【ライブレポート】ulma sound junction、「“音楽は自由であるべき”これが僕たちの願いです」

ulma sound junctionが12月21日、＜ulma sound junction One Man Live 2023“INVISIBRUISE”＞をShibuya GUILTYにて開催した。11月29日にリリースしたメジャー1stフルアルバム『INVISIBRUISE』を携えたリリース記念のワンマンライブとなる。

◆ライブ写真

アルバム1曲目の「Appetite」でスタートしたライブは出だしから最高潮のボルテージで幕を開け、TVアニメ『ラグナクリムゾン』OPテーマ「ROAR」へと続く。バンド初のタイアップ曲として日本のみならず海外からも高い評価を得た同曲は、バンド本来の持ち味と新しいチャレンジを融合させた、彼らにとって大きな転機のひとつとなった。コンパクトながらもキャッチーでヘヴィーな疾走感あふれる楽曲はライブを更に加速させ、インスト曲「Seizure」から「Patient of Echo」へ。アルバムと同じ構成で会場を『INVISIBRUISE』の世界へと誘っていく。

「今日は平日の夜にたくさん集まってくれてありがとうございます。新しいアルバムの曲が中心ですが、久しぶりのワンマンなので懐かしい曲もやります！　いつも通り、自由に楽しんで乗ってください。“音楽は自由であるべき”これが僕たちの願いです」と挨拶。


続いて披露された「Welcom Back」は美しいメロディラインが光る楽曲で古くからのファンからすると新鮮に響くだろう。メジャーデビュー後も変化を恐れず新境地を提示していくバンドの姿勢がうかがえる名曲だ。印象的なコーラス部分は音源ではスタッフや友人などが担っていたが、ライブ初披露となった本日はファンも思い思いに口ずさみ、自由に音楽を楽しんだ。

その後は「Utopia」「Shooting Testament」「Elem-5/6/7」とライブ定番曲が続く。イベントライブ等でも披露されてきた楽曲たちが進化を遂げていることも、バンドの成長を感じさせられる。

「まだあるんでもっと暴れましょう！」と煽ると、アルバムの後半曲「Obsidian Sugar」「Kameroceras」「Protopterus」に突入。「Protopterus」はアルバムのラストを飾る10分越えの大作で「アルバムに1曲はこういうのあるよね……自分たちの首を絞めてるよね」と笑いを誘う。その高い音楽性とメンバーのキャラクターのギャップもバンドも魅力のひとつだろう。　

来年はツアーも計画しているといい「なるべく全国各地まわりたいと思っています。皆さん、元気に楽しく健康でいてください」と来年の活動にも意欲を見せ、本日ラストのコーナーへ。「Ash and Me」「Elysium」「Rotten Apple」と代表曲で更に盛り上げた。

冷めやらぬ声援に呼ばれステージに再登場したメンバーは「Modern Bleed」を熱演し「今年も、今までもありがとう！来年もよろしくお願いします！」と笑顔で呼びかけ幕を閉じた。


アルバム『INVISBRUISE』は”大きなコンセプトを設けることなく、いろんなベクトルを持つ曲を詰め込んで“制作した作品だという。ulmaらしい曲と新しさを感じる曲が混在し、その中にも様々なテイストの楽曲が詰め込まれた作品だが、どれも全てulma sound junctionが掲げる“シネマティックコア”を余すところなく表現した楽曲たちだと感じる。ライブで生の演奏を聴くことでそれが確信となり、バンドの進化を感じることができるライブとなった。これからのulma sound junctionの進む道がますます楽しみだ。

同ライブは配信も行われており、これからでもチケットの購入・アーカイブ視聴が可能だ。


写真◎喬志