【インタビュー後編】Maki、新境地にアプローチした曲作り「1曲1曲の純度が上がった気がします」
10月4日に3rdミニアルバム『Toy box』をリリースした、2015年結成の名古屋発3ピースロックバンド・Maki。10月27日からは、その自信作をひっさげ、全国13ヶ所を回る<Maki Tour 2023-’24「清老頭」>も始まる。今回のツアーファイナルは、東京・Zepp Shinjukuだ。
◆Maki 動画 / 画像
インタビュー前編では、主に新作アルバムの歌詞にまつわる話を伺った。後編では、これから始まるツアーについて、バンドとしての目標、そして新境地にアプローチした曲作りに迫った。
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■ルーツにある音楽を色濃く残しながら
■自分らしい歌に仕上げたかった
──インタビューの前編では、主に歌詞について聞かせていただきましたが、後編では今回の8曲の曲作りについて聞かせてください。『creep』でやろうとしたことをさらに詰めたとおっしゃっていましたが、具体的にはどんなことをやろうとしたのですか?
山本響(Vo, B):自分のルーツにある音楽を色濃く残しながら、自分らしい歌に仕上げたかったんです。
──なぜ、自分のルーツを残したいと?
山本:やっぱり自分の好きな音楽は、みんなにも好きになってほしいですからね。俺が聴いてきた音楽がある上で、今、山本響という人間がいるわけだから、俺が作る音楽を好きな人が、俺が聴いてきた音楽を聴いて好きにならないわけがないと思うし、俺が尊敬してきたものを、自分らしくブラッシュアップできたら、超かっこいいじゃんって、そこに挑戦してみたということです。
──自分のルーツを残したいというところで、ぱっと思ったのが「No.11」。ウィーザー感とか、ニルヴァーナ感とか、奥田民生感とかを感じたのですが、合っていますか?
山本:めちゃめちゃ合ってます(笑)。リフなんてまさにですもんね。
──コード・リフを主軸にした曲は、Makiには珍しいですよね?
山本:そうですね。「Lucky」くらいかな。
まっち(Dr, Cho):あとは「from」もそうかな。
──「Lucky」のリフは、単音のフレーズも混じっていましたが、「No.11」はコードだけでリフを作っているところが新機軸なんじゃないですか。このリフは誰が考えたんですか?
山本:僕です。リフの曲を作りたくてしかたない時があって、ウィーザーとか、ニルヴァーナとか、あとは最近の人なんですけど、ブリストン・マロニーとかも参考に作ったんです。
▲L to R:まっち(Dr, Cho)、山本響(Vo, B)、佳大(G, Cho)
──ところで、「No.11」というタイトルは、どこから?
山本:薄々気づいてますよね?(笑)
──えっ⁉
山本:11っていう数字だったら? 急にクイズみたいになっちゃった(笑)。
まっち:ダダーン!
──11と言ったら、サッカーですか?
山本:正解です! これ、サッカーの曲です。サッカーのチームを地元の友達と組んで、大会に出た時にちょうど書いた曲で。サッカーってサンバのリズムを使ったフェイントが多いんですよ。
まっち:へぇ~。
山本:そのフェイントのことを、ブラジルでは踊るって表現するんです。
まっち:全然知らなかった。
山本:だから、《踊る》って言葉が歌詞に入っていたりとか、サッカーをやる時に風を感じるから《風》って言葉が入っていたりとか。サッカーにしろ、バンドにしろ、チームのスタンスが必要だからってことで、Aメロではそんなことも書いたりしています。
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