの全盛期を知らない数多くの若い世代にも愛される曲となっている状況だ。同時にツアー規模は拡大し、多くの人気バンドを従えたヘッドライナー・ツアーが毎年のように繰り返され、シカゴで開催される巨大フェス＜ロラパルーザ＞では、会場に詰めかけた若者たちが「ドント・ストップ〜」を大合唱するなど、アメリカの国民的バンドといえるビッグな存在になっている。


なお、日本では映画『海猿』（2004年）の主題歌として「Open Arms」がヒット。また、TBS系で放送されるワールド・ベースボール・クラシックのテーマ曲として「Separate Ways」が起用され、彼らの音楽は日本のお茶の間にも浸透している。





◆公演オフィシャルサイト